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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)
段階4・覚える(5つの段階のうち)

日本語から本文を書きもどす自然な日本語訳を見て、英語の本文を書いて比べる

準備本文の日本語訳(自然な日本語にしたもの)

この活動の流れ合計13分(目安 10〜15分)A4 のカードで見る
  1. 日本語を見て書きもどす5分
  2. 元の本文と比べて印2分
  3. ペアで○と×に分ける3分
  4. 全体で?を確かめる2分
  5. ×の文を書き直す1分
日本語→英語シートを、いま使っている教科書で作る本文プリントメーカー(作る・映すは無料/印刷は Premium)

ねらい

本文を何度も音読して、見ないで言えるようになっても、書かせてみると a が抜けたり、s がつかなかったりします。声に出しているときには流れてしまう小さな語が、書くと1語ずつ目に見えるからです。日本語から本文を書きもどすは、本文の自然な日本語訳を見て、英語の本文を書きもどし、元の本文と比べる活動です。

比べて見つかった違いは、意味も文法も正しい「別の正しい言い方」と、直すべき「まちがい」の2つに分けます。分けると、本文を正確に覚えているかと、本文の英語を自分の英語で言いかえられる幅の両方が見えます。

口で3秒以内に返す日本語→英語クイックレスポンスが、速さと文の組み立てを見る活動なら、こちらは書いて、a や s のような小さな語まで正確さを見る活動です。

手順

  1. 本文を音読で十分に練習し、口で言えるようになってから置きます(クイックレスポンスのあとや、次の時間の最初)。
  2. 3〜5文の日本語訳を配ります(板書でもよい)。訳は、英語を一語ずつ置きかえた直訳ではなく、自然な日本語にします。
  3. 1人で5分、教科書を閉じて、日本語を見ながら英語の本文を書きます。どうしても出てこない所は、1回だけ教科書を見てよいことにし、見た所には下線を引いておきます。
  4. 教科書を開いて元の本文と比べ(2分)、違う所に印をつけます。
  5. ペアで3分、印の所を「別の正しい言い方(○)」と「まちがい(×)」に分けます。迷う所には?をつけます。
  6. 全体で?の所を確かめ(2分)、×のついた文だけを、本文を見ずにもう一度書きます(1分)。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
始めるときRead the Japanese. Write the English sentences from the textbook.
詰まったときYou can look at the textbook only once. Underline the part you checked.
比べるときCompare your sentences with the textbook. Mark the differences.
分けるときAnother correct way, or a mistake? 別の正しい言い方? まちがい?

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)How We Come to School説明文・中2程度・2〜4行目(全文で約117語)
  1. Sixteen students walk. Walking is the most popular way.
  2. Ten students come by bike. Most of them live more than two kilometers away from school.
  3. Four students take a bus, and two students come by car.

この3行に合わせて配る日本語の例です。

行配る日本語
216人が歩いて通っています。歩きが、いちばん人気のある通い方です。
3自転車通学は10人です。そのほとんどは、学校から2キロより遠くに住んでいます。
4バスが4人、車が2人です。

生徒が書きそうな英文と、判定の例です(このサイトで作った例)。

書いた英文本文判定
Sixteen students go to school on foot.Sixteen students walk.○ on foot(歩いて)を使った別の正しい言い方
Walking is the most popular.Walking is the most popular way.? 文としては正しい。way(通い方)まで求めるかで割れる
Walk is the most popular way.Walking is the most popular way.× 主語は「歩くこと」なので Walking
Ten students come by a bike.Ten students come by bike.× by bike には a をつけない
Many of them live ...Most of them live ...× 文法は正しいが、「ほとんど」が「たくさん」に変わっている
Four students come by bus, and two students come by car.Four students take a bus, ...○ come by bus でも同じ意味
Four students take bus.Four students take a bus.× take a bus の a が抜けている

話し合いになるのは、2つ目の Walking is the most popular. です。文としては正しく、意味も通じますが、日本語の「通い方」にあたる way が落ちています。本文を覚える段として way まで求めるか、意味が同じなら○にするかを、始める前に決めておきます。

5つ目の Many of them は、文法のまちがいではありません。けれども「ほとんど」は most で、many にすると、自転車の10人のうち遠くに住む人の数が変わります。文法が正しくても、本文の意味と変わっていれば×、という線引きを、この行で示します。

3行目の by bike と4行目の take a bus は、a がつくかつかないかが逆になる組です。読んでいるときには気にならなかった違いが、書きもどすと答案に出ます。2つを並べて確かめます。○の答案は、本文の1文を別の英語で言いかえる1文パラフレーズ工房の材料にもなります。

変化をつける

  • やさしくする: 各文の最初の語を渡します(Sixteen __ / Walking __ / Ten __ / Most __ / Four __)。主語が決まると、残りを組み立てやすくなります。中2の前半は、2〜3文から始めます。
  • むずかしくする: 1段落まるごとを書きもどします。How We Come to School なら、引用の多い5〜10行目です。said のあとのコンマと引用符まで、元の本文と比べます。
  • 物語で: 過去形と、小さな語の抜けが出やすくなります。Three Lemon Candies の4行目の後半を「ソウタは傘をミカにわたして、雨の中へ走っていきました。」と配ると、He gave her umbrella ... のように the が抜けて「彼女の傘」の意味に変わる答案や、ran を run と書く答案が出ます。
  • 高校では: 評論の段落から、つなぎの語(however・therefore・in addition など)を含む長い文を選びます。つなぎの語が抜けたり入れかわったりすると、文と文の関係が変わることが、比べたときに見えます。
  • 次の段へ: 本文どおりに書けるようになったら、本文の形そのものを変えて書く会話を語りに、語りを会話にへ進めます。

つまずきと手当て

  • 直訳の日本語にしてしまう: 「16人の生徒が歩きます。」のような訳を配ると、日本語を1語ずつ英語に置きかえるだけで書けてしまいます。訳は、教科書の英語を知らない人が読んでも自然な日本語にします。「バスが4人、車が2人です。」のように英語と形が違う日本語ほど、主語と動詞を自分で組み立てることになります。
  • あきらめて手が止まる: 1回だけ教科書を見てよい、見たら下線、と決めておきます。開く前に「どの語が出てこないか」を1つ決めさせると、全部を見に行かずに済みます。
  • ○と×の線引きでもめる: 「文法が正しく、本文と同じ意味なら○」と始める前に示します。迷った所は?にして、先生が全体で判定します。

出どころ

訳した文をもとの言葉に訳しもどして、元の文と比べる練習は、外国語の学び方として古くからあります。イギリスのロジャー・アスカムが『The Scholemaster』(1570年)にラテン語の学び方として書いた二重翻訳(double translation)がよく知られています。この活動は、そのうちの訳から元の文へもどす所を、先生が作った自然な日本語訳で行う形です。日本語から英語に直す活動は、田尻悟郎『英語教科書本文活用術!』(教育出版、2014)の第1章でも、発展の段階の1つのまとまりとして扱われています。この活動の、自然な日本語訳を使う決まりと、違いを「別の正しい言い方」と「まちがい」に分ける手順、見本の判定の表は、このサイトで作ったものです。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

この活動を授業で使うときに

いっしょに組むとよい活動

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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