ねらい
読み終えた本文の登場人物や話し手に、英語で手紙を書く活動です。手紙は4〜6文で、呼びかけ・本文への反応・質問1つ・自分のこと1つ・結び、の組み立てで書きます。
決まりは2つです。反応は、本文の行を1つ挙げて書くこと。質問は、本文に答えが書いていないことを聞くこと。「すてきな話でした」は、本文を読まなくても書けます。何行目のどの言葉に心が動いたかを書けば、その生徒が本文のどこを読んだかが、手紙に出てきます。質問も同じで、答えが本文にある質問は、読んだ人なら聞かなくても分かることです。まだ書かれていないことを聞くには、本文の行と行を組み合わせて考えることになります。
書いた手紙は交換し、受け取った人がその人物になって、1〜2文の返事を書きます。ホットシートが人物に口で質問し、その場で答えてもらう活動なら、こちらはその書く版です。
手順
- 本文の内容をつかんだあとに置きます。手紙を出す相手を決めます。最初はクラスで1人にそろえます。
- 手紙の組み立てを板書し、2つの決まりを示します(2分)。
- 1人で、4〜6文の手紙を書きます(8分)。反応で挙げた行の番号を、手紙の横に小さく書かせます。
- となりの人と交換します。受け取った人はその人物になり、手紙の質問に答える返事を1〜2文で書きます(4分)。返事は本文と食い違わないこと。
- 手紙を持ち主に返し、返事を読みます。2〜3組の手紙と返事を全体で紹介します(3分)。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 始めるとき | Write a letter to Haruto's grandmother. |
| 反応を書くとき | Which line did you like? Write about that line. どの行? |
| 質問を書くとき | Ask something the text doesn't tell us. |
| 返事を書くとき | Now you are the grandmother. Write back in one or two sentences. |
見本
- Do you have something special? For me, it is this notebook.
- My grandmother gave it to me last summer.
- She lives alone in a small town by the sea.
- She has kept a diary for fifty years.
- She doesn't write about big things. She writes about the weather, the flowers in her garden, and the dinner she cooked.
- One night, she showed me her old diaries. I found my name on many pages.
- “Haruto called today.” “Haruto is ten today.”
- I was surprised. I didn't know she wrote about me.
- The next morning, she gave me this notebook. “Write three lines every night,” she said.
- I have written in it every night since then. Small things become special when we write them down.
手紙の組み立てです。呼びかけのあとに、反応・質問・自分のこと・結びを1〜2文ずつ書けば、4〜6文になります。
| 部分 | 書くこと | 書き出しの例 |
|---|---|---|
| 呼びかけ | 相手の名前 | Dear __, |
| 本文への反応 | 本文の行を1つ挙げて、思ったこと | I like your words, "__." |
| 質問 | 本文に答えのないことを1つ | Do you __? |
| 自分のこと | 本文とつながる自分のことを1つ | I __, too. / I don't __, but __. |
| 結び | 終わりのあいさつと名前 | Please take care. / Best wishes, __ |
ハルトのおばあさんに書いた手紙の例です(このサイトで作った例)。
| 手紙の文 | 部分 | 本文の行 |
|---|---|---|
| Dear Haruto's Grandmother, | 呼びかけ | ― |
| I like your words, "Haruto is ten today." I think you love him very much. | 本文への反応 | 6・7行目 |
| Do you write about the sea, too? | 質問 | 3・5行目から |
| I don't keep a diary, but I will write three lines tonight. | 自分のこと | 9行目から |
| Please take care. Best wishes, Yui | 結び | ― |
質問の Do you write about the sea, too? は、本文に答えのない質問です。5行目から、おばあさんが書くのは天気と庭の花と夕飯だと分かります。3行目から、海辺の町に住んでいることも分かります。この2つの行を合わせて、まだ書かれていないことを聞いています。How long have you kept a diary? のように答えが4行目にある質問と比べさせると、本文を読んだうえで聞く質問がどういうものかが見えてきます。
受け取った人が書く返事の例です。
| 手紙の質問 | おばあさんとしての返事 | 本文とのつながり |
|---|---|---|
| Do you write about the sea, too? | Yes, every day. Today the sea was quiet and blue. | 3行目(海辺の町)・5行目(大きなことは書かない) |
| Do you know Haruto writes every night? | Yes. He calls me and reads me his three lines. | 7行目(電話をくれる孫)・9行目 |
返事で割れるのは、本文に書いていないことを、どこまで書いてよいかです。海の質問に No. I don't like the sea. と返す生徒が出ます。まちがいとは言い切れませんが、海辺の町にひとりで住んでいる(3行目)こととは、かみ合いにくい返事です。「そう言える行はある?」と聞くと、返事を書いた生徒は本文に戻ります。行を根拠に返事を選ぶのは、ホットシートと同じ決まりです。
変化をつける
- やさしくする: 組み立ての表の「書き出しの例」を、そのまま型として渡します。中1の前半は、呼びかけ・反応・結びの3つでよいことにし、反応に使う行も先生が2〜3行にしぼって示します。
- むずかしくする: 人物として書く返事を厚くし、手紙の形で4文にします。質問に答えたうえで、本文の行につなげた1文を足させます(例: I wrote about you in my diary.)。人物の側から本文の先を書くことになり、続きを書くに近づきます。
- 物語で: candy なら、ミカかソウタに書きます。ミカへの手紙で Why did you give him lemon candies? と聞けば、返事のミカは、本文に書いていない選んだわけを考えることになります。
- 対話文で: monday ならリクに書きます。8行目の夢の話に反応すると、自分の夢を書く「自分のこと」につなげやすくなります。
- 高校では: 評論やエッセイの筆者に、意見の手紙を書きます。本文の主張を1つ引き、賛成か反対かと、その理由を2文で書かせます。返事は筆者の立場から、本文の根拠を使って書かせます。
つまずきと手当て
- 「すてきな話でした」だけで終わる: I like your story. や It was a nice speech. の手紙は、本文を読まなくても書けます。本文の行を1つ挙げる決まりに戻り、挙げた行の番号を手紙の横に書かせます。番号があれば、読み合うときに本文で確かめられます。
- 時の形が混ざる: 本文の出来事にふれる文で起きます。4行目の has kept を使うつもりで You keep a diary for fifty years. と書く例や、6行目の出来事を One night, you show Haruto your diaries. と今の形で書く例です。本文の動詞は形をそのまま借り、主語に合わせて has を have に直すだけ、と決めます。書き終えたら動詞に下線を引かせ、本文の動詞と見比べさせます。
- 長さがそろわない: 2文で止まる生徒と、10文を超える生徒が出ます。組み立ての部分を1つずつ書けば4〜6文になる、と示します。長く書きたい生徒には、反応を2つまでにしてよいことにし、ほかの部分は1文のままにします。自分のことの部分は、自分に置きかえるで話した内容があれば、それを使ってかまいません。
出どころ
読んだ話の登場人物に手紙を書く活動は、読むことと書くことをつなぐ活動として広く使われています。相手が決まっている手紙は、だれに何を書くかがはっきりしているので、白紙の作文より書き出しやすくなります。この活動の、本文の行を1つ挙げる決まりと手紙の組み立て、見本の手紙と返事は、このサイトで作ったものです。