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話すの技術

英語パフォーマンステストの対策|生徒が練習で伸びる3週間の準備と、型ごとの練習のしかた

中学英語のパフォーマンステストの対策を、先生が授業で渡せる形にまとめました。ルーブリックを先に配る理由、3週間前・1週間前・前日の練習、スピーチ・やり取り・音読・即興・面接の型ごとの練習のしかた、つまずきへの手当てまで。

公開 2026-10-13・更新 2026-10-13

パフォーマンステストの対策は、生徒が家でがんばるものと思われがちです。けれど「来週テストだから練習しておいてね」と言ったとき、実際に練習できるのは、練習のしかたを知っている一部の生徒だけです。残りの生徒は原稿を何度も黙読するか、何もしないまま当日を迎えます。

点に差がつくのは英語の力の差より、練習の手順を知っているかどうかの差であることが多いです。だから対策は、先生が授業の中で渡すものだと考えます。この記事は、その渡し方を時期と型に分けてまとめたものです。課題カード・ルーブリック・採点表のそろった実物はパフォーマンステストの教材一覧にあります。

対策の出発点は、ルーブリックを先に配ること

いちばん効く対策は、評価の基準(ルーブリック)を練習の前に生徒へ渡すことです。何をしたら何点かが分かれば、生徒は自分で練習の的をしぼれます。

渡すときは、表を配るだけで終わらせず、次の2つをします。

  • 先生が「3点の例」と「1点の例」を実演して見せる。同じ内容を、目を原稿に落としたまま小さな声で言う版と、相手を見て1文足す版でやると、観点の言葉が具体的な姿になります。
  • 生徒の言葉に直した「自分用チェック」を3つだけ作らせる(例: 相手の目を見る/理由を1つ言う/聞かれたら1文足して返す)。観点の文言をそのまま覚えさせるより、練習中に思い出せます。

基準を見せると「テストのための練習になる」と心配されることがあります。けれど、話すことの評価で基準を隠すと、点が動くのは英語の力ではなく、何を求められているかを察する力になります。基準を見せて、その基準で練習させるのが公平です。

3週間前・1週間前・前日に、授業の中でやること

練習を家に任せず、授業の帯の時間(5〜10分)に組み込みます。毎回やることは小さく、回数を多くします。

時期授業の中でやること生徒が持ち帰るもの
3週間前課題カードとルーブリックを配り、先生の実演を見せる。言いたいことを日本語のメモで書き出す自分用チェック3つ・メモ
2週間前メモを英語のキーワードにする(文は書かない)。ペアで1回ずつ言ってみるキーワードのメモ
1週間前ペアを替えて3回言う。聞き手は自分用チェックで○をつけ、1つだけ伝えるペアからの一言
3日前タブレットで自分の発表を録音・録画して、1回だけ見返す直すところ1つ
前日本番と同じ時間で通す。予想される質問に答える練習を1往復だけなし(休む)

ポイントは、言う回数をペアで稼ぐことです。家で1人で練習しても、声に出して相手に言う回数は増えません。授業の中なら、5分で3人に言えます。

型ごとの練習のしかた

パフォーマンステストは、型によって練習のしかたが違います。同じ「練習しよう」でも、何を繰り返すかを型ごとに分けて伝えます。

スピーチ・発表(自己紹介・将来の夢・おすすめ)

  • 原稿を丸ごと覚えさせない。キーワードのメモ(1文につき2〜3語)から文を作って言う練習にします。暗記した原稿は、1語つまると最後まで止まります。
  • 最初の1文と最後の1文だけは、覚えてよいことにします。始まりと終わりが決まっていると、途中で迷っても戻れます。
  • 聞き手を見る練習は、メモを机に置き、文の終わりで顔を上げる、と動作で決めます。

キット: はじめての自己紹介スピーチ(中1)・将来の夢スピーチ(中2)・おすすめプレゼンテスト(中2)・3年間スピーチ(中3)

やり取り(インタビュー・ロールプレイ・チャット)

