ねらい
本文を読んだあとの問答では、ふつう先生が問いを作り、生徒が答えます。インタビュー記事にするは、その向きを逆にする活動です。答えは本文の中にあります。生徒は本文の文を答えとして選び、その答えを引き出す問いを作って、記者と話し手のやり取りの形の記事に書きかえます。
答えから問いを作るには、その文が何についての文かを、いちばん短く言えなければなりません。She lives alone in a small town by the sea. が答えなら、問いは Where does she live? です。lives alone も答えに入っているので、Does she live with her family? と聞くこともできます。どちらの問いを選ぶかで、記事の読み手に何を伝えたいかが決まります。問いを作ることが、1文ずつの中心を読む作業になります。
記事には、見出しとリード文(記者の言葉で話し手を紹介する、記事の最初の2文)もつけます。リード文は記者の言葉なので、本文の I を3人称に変えて書くことになります。ホットシートが本文の外まで想像して、その場で答える話す活動なら、こちらは答えをすべて本文から取る、書く活動です。
手順
- 本文の内容をつかんだあとに置きます。記事の形を板書します(見出し→リード文→問いと答え4〜6組)。
- 1人で3分、答えに使う本文の文に番号をつけます(4〜6か所)。本文の順番どおりでなくてかまいません。
- 1人で7分、それぞれの答えを引き出す問いを書き、リード文と見出しを書きます。答えには、本文の文をほぼそのまま使います。
- ペアで3分、記事を交換し、答えを手で隠して問いだけを読みます。問いを読んで答えが言えたら、問いと答えが合っています。
- 2〜3人の記事を、記者と話し手の役でペアに読んでもらいます。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 答えを選ぶとき | The answers are in the text. Choose four to six sentences. |
| 問いを作るとき | What question brings this answer? |
| リード文を書くとき | You are the reporter. Write about Haruto: He is ... |
| 読み合うとき | Cover the answers. Can you answer the questions? |
見本
- Do you have something special? For me, it is this notebook.
- My grandmother gave it to me last summer.
- She lives alone in a small town by the sea.
- She has kept a diary for fifty years.
- She doesn't write about big things. She writes about the weather, the flowers in her garden, and the dinner she cooked.
- One night, she showed me her old diaries. I found my name on many pages.
- “Haruto called today.” “Haruto is ten today.”
- I was surprised. I didn't know she wrote about me.
- The next morning, she gave me this notebook. “Write three lines every night,” she said.
- I have written in it every night since then. Small things become special when we write them down.
このスピーチで作ったインタビュー記事の例です(このサイトで作った例)。
| 記事の部分 | 英文 |
|---|---|
| 見出し | Three Lines Every Night |
| リード文 | Haruto is a junior high school student. Last summer, his grandmother gave him a notebook, and he has written in it every night since then. |
| 問い1 | What is special for you? |
| 答え1 | This notebook. My grandmother gave it to me last summer. |
| 問い2 | How long has your grandmother kept a diary? |
| 答え2 | For fifty years. She doesn't write about big things. She writes about the weather and the flowers in her garden. |
| 問い3 | Why were you surprised? |
| 答え3 | I found my name on many pages of her old diaries. I didn't know she wrote about me. |
| 問い4 | How do you use the notebook? |
| 答え4 | I write three lines in it every night. Small things become special when we write them down. |
いちばん手が止まるのは、問い3です。6〜8行目には、古い日記・自分の名前・おどろき、と出来事が続きます。答えを I was surprised. だけにすると、問いは How did you feel? になり、記事の読み手には、何におどろいたのかが伝わりません。答えを「何を見つけて、なぜおどろいたか」にして、問いを Why were you surprised? にすると、6〜8行目の出来事とおどろきが1組でつながります。疑問詞を How から Why に変えるだけで、記事が伝える中身が変わります。
問い1は、スピーチの1行目 Do you have something special? が、記者の問いに変わった所です。スピーチでは、話し手が聞き手に問いかけて話を始めていました。記事では、問いかけるのは記者の役目なので、ハルトの答えは This notebook. から始まります。
リード文では、人称と時の形がまとめて変わります。2行目の My grandmother gave it to me last summer. は his grandmother gave him a notebook に、10行目の I have written in it every night since then. は he has written in it every night since then になります。本文の it は、記事の読み手には何を指すか分からないので、リード文では a notebook と書きます。has written の has を落とさないかどうかも、ここでの確かめ所です。
変化をつける
- やさしくする: 問いの最初の語(What・How long・Why・How)を先生が渡し、答えに使う文にも下線を引いておきます。生徒は問いの残りを作るだけにします。中2の前半は、問いと答えを3組にします。
- むずかしくする: 問いの順番を、本文の順番ではなく、読み手がいちばん知りたいことから並べます。最後に、記者のひとこと(I want to write three lines tonight, too.)を足させます。
- 物語で: Three Lemon Candies のソウタに、次の日にインタビューします。地の文は3人称で書かれているので、答えはソウタの I に変えて書きます(I gave her my umbrella and ran into the rain.)。語り手を変える書きかえが入るので、視点を変えて語るのあとに置くと書きやすくなります。
- 説明文で: How We Come to School を調べた生徒へのインタビューにします(How many students did you ask? / What was the most popular way?)。
- 高校では: 評論の筆者へのインタビューにします。筆者の主張に反対する読み手の立場からの問いを1つ入れ、答えは本文の根拠の文から選ばせます。
つまずきと手当て
- 問いと答えがずれる(Where does she live? に For fifty years.): 手順4の、答えを隠して問いだけを読む確かめを、ペアに渡す前に自分でもさせます。問いを読んで、自分の書いた答えが出てくるかを確かめます。
- はい・いいえで答える問いばかりになる: 疑問詞で始まる問いを半分以上にする、と決めます。はい・いいえの問いは、答えが Yes. か No. で終わりやすく、本文の文を答えに使えません。
- リード文が I のままになる: 板書の記事の形で、記者の言葉(見出し・リード文・問い)と話し手の言葉(答え)を色で分けて示します。リード文は記者の言葉なので、ハルトは he です。
出どころ
文章の形を変えて書き直す活動は、書く指導で広く使われています。答えから問いを作る練習は、本文クイズ職人のような、本文から問題を作る活動と同じ考え方に立っています。このレシピの、答えを先に本文から選ぶ手順と、見出しとリード文をつける記事の形、見本の記事は、このサイトで作ったものです。