ねらい
カルタは、読み手が読む札を聞いて、取り札を早く取る遊びです。本文カルタ大会では、本文の文を前半と後半に分け、先生が前半を読み上げ、生徒は後半が書かれた札を取り合います。
早く取るには、前半を聞いた時点で、後半が頭に浮かんでいなければなりません。本文を覚えている生徒ほど、読み上げの途中で札に手が伸びます。百人一首で、上の句の最初の数音で下の句が取れる「決まり字」と同じで、どこまで聞けば取れるかが勝負になります。聞く・覚えるの練習が、取り合いの中で何度もくり返されます。
頭文字だけ本文のような覚える練習のあとの、仕上げの遊びとして置けます。文の切れ目で前半と後半に分けるので、コンマや接続詞の所で文がどう続くかにも目が向きます。
手順
- 本文を音読で練習し、見ないで言える文が増えてきたころに置きます。3〜4人の班に、後半を書いた札を1組ずつ配り、机に表を上にして並べます。
- ルールを示します。読み手が前半を読み始めたら取ってよい。違う札に触ったら(お手つき)、次の1枚は休み。同時に触ったら、じゃんけん。
- 1回戦(4分)。先生が前半を読みます。取った人は、札の後半を声に出して読みます。読めなければ札を戻します。
- 2回戦(3分)。班の1人が読み手になり、教科書を見ながら前半を読みます。読み手は1枚ごとに交代します。
- 最後に、だれも取れなかった札と、お手つきが出た札の文だけを、全員で通して言います(1分)。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 始めるとき | I'll read the first half. Touch the card with the second half. |
| 取ったあと | Read your card aloud. Then say the whole sentence. |
| お手つきのとき | Oops! That's the wrong card. Skip the next one. |
| 最後に | Let's say the sentences nobody took. |
見本
- It was raining hard after school. Mika didn't have an umbrella, so she waited at the school gate.
- Then Sota came out. He was in her class, but they didn't talk much.
- He had a big blue umbrella. He looked at the rain, and then he looked at Mika.
- “Here,” he said. He gave her the umbrella and ran into the rain.
- The next morning, Mika went to Sota's desk. “Thank you for yesterday. Here's your umbrella.”
- Sota smiled, but his voice sounded strange. He had a cold.
- “No problem,” he said. “I like rain.”
- Mika knew that wasn't true. She took a small bag out of her pocket. There were three lemon candies in it.
- “For your throat,” she said. This time, Sota didn't say anything, but his face turned a little red.
この物語で作れる札の例です。前半と後半は、コンマや接続詞の所で分けます。
| 読み札(前半・読み手が読む) | 取り札(後半・机に並べる) | 行 |
|---|---|---|
| Mika didn't have an umbrella, | so she waited at the school gate. | 1 |
| He looked at the rain, | and then he looked at Mika. | 3 |
| He gave her the umbrella | and ran into the rain. | 4 |
| Sota smiled, | but his voice sounded strange. | 6 |
| She took a small bag | out of her pocket. | 8 |
| This time, Sota didn't say anything, | but his face turned a little red. | 9 |
取り札には、後半だけを見てもどの文の続きかが分かるものと、分かりにくいものがあります。and then he looked at Mika. は、he と Mika があるので前半が浮かびやすい札です。out of her pocket. は短く、どの文の続きかを覚えていないと取れません。
読み札の最初の語だけで取れる札もあります。この6枚で This で始まるのは1枚だけなので、This まで聞けば取れます。He で始まる札は2枚(He looked と He gave)あるので、2語目まで聞かないと取れません。1回戦のあとに「どの札が早く取れた?」と聞くと、文の始まり方を見分けることに目が向くきっかけになります。
変化をつける
- やさしくする: 取り札に、後半の英文と日本語の意味を両方書いておきます。中1の前半や、本文に入ったばかりの単元で使えます。
- むずかしくする: 読み手は前半の日本語の意味を読み、生徒は英語の後半の札を取ります。日本語から英文を思い浮かべるので、日本語→英語クイックレスポンスに近い負荷になります。
- 単元の終わりに: その単元の全部のパートの文を札にして、班対抗のカルタ大会にします。取った札の文を言えた数で点にします。
- 高校では: 長い文は、関係詞や分詞の前で分けます。後半の札に、前半のどの語とつながるかを書かせると、文の組み立ての確かめになります。
つまずきと手当て
- 強い生徒ばかりが取る: 1人が続けて取れるのは2枚まで、と決めます。取った人が札を読み上げる決まりで、取ったあとにも英語を言う場面を作ります。
- 札を取ることに夢中で、英語を聞いていない: 読み手が前半を読み終える前に取ったら、取った人に前半も言わせます。言えなければお手つきにします。
- 札を作るのに時間がかかる: 教科書の文を、コンマや接続詞の所で分けるだけにします。本文プリントメーカーの並べかえカードを使えば、1文ずつのカードをはさみで前半と後半に切るだけで札になります。
出どころ
読み札を聞いて取り札を取り合うカルタは、日本の遊びとして広く知られ、英語の授業でも単語や文を覚える遊びとして使われてきました。この活動の、文の前半と後半で札を分ける作り方、取ったあとに後半を声に出して読む決まり、文の始まり方に目を向ける問いかけ、見本の札は、このサイトで作ったものです。