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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 3・声に出す

語りとせりふの読み分け物語の地の文とせりふで、声の高さと速さと向きを変えて読む

合う本文
物語・スピーチ・手紙・説明文
時間
10〜15分
形態
グループ・個人
学年の目安
中1〜高校
準備
なし教科書だけ
見本の本文
Three Lemon Candies(物語・中2程度)

物語の地の文(語り)とせりふを見分け、語り手と登場人物の役を分けて、声の高さ・速さ・向きを変えて読む音読の活動です。最後は1人で全部の役を読み分けます。he said で語り手の声に戻る決まり、手順と先生の言葉、オリジナルの物語で読み分けに迷う所の見本、対話文と説明文での使い方をまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

物語の本文には、2つの声が入っています。出来事を語る語り手の声と、登場人物のせりふの声です。この2つを同じ調子で音読すると、聞き手には、どこからどこまでがせりふなのかが分かりません。語りとせりふの読み分けは、地の文とせりふを見分け、声の高さ・速さ・向きを変えて読む活動です。

読み分けるには、引用符の始まりと終わりを見つけ、そのせりふをだれが、だれに言っているのかを決めなければなりません。せりふの声は、その場にいる相手に向けた声です。語り手の声は、物語の外にいる聞き手に向けた声です。"No problem," he said. "I like rain." のように、せりふの途中に he said がはさまる文では、he said の2語だけ語り手の声に戻り、すぐにソウタの声に戻ります。声を切りかえる所を探すことが、そのまま本文の組み立てを読むことになります。

気持ちカード音読が1つのせりふを気持ちで読み分けるのに対して、こちらは語り手と人物という、声の役目で読み分けます。

手順

  1. 本文の内容をつかみ、ふつうの音読ができるようになってから置きます。
  2. 1人で2分、せりふに下線を引き、だれのせりふかを下線の上に書きます。he said や she said は丸で囲みます(語り手に戻る所)。
  3. 語り手と登場人物の数だけ役を分け、班で読みます(見本の物語なら、語り手・ミカ・ソウタの3人)。語り手は少しゆっくり、教室の聞き手に向けて。人物は相手の顔を見て、場面の声で読みます。
  4. 役を回して、全員がすべての役を読みます。
  5. 最後に1人で、全部の役を読み分けます。聞くペアは教科書を閉じて聞き、せりふが始まったと思った所で指を1本立てます。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
下線を引くときUnderline the words people say. Who says it?
役で読むときNarrator, read to the class. Mika and Sota, talk to each other.
he said の所で"He said" is the narrator's part. Change your voice back.
1人で読むときRead all the parts by yourself. Your partner listens with the textbook closed.

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)Three Lemon Candies物語・中2程度・4〜9行目(全文で約134語)
  1. “Here,” he said. He gave her the umbrella and ran into the rain.
  2. The next morning, Mika went to Sota's desk. “Thank you for yesterday. Here's your umbrella.”
  3. Sota smiled, but his voice sounded strange. He had a cold.
  4. “No problem,” he said. “I like rain.”
  5. Mika knew that wasn't true. She took a small bag out of her pocket. There were three lemon candies in it.
  6. “For your throat,” she said. This time, Sota didn't say anything, but his face turned a little red.

この6行で、語りとせりふを分けると次のようになります。

行せりふ(だれの)語り手に戻る所読み分けの工夫
4"Here,"(ソウタ)he said. He gave her ...Here は1語。短く言い切る。語り手は ran into the rain を少し速く
5"Thank you for yesterday. Here's your umbrella."(ミカ)行の始めの The next morning, ...語り手は The next morning の前で間をおき、場面が変わったことを示す
6なし全部が語り手He had a cold. を少しゆっくり。聞き手がここで気づくように
7"No problem," / "I like rain."(ソウタ)he said.he said の2語だけ語り手。すぐソウタの声に戻る
8なし全部が語り手Mika knew that wasn't true. を、外から語るか、ミカの心に寄せて読むか
9"For your throat,"(ミカ)she said. This time, ...This time の前で間をとる。ソウタが何も言わなかったことを、間で聞かせる