  • 答えを覚えるのではなく、聞かれたら1文足す練習をします。Do you like sports? に Yes, I do. で終わらず、I like tennis. I play it every Sunday. まで言う。この「1文足す」がやり取りの観点の中心です。
  • 聞き返しと、考える時間のつなぎを先に教えます。Pardon?/Could you say that again?/Well, let me see. の3つを言えるだけで、沈黙で点を落とす生徒が減ります。
  • 相手に聞き返す1問(How about you?)を必ず入れる、と決めておきます。

キット: 英語インタビューテスト(中1)・きのうトーク1分チャット(中1)・道案内ロールプレイテスト(中2)・週末アポとり対話テスト(中2)・ペア・ミニディスカッション(中3)

音読・リテリング

  • 音読は、ペアで1文ずつ交代に読むところから始め、句の区切り(スラッシュ)を自分で入れさせます。区切りが入ると、意味のまとまりで読めるようになります。
  • リテリングは、本文を見ずに絵とキーワードだけで話す練習です。本文の文を思い出そうとするより、自分の言える文で言い直してよい、と伝えます。

キット: 教科書音読テスト(中1)・教科書リテリングテスト(中2)

即興・写真描写・面接

  • 即興は、話す順番の型を1つだけ持たせます。「結論→理由→例→もう一度結論」の4文です。お題が何でも、この順に言えば30秒はもちます。
  • 写真描写は、場所→人→していること→自分の考え、の順に目を動かす練習をします。There is/are と現在進行形が中心です。
  • 面接は、聞かれる質問がある程度決まっています。予想される質問の一覧を先に渡し、答えを書かせるのではなく、ペアで言い合う回数を稼ぎます。

キット: 即興1分トーク(お題ガチャ)・写真描写テスト・英語面接テスト(いずれも中3)

よくあるつまずきと手当て

つまずき起きていること手当て
原稿を読み上げるだけになる原稿を文で書いて覚えようとしている文の原稿を回収し、キーワードのメモだけで練習させる
1語つまると止まる暗記の順番に頼っている最初と最後の1文だけ覚え、途中はメモから作る
質問されると黙る答えを1つしか用意していない「1文足す」と聞き返しの3つの表現を練習する
声が小さい聞き手との距離が近すぎる練習しかしていないペアの距離を教室の端と端にして1回言わせる
緊張で頭が真っ白になる本番と同じ条件で通したことがない前日に本番と同じ時間で1回通す。順番を事前に知らせる

緊張の強い生徒には、順番を先に伝える、先生と1対1の形にする、メモを見てよい時間を決める、などの調整ができます。調整した場合も、ルーブリックの観点は変えずに、どこを調整したかを記録しておくと、評価の説明がしやすくなります。

よくある質問

対策の時間を授業で取る余裕がありません。

3週間で5〜10分を6回ほどです。新しい活動を足すのではなく、帯活動やスモールトークの時間をテストの型に寄せるだけで足ります。家で練習してこない生徒の分を本番で待つ時間を考えると、授業の中で回したほうが全体の時間は短くなります。

原稿を書かせないと、何も言えない生徒がいます。

書かせてかまいません。ただし、書いた原稿を練習の途中で回収し、キーワードのメモに書き写させます。原稿は「言いたいことを決める」ためのもの、メモは「言う」ためのもの、と役割を分けると、読み上げにならずにすみます。

評価の基準を先に見せると、みんな同じ発表になりませんか。

なりやすいのは、基準ではなくモデル文を見せたときです。基準は「理由を1つ言う」のように行動で書き、内容は生徒に任せます。モデル文を見せるなら、先生自身の話題で1つだけにして、生徒の話題とは重ねないようにします。

明日からの一歩

  • 次のパフォーマンステストのルーブリックを、課題と同じ日に配る
  • 先生が「3点の例」と「1点の例」を続けて実演してみせる
  • 帯の5分で、ペアを替えて3回言う時間を1回だけ取る

課題カード・ルーブリック・採点表のそろったキットはパフォーマンステストの教材一覧に、採点の目盛りの作り方はルーブリック例20種に、テストの位置づけはパフォーマンステストとは(用語)にあります。採点のぶれに悩んだときはスピーキングテストの採点の相談へ。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

紹介した教材は、はじめの1本が無料PDFです(2本目以降の活動はPremium・月980円)

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