ねらい
英文を読むとき、生徒はピリオドと大文字を頼りに、どこからどこまでが1文かを決めています。句読点を戻すは、その手がかりを本文から消して、ピリオド・コンマ・引用符と大文字のない1つながりの英文にし、文の切れ目と句読点を入れ直させる活動です。
手がかりが消えると、切れ目は意味と文の形から決めるしかありません。主語はどこで、どの語が動詞か。前の語は次の語に続くのか、そこで文が終わるのか。1文ずつ訳しているときには素通りしていた文の骨組みに、目が向きます。切れ目を1か所まちがえると、次の文の意味が通らなくなるので、生徒は自分の区切りを、意味が通るかどうかで確かめ直すことになります。
スラッシュ・リーディングが1文の中の意味のかたまりに区切りを入れるのに対して、こちらは文と文のあいだの切れ目を探します。新出語の意味を確かめたあと、教科書を開く前に置けば、初めて読む本文の読みになります。むずかしいクラスでは、ひととおり読んだあとの2回目の読みにします。
手順
- 本文から句読点と大文字を消し、1つにつなげた英文を用意します(板書かプリント)。4〜5行、50語前後が目安です。消すのはピリオド・コンマ・疑問符・感嘆符・引用符と大文字で、didn't や Sota's のアポストロフィは残します。
- 1人で3分、文が終わると思う所に/を入れます。句読点はまだ書きません。
- ペアで2分、/の位置を比べます。違う所は、両方の区切り方で声に出して読み、意味が通るほうを選びます。
- 決めた区切りに、ピリオド・疑問符・コンマ・引用符を書き入れ、文の最初の文字を大文字に直します(2分)。
- 教科書を開いて確かめます。違っていた所に印をつけ、どの語を手がかりにすれば区切れたかを、ペアで1つ言います。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 配るとき | No periods, no capital letters. Where does each sentence end? |
| 迷っている生徒に | Find the verb. Who does it? 動詞と、その主語をさがそう |
| ペアで比べるとき | Read it both ways. Which one makes sense? |
| 確かめるとき | How many sentences did you find? どの語で区切った? |
先に/だけを入れさせるのは、意味で区切ることを先にするためです。最初からピリオドと大文字を書かせると、書く作業に気をとられて、意味を考えるのがあとまわしになります。
見本
we asked 32 students in our class how do you come to school sixteen students walk walking is the most popular way ten students come by bike most of them live more than two kilometers away from school four students take a bus and two students come by car
元の文は次のとおりです。
- We asked 32 students in our class, “How do you come to school?”
- Sixteen students walk. Walking is the most popular way.
- Ten students come by bike. Most of them live more than two kilometers away from school.
- Four students take a bus, and two students come by car.
この4行(49語)で、切れ目を決める手がかりになる所です。
| 区切る所 | 手がかり |
|---|---|
| our class, "How do you | do you come は問いの語順。前に asked があるので、だれかが口にした問いがここから始まる |
| to school?" Sixteen | 問いはここで終わる。人数を表す語は、新しい文の始まりになりやすい |
| walk. Walking is | 動詞 walk のすぐあとに Walking。is の主語は Walking なので、ここから新しい文 |
| by bike. Most of them | come by bike のあとに Most of them は続かない。live の主語として新しい文を始める |
| from school. Four students | Sixteen students・Ten students と同じ、人数で始まる文がもう1つ来る |
| a bus, and two students | and のあとに主語と動詞(two students come)がもう1組ある。2つの文を and でつなぐ所に「,」 |
区切りが割れやすいのは、1行目の問いと、2行目の walk walking です。1行目を「クラスの32人に、どうやって学校に来るかをたずねた」と読んで、問いの部分を地の文のまま1文にする生徒がいます。そのときは「how のあとが do you come の順になっているのは、なぜ?」と聞きます。語順が問いの形なので、だれかが口にした問いをそのまま書いた所だと分かり、引用符と疑問符が要ることに気づきます。引用の中の How が大文字になることも、ここで確かめます。
2行目は、Sixteen students walk walking. と区切る生徒が出ます。「walking のあとの is の主語は?」と聞くと、is の前に主語がないことに気づきます。Walking を主語にして新しい文を始めると、「歩くのがいちばん多い方法だ」という意味でつながります。動名詞の主語が、区切りのいちばんの手がかりになる所です。
全部で6文で、大文字は We・How・Sixteen・Walking・Ten・Most・Four の7つです。
物語では、せりふの引用符を戻す所が山になります。
here he said he gave her the umbrella and ran into the rain the next morning mika went to sota's desk thank you for yesterday here's your umbrella
here he said を "Here," he said. と戻すと「『ほら』と彼は言った」になります。he said he gave her ... と続けて読むと「彼女にあげた、と彼は言った」になり、話が変わります。sota's desk のあとの thank you for yesterday からは、ミカのせりふです。名前の mika と sota も、大文字に戻します。
変化をつける
- やさしくする: 文の数を先に伝えます(この4行なら6文)。それでもむずかしければ、本文の行ごとに分けて見せます。行の終わりは文の終わりなので、行の中の切れ目だけを探せばよくなります。
- むずかしくする: 10行全部を1つにつなげ、文の切れ目に加えて、段落の切れ目(話題が変わる所)も入れさせます。How We Come to School なら、人数の話(1〜4行目)、よいところの話(5〜8行目)、坂の話(9〜10行目)に分かれます。段落ごとに名前をつけるなら見出しをつけるへ。
- 対話文で: 話し手の名前ごと消して、どこで話し手が替わるかも決めさせます。Monday Morning なら、2回目の good morning から話し手がリクに替わります。だれが何を言ったかを決めることが、そのまま会話の中身をつかむ読みになります。
- 高校では: 1文の長い評論の段落で行います。関係代名詞や分詞で後ろから説明がつく文は、どこまでが主語かを決めないと、動詞が見つかりません。区切ったあとで、各文の主語と動詞に下線を引かせると、長い文を読む練習になります。
つまずきと手当て
- 1語ずつ訳しながら区切りを探して、時間が足りない: 区切りを入れる前に、一度、小さな声で通して読ませます。声に出すと、意味のまとまりで息が切れる所が自然に出てきます。
- 区切りすぎる(Ten students come. By bike most of them live ...): 「1つの文に、主語と動詞が1組」という決まりを示します。区切った文ごとに主語と動詞に下線を引かせると、動詞のない文や、主語が2つある文が見つかります。
- 引用の部分を地の文にしてしまう: 問いの語順(do you・can we)や、said や asked のあとの I が手がかりです。said や asked を見つけたら、そのあとに引用が来ないかを確かめる、と決めておきます。
出どころ
句読点を消した文章に区切りを入れさせる練習は、文の切れ目を読む練習として、また大文字やピリオドといった書くときの決まりの練習として、英語の授業で広く使われてきました。本文にピリオドを打たせる活動は、田尻悟郎『英語教科書本文活用術!』(教育出版、2014)の第1章でも、理解の段の、空白部分を埋める活動の1つとして挙げられています。このレシピの、先に/だけを入れて意味で区切らせる手順と、見本の手がかりの表は、このサイトで作ったものです。