読み分けで迷いやすいのは、7行目と8行目です。7行目は、ソウタのせりふが he said で2つに分かれています。"No problem," he said. まで読んで、"I like rain." を語り手の声のまま読んでしまう生徒がいます。下線を2本に分けて引き、2本とも上に「ソウタ」と書かせると、he said だけが語り手だと見えます。かぜ声で読むかどうかを班で決めさせると、6行目の He had a cold. に戻ることになります。

8行目は、せりふのない語り手の行ですが、ミカの心の中に近い文です。Mika knew that wasn't true. を外から淡々と語るか、ミカの気持ちに寄せて少し小さく読むかで、班の読み方が分かれます。どちらにしたかを聞き、「ミカは、どうしてそれが本当ではないと分かったの?」と聞くと、6行目のかぜと、4行目の雨の中へ走っていった場面に戻ります。読み方の違いが、そのまま場面の読みの違いになっています。

4行目の "Here," と5行目の "Here's your umbrella." は、同じ here で始まるせりふです。傘を渡すソウタと、傘を返すミカ。2つを続けて読ませて言い方を比べると、2人の様子の違いが声に出ます。

変化をつける

  • やさしくする: 語り手を先生が読み、生徒はせりふだけを読みます。先生が語り手の文を読み終えた所からせりふが始まるので、入る所が分かりやすくなります。中1の前半は、せりふの話し手を先に教科書に書き込ませておきます。
  • むずかしくする: 語り手がだれかを決めて読みます。ミカの友だちが語る、何年もたってからソウタが語る、のように語り手を決めると、同じ地の文でも読み方が変わります。語り手を物語の中の人物にして書き直すなら、視点を変えて語るへ。
  • 対話文で: 対話文には語り手がいないので、場面を説明する1文を先生が作り、それを読む語り手の役を足します。Monday Morning なら「月曜の朝の廊下で、ねむそうなリクにグリーン先生が声をかける」場面を英語の1文にして、語り手が読んでから会話を始めます。
  • 説明文で: How We Come to School の6〜9行目のような、said のあとの引用を、答えた生徒の声に変えて読みます。調べた人の報告の声と、答えた人の声を読み分けると、引用がだれの言葉かがはっきりします。
  • 高校では: 長い物語で、語り手が人物の心の中を語る文(引用符のない思い)を探し、声をどう変えるかを話し合います。

つまずきと手当て

  • he said のあとも、人物の声のまま読む: 丸で囲んだ he said と she said の所で、一度、教科書から顔を上げて聞き手を見る、と決めます。顔の向きが変わると、声も変わります。
  • せりふの始まりと終わりが分からない: 引用符に色をつけさせます(始まりは青、終わりは赤)。引用符の中にピリオドがあっても、せりふが続くことがあります(5行目)。
  • はずかしがって、人物の声を出さない: 声を大げさに変えなくてよいことにします。変えるのは声の高さでなくても、速さや、だれに向けて読むかだけでかまいません。最初は1つの役を2人でいっしょに読ませます。

評価につなげる

音読テストで「場面に合った読み方」を見るなら、この活動の読み分けをそのまま課題にできます。教科書音読テストのルーブリックを使うときも、語り手とせりふの声の切りかえを見るのか、意味のまとまりで区切って読むことを見るのかを、先に決めて生徒に示しておきます。

出どころ

語り手と登場人物の役を分けて、台本を手に持ったまま声だけで演じる形は、リーダーズ・シアター(readers theater)として、母語と外国語の両方の授業で広く使われてきました。このレシピの、he said で語り手の声に戻る決まりと、聞き手がせりふの始まりで指を立てる確かめ方、見本の読み分けの表は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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