ひとことで言うと
スラッシュリーディングは、英文の意味のまとまり(チャンク)の切れ目にスラッシュを入れて、前から順に読んでいく読み方です。The boy / who lives next door / plays soccer / every Sunday. のように区切ると、長い文でも「誰が/どんな/何をする/いつ」と、まとまりごとに意味が取れます。返り読みをやめて、英語の語順で読む最初の一歩になります。
出どころ
英文を意味の単位(sense group/chunk)で読む考え方は、速読とリスニングの研究から来ています。学習指導要領の本文には出てきませんが、高校の教科書や指導書が「意味のまとまり」「チャンク」の語で扱い、現場ではスラッシュを入れた本文(スラッシュ入り本文)が読解の定番の手立てになっています。
授業での実際の使い方
区切る場所の目安は5つです。
- 前置詞の前(in / at / to / for / with)
- 接続詞の前(because / when / if / that)
- 関係代名詞の前(who / which / that)
- 不定詞の前(to+動詞)
- 長い主語のあと(動詞の前)
| 段 | 誰が区切るか | 使い方 |
|---|---|---|
| 1 | 先生 | スラッシュ入りの本文を配り、まとまりごとに音読とリピート |
| 2 | 先生と生徒 | 先生が最初の段落だけ区切り、残りを生徒が区切る。ペアで比べる |
| 3 | 生徒 | 初見の英文に自分でスラッシュを入れてから読む。区切りが違っても意味が取れていれば正解 |
先生が言う言葉は「線のところで意味を1回まとめる」「線を戻らない」の2つです。区切りに正解は1つではないので、ペアで違ったところだけ理由を言わせます。
よくある誤解
- 細かく切るほどよい、わけではありません。1語ずつ切ると意味のまとまりが消えます。3〜6語で1つが目安で、慣れるほど1まとまりは長くなります。
- 訳す練習ではありません。区切って読むこと自体が目的で、日本語にするのは次の段(サイトトランスレーション)です。
- ずっとスラッシュ入りの本文を配り続ける手立てではありません。段3(自分で区切る)に移さないと、線が無い英文で戻り読みが再発します。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 扱わない |
| 中学校 | 中2後半から、長めの文にだけ先生がスラッシュを入れる。中3で自分で区切る練習 |
| 高校 | 読解指導の基本。速読ではまとまりを長く、精読では短く区切る |
| 塾 | 入試の長文で時間が足りない生徒に、区切りの5つの目安から教える |
この用語が出てくる教材と記事
- 速読ラダー(中1)。タイムを測って読む5分読解で、まとまりで読む速さを段で上げます(中2・中3もあります)。
- 精読ラダー(中1)。1文を骨まで読む15分ワークで、区切りと構造を確かめます。
- スキミングとスキャニングの違いと教え方。まとまりで読めるようになったあとの、読み方の使い分けです。
- 区切ったまとまりを声に出して日本語にする形はサイトトランスレーションへ。