ねらい
教科書の対話文は、たいてい区切りのよい所で終わります。けれども2人の会話は、そのあとも続いていたはずです。続きの会話は、対話文の続きを、ペアで2往復(4行)作って演じる活動です。
決まりは3つです。人物の性格と食い違わないこと。本文の表現を1つ以上使うこと。1行を4語以上にすること。人物らしい続きを考えるには、2人がどんな人で、どんな間柄かを、本文から読み取っていなければなりません。本文の表現を借りるので、白紙から会話を作るより始めやすく、読んだ英語を、自分たちの会話の中でもう一度使うことになります。1行4語以上の決まりは、Yes. や OK. だけで行を埋めないためのものです。
続きを書くが物語の続きを1人で書く活動なら、こちらは対話文の続きを2人で作り、声に出して演じる活動です。作った4行は相手の顔を見てやり取りするので、話すこと[やり取り]の練習になります。
手順
- 対話文の意味をつかみ、役ごとに読めるようになったあとに置きます。最後の2〜3行を、ペアで1回読んでおきます。
- 3つの決まりを示します(1分)。続きは、最後の行を受けて、もう1人の人物から始めます。
- ペアで続きの4行を作ります(6分)。ノートに書き、本文から借りた表現に下線を引きます。
- ノートを見ないで言えるまで、2回練習します(2分)。2回目はノートを伏せ、詰まったときだけ見ます。
- となりのペアと4人組になり、交代で演じます(3分)。聞いたペアは「本文の人物らしいか」を一言返します。
- 全体で2〜3組が演じ、どの表現を本文から借りたかを聞きます(3分)。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 始めるとき | What do they say next? Make four more lines. 続きを4行 |
| 決まりを示すとき | Use one expression from the text. Use four words or more in each line. |
| 演じる前に | Look at your partner, not your notebook. |
| 聞いたペアに | Is that Riku? Is that Ms. Green? 本文の人物らしい? |
見本
- Ms. Green:Good morning, Riku. You look sleepy.
- Riku:Good morning, Ms. Green. I went to bed at two last night.
- Ms. Green:At two? Were you studying for the test?
- Riku:No. I was watching a soccer game on TV. Japan played Brazil.
- Ms. Green:Oh, I watched it, too! What a game!
- Riku:But Japan lost. I was so sad.
- Ms. Green:Me, too. But the last goal was beautiful.
- Riku:Yes! Number 10 was amazing. I want to play like him someday.
- Ms. Green:Then don't sleep in class today. You have practice after school, right?
- Riku:Right. I'll try!
10行目のリクのあとに続ける、2往復の例です(このサイトで作った例)。
| 続きのせりふ | 本文から借りた表現 | 人物らしさの手がかり |
|---|---|---|
| Ms. Green: By the way, who is your favorite player? | なし(8行目の話に戻る) | 先生も同じ試合を見ていた(5行目) |
| Riku: Number 10, of course. | Number 10(8行目) | 10番のようにプレーしたいリク(8行目) |
| Ms. Green: Good luck at practice! | practice(9行目) | 放課後の練習を知っている先生(9行目) |
| Riku: Thanks. I'll try not to sleep! | I'll try(10行目)・sleep(9行目) | ねむいことを正直に言うリク(2行目) |
本文の会話は、9〜10行目の「授業中に寝ないように」「がんばる」で、いったんまとまっています。続けるには、新しい話題を出すか、前の話題に戻るかのどちらかです。見本の1行目は、By the way で8行目の10番の話に戻っています。本文のどの行に戻るかを決めると、続きの中身が決まります。どこにも戻らずに新しい話題を出すと、本文から離れていきやすくなります。
見どころは、4行目の I'll try not to sleep! です。10行目の I'll try! は、授業中に寝ないようにがんばる、という返事でした。続きのリクは、それを自分から言い直して、会話を笑いで終えています。同じ I'll try を借りても、場面が変わると言い方の味が変わります。本文の表現を借りると、続きが本文とつながったまま先へ進みます。
答えが割れるのは、人物らしいかどうかです。たとえば、リクに I'm going to sleep in math class. と言わせるペアが出ます。「リクは正直だから言いそう」という意見も、「10行目で I'll try! と言ったばかりだから、先生の前では言わない」という意見も出ます。どちらも本文の行を根拠にしていれば、認めます。反対に、グリーン先生に You can sleep in class today. と言わせると、9行目の Then don't sleep in class today. と食い違います。聞いたペアの「本文の人物らしい?」は、この食い違いを見つけるための問いです。
変化をつける
- やさしくする: 1行目を先生が渡します(Ms. Green: By the way, who is your favorite player?)。ペアは残りの3行を作ります。中1の前半は、1往復(2行)でかまいません。
- 場面を変える: 同じ2人の、昼休みの会話にします。朝から何時間かたっているので、授業中に寝たかどうかを先生が聞く続きが出てきます(Did you sleep in class? / Only for five minutes.)。朝の会話の何が昼の会話につながるかを考えることになります。
- むずかしくする: 4行の中に、相づちを1つと、本文にない質問を1つ入れます。相づちを足して読むで使った相づちの一覧が、そのまま使えます。演じたあと、聞いたペアがその場で質問を1つ足し、演じたペアが役のまま答える形にすると、即興のやり取りに近づきます。
- 高校では: 意見が食い違う続きにします。2往復の中で、相手の意見を受けてから自分の意見を言う形にし(I see your point, but ...)、どちらの意見も本文の発言から無理なく出てくるようにします。monday なら、夜中の試合を見るかどうかで考えを分けると、先生も同じ試合を見ていた(5行目)ことが、言い合いの種になります。
つまずきと手当て
- 話がそれる: 続きが、好きな食べ物や週末の予定など、本文と関係のない話になる例です。本文の表現を1つ以上使う決まりに戻り、「この続きは、本文のどの行から生まれた?」と聞きます。下線を引いた表現が1つもなければ、本文から1つ選んで入れ直させます。
- 1語の返事ばかりになる: Yes. / OK. / Thanks. で返すと、4行でも会話は進みません。1行4語以上の決まりを示し、1語のあとに1文足す形を見せます(Thanks. → Thanks. I'll try not to sleep!)。足す1文は、理由か、相手への質問にすると作りやすくなります。
- 演じるときにノートを読み上げる: ノートを見ながらでは、相手の顔を見たやり取りになりません。手順4の2回目の練習でノートを伏せ、詰まったときだけ見る、とします。4行なので、2〜3回の練習で覚えられる長さです。
出どころ
対話の続きを作る活動は、話すこと[やり取り]の練習として広く使われています。本文の会話を足場にすると、だれが何について話しているかが決まった状態で、やり取りを自分たちで延ばせます。作った会話を演じる形は、ロールプレイとスキットの短い版にあたります。この活動の、人物の性格・本文の表現・1行4語以上の3つの決まりと、見本の続きの会話は、このサイトで作ったものです。