ねらい
文がばらばらになると、文と文をつないでいた手がかりが見えてきます。he や it がだれと何を指すか、then や the next morning が時間をどう進めるか、but がどこで話の向きを変えるか。並べかえて戻すのは、本文を1文ずつ切ったカードを、そうした手がかりを使って元の順に組み立て直す活動です。
1文ずつの意味が分かっても、並べられるとは限りません。並べるには、ある文がなぜ別の文のあとに来るのかを説明できなければなりません。読み終えた本文で行えば内容の確かめに、まだ読んでいない本文で行えば、話の筋を予想しながら読む活動になります。
手順
- 本文を1文ずつ(長い文は意味のかたまりで)カードに切ります。4人のグループに1組です。
- カードを裏返して配り、1人に2〜3枚ずつ持たせます。
- もとの形では、自分のカードの文を覚えたら、カードを伏せます。覚えた文を口で伝え合い、相談して順番を決めます。決まった順に並んで立ち、1人ずつ自分の文を言っていきます。
- やさしい形では、カードを机に並べて、グループで動かしながら順番を決めます。
- 答え合わせは、教科書の本文か音声で行います。違っていたところは、なぜそう並べたかをグループに言わせます。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 始めるとき | Remember your sentence. Then put your card face down. |
| 手がかりを示すとき | Look at he, she, it, then. Who is he? What is it? |
| 迷っているグループに | Which card comes first? Why? |
| 答え合わせで | Why did you put this card here? どの語で決めた? |
見本
9行の本文を、次のように混ぜて配ります(A〜I の札)。
- He had a big blue umbrella. He looked at the rain, and then he looked at Mika.
- “No problem,” he said. “I like rain.”
- Then Sota came out. He was in her class, but they didn't talk much.
- Sota smiled, but his voice sounded strange. He had a cold.
- It was raining hard after school. Mika didn't have an umbrella, so she waited at the school gate.
- The next morning, Mika went to Sota's desk. “Thank you for yesterday. Here's your umbrella.”
- “For your throat,” she said. This time, Sota didn't say anything, but his face turned a little red.
- “Here,” he said. He gave her the umbrella and ran into the rain.
- Mika knew that wasn't true. She took a small bag out of her pocket. There were three lemon candies in it.
正しい順: E → C → A → H → F → D → B → I → G
この物語で手がかりになる語の例です。
| 手がかり | どのカードとどのカードをつなぐか |
|---|---|
| Then(そのとき) | 校門で待つ場面(1行目)のあとに、ソウタが出てくる(2行目) |
| He had a big blue umbrella. | 傘を持っていないミカ(1行目)と対になる。he はソウタ(2行目より後ろ) |
| The next morning | 雨の日の場面(1〜4行目)が終わって、翌朝へ進む(5行目) |
| He had a cold. | 雨の中を走った(4行目)ことの結果。翌朝の場面に置く |
| Mika knew that wasn't true. | that が指すのは I like rain(7行目)。そのすぐあとに来る |
| This time | 前の No problem(7行目)とくらべて、今度は何も言わなかった(9行目) |
混ぜたあとの A(3行目)と B(7行目)のように、内容だけでは置き場所が決めにくいカードが、代名詞と時を表す語で決まっていくのが、この活動の山場です。答え合わせでは、正しい順そのものより「どの語で決めたか」を言わせます。手がかりの語に目が向くと、次に別の本文を読むときにも、その語を頼りに読めるようになります。
変化をつける
- やさしくする: カードを5〜6枚に減らします(2文ずつ1枚にする)。最初と最後のカードだけ先生が示しておくと、中1でも並べられます。
- むずかしくする: 1枚だけ、本文にない文(にせのカード)を混ぜます。並べながら「この文は話に合わない」と見抜かせます。にせのカードは、本文の内容と少しだけ食い違う文にします(例: Sota gave Mika his umbrella and walked home with her.)。
- 説明文で: 段落ごとのカード(主張・理由・例・まとめ)にすると、文章の組み立てを読む活動になります。
- 高校では: 段落の中の文を混ぜ、つなぎの語(however, therefore, for example など)を消したカードにします。論の流れだけで並べさせます。
つまずきと手当て
- 意味を考えずに、教科書をめくって答えを探す: もとの形(カードを伏せて口で伝える)にするか、教科書をしまわせます。読み終えた本文で行うときも、答え合わせまでは教科書を開かないと決めておきます。
- 1人が全部並べてしまう: カードを1人2〜3枚ずつ配り、自分のカードは自分しか動かせない決まりにします。全員が自分の文を声に出さないと並ばない形にすると、読む人が偏りません。
- 並べ終わったグループが待っている: 並べた順に本文を音読させ、そのあと、にせのカード入りの組を渡します。
出どころ
本文を1文ずつ切って配り、学習者がやりとりしながら元の順に戻す活動は、ストリップ・ストーリー(strip story)と呼ばれます。Robert E. Gibson が1975年に TESOL Quarterly で紹介した方法で、もとの形では、学習者は自分の文を覚え、カードに頼らずに話し合って順番を決めます。話す必要が生まれる活動として、英語の授業で広く使われてきました。このレシピの手がかりの表と、にせのカードを混ぜる変え方は、このサイトで作ったものです。