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英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

工程 1・読む前

教科書を閉じて聞く問いを1つだけ持って、文字を見る前に本文の音声を聞く

合う本文
どの型の本文でも
時間
5〜10分
形態
一斉・個人・ペア
学年の目安
中1〜高校
準備
本文の音声(デジタル教科書か先生の音読)教科書だけ
見本の本文
Monday Morning(対話文・中2程度)

教科書を閉じたまま、問いを1つだけ持たせて本文の音声を聞かせ、聞き取れた語と内容をメモしてから教科書を開く活動です。文字に頼らずに音から意味をつかむ時間を、本文に入る最初に作れます。問いの選び方、2回聞く手順と先生の言葉、オリジナルの対話文での見本と生徒のメモの例、聞き取れないときの手当てをまとめました。

公開 2026-10-18・更新 2026-10-18

ねらい

教科書を開いたまま本文の音声を聞かせると、生徒の目は文字を追い、耳はそのあとをついていくだけになります。音だけで意味をつかむ機会が、そこで1回なくなります。教科書を閉じて聞くは、本文を初めて扱う時間に、教科書を閉じたまま音声を聞かせ、聞き取れたことをメモしてから教科書を開く活動です。

この活動の決まりは、聞く前に問いを1つだけ渡すことです。問いがないと、生徒は全部の語を聞き取ろうとして、すぐにあきらめます。問いが1つあると聞く的が絞れ、分からない語があっても聞き続けられます。分かった所と分からなかった所がはっきりするので、教科書を開いたあとの読みにも目的ができます。

先生が本文の内容を自分の英語で語り直して聞かせるオーラル・イントロダクションと違い、こちらは本文の音声そのものを、文字より先に聞かせます。語り直しを準備する手間がないかわりに、本文の速さと語のつながりにそのまま出会うので、問いの助けが欠かせません。

手順

  1. 聞く前に、問いを1つだけ板書します。1回聞けば答えの見当がつく、話の中心にかかわる問いにします。
  2. 教科書を閉じさせ、机の中にしまわせます。本文の音声を1回聞かせます。
  3. 1人で1分、聞き取れた語や内容をメモします。語だけでも、日本語でもかまいません。問いの答えの見当も書きます。
  4. ペアで1分、メモを見せ合います。相手が書いていて自分が書いていない語に印をつけます。
  5. もう1回聞かせます。メモに1つだけ足させます(新しく聞き取れた語か、問いの答えの理由)。
  6. 教科書を開き、問いの答えを本文で確かめます。答えの手がかりになった行に線を引かせます。

先生が言う言葉の例です。

場面先生の言葉
聞く前にClose your textbook. Listen and answer one question.
問いを出すときWhy is Riku sleepy? Listen.
2回目の前にListen again. Add one more thing to your notes. メモに1つ足そう
教科書を開くときOpen your textbook. Find the answer. 何行目にある?

1回目のあとで答えを全体に言ってしまうと、2回目を聞く理由がなくなります。答えは、教科書を開いてから確かめます。

見本

見本の本文(当サイトのオリジナル)Monday Morning対話文・中2程度・全10行(全文で約88語)
  1. Ms. Green:Good morning, Riku. You look sleepy.
  2. Riku:Good morning, Ms. Green. I went to bed at two last night.
  3. Ms. Green:At two? Were you studying for the test?
  4. Riku:No. I was watching a soccer game on TV. Japan played Brazil.
  5. Ms. Green:