本文へスキップ
英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 4・覚える

部分ディクテーション本文の音声を聞いて、つながって聞こえる語句の空所を書く

合う本文
どの型の本文でも
時間
10分
形態
個人・ペア
学年の目安
中1〜高校
準備
空所のある本文のプリント・本文の音声
見本の本文
My Grandmother's Notebook(スピーチ・手紙・中3程度)

練習を重ねた教科書本文の音声を聞き、空所になった語句を書き取る活動です。空所は、音がつながったり弱くなったりして聞き落としやすい所に置きます。聞き落とした語は、暗唱のときにも落としやすい語なので、書き取ったあとは声に出して入れ直す段まで進めます。空所の選び方、手順と先生の言葉、オリジナルのスピーチでの見本をまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

本文を何度も音読して、内容も言えるようになったのに、ある語だけがいつも抜ける。そうした語の多くは、音がつながったり弱く読まれたりして、聞いたときにも聞こえていない語です。部分ディクテーションは、本文の音声を聞いて、空所になった語句を書き取る活動です。このレシピでは、空所を、聞き落としやすい所(音がつながる所や、弱く読まれる語を含む所)に置きます。

ディクテーションは、聞き取れなかった語が紙の上に残るのがよい所です。覚える工程の途中でこれを行うと、残った語が、そのまま暗唱で落とす語の一覧になります。She has kept a diary の has を聞き落とす生徒は、言うときにも She kept a diary と言いがちです。落とした語を書き取りで見つけ、声に出して入れ直すまでを、1つの活動にします。

手順

  1. 空所のある本文のプリントを作ります。4〜6行で、1行に1か所、2〜4語の語句を( )にします。
  2. 1回目は、書かずに聞きます。
  3. 2回目は、1行ごとに音声を止めて、空所に書きます。つづりに迷ったら、思いつくつづりで書いておき、確かめのときに直します。
  4. 3回目は通して聞き、抜けを埋めます。教科書で確かめ、落とした語に赤で丸をつけます。
  5. 赤丸の語句を、音声のつながり方をまねて3回言います。そのあと、プリントを裏返して、空所のあった文を本文を見ずに言います。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
1回目Just listen. Don't write yet.
2回目Write the missing words. I'll stop after each line.
確かめるときCircle the words you missed. 落とした語は何?
声に出すときSay the missing part three times, just like the audio.

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)My Grandmother's Notebookスピーチ・手紙・中3程度・2〜6行目(全文で約123語)
  1. My grandmother gave it to me last summer.
  2. She lives alone in a small town by the sea.
  3. She has kept a diary for fifty years.
  4. She doesn't write about big things. She writes about the weather, the flowers in her garden, and the dinner she cooked.
  5. One night, she showed me her old diaries. I found my name on many pages.

この5行で、空所を次のように置きます(プリントでは( )の中が空いています)。

行空所のある文聞き落としやすいわけ
2My grandmother (gave it to) me last summer.gave it to がつながって、1語のように聞こえる
3She (lives alone in a) small town by the sea.lives と alone がつながり、in a も1つの音になる
4She (has kept a) diary for fifty years.has が弱く短く読まれ、kept a もつながる
5She (doesn't write about) big things.doesn't の t がほとんど聞こえない
6One night, she (showed me her) old diaries.her の h が弱くなり、me her がつながる

書き取りでよく出る答えと、そこから分かることです。

よく出る書き取り本文分かること
She (lives alone in) small townlives alone in atown の前の a を落とす。言うときにも落としやすい
She (kept a) diaryhas kept ahas を落とす。現在完了が過去形になる
She (doesn't write) big thingsdoesn't write aboutabout を落とす。write about(〜について書く)のまとまりが入っていない

いちばん大事なのは、4行目の has です。has を落とすと She kept a diary for fifty years. になり、「50年日記をつけていた(今はもう書いていない)」とも読める文になります。この文の has は、おばあさんが今も日記を書き続けていることを運んでいる語です。落とした語が文の意味を運ぶ語だったと分かると、生徒は has を入れて言い直すようになります。

5行目の about を落とす生徒は、write big things と write about big things の違いに、まだ気づいていません。赤丸の語句を3回言うときは、write about をひとまとまりで言わせます。

空所を選ぶときは、意味を運ぶ語(grandmother・diary・fifty)だけを空けないようにします。意味を運ぶ語は、内容を覚えていれば聞き取れなくても書けてしまい、聞き落とした語が紙に残りません。

変化をつける

  • やさしくする: 空所の語の数だけ下線を引いておきます(__ __ __)。中1は1か所1語にして、デジタル教科書の音声の速さを落として使います。
  • むずかしくする: 空所を意味のかたまり1つ分(by the sea・for fifty years まで)に広げ、最後は1文まるごとを空所にします。全文を書き取る形に近づいていきます。
  • 対話文で: Monday Morning なら、Were you studying(Were you がつながる)、What a game(What a がつながる)、want to play(want to が弱くなる)の3か所が空所に向きます。
  • 高校では: 文法の要になる語を含む所を空けます。助動詞と完了形(should have been)や関係詞(the book which I)は、弱く短く読まれるので、書き取ると、読めていたつもりの文法が聞こえていなかったことが分かります。

つまずきと手当て

  • 書くのが追いつかない: 1行ごとに音声を止め、空所の最初の文字だけを書いておいて、3回目の通しで残りを書く、と決めます。
  • つづりのまちがいで落ち込む: この活動では、語が聞き取れていれば合格です。つづりは確かめのときに直し、点にはしません。
  • 答え合わせで終わってしまう: 赤丸の語句を言う段(手順5)を必ず入れます。書き取りで見つけた語は、言うときにも落ちる語なので、声に出して入れ直すまでが、この活動の本体です。

出どころ

聞いた英語を書き取るディクテーションは、語学の練習として古くからある形です。文章の一部だけを空所にして書き取らせる形は、スポット・ディクテーション(spot dictation)とも呼ばれ、聞く力をみるテストの形式としても使われてきました。このレシピの、空所を音がつながる所と弱く読まれる語に置く選び方と、書き取りのあとで声に出して入れ直す段、見本の空所の表は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

同じ工程(覚える)のほかのレシピ

ほかの工程のレシピと、単元の2〜3時間の献立の例は一覧から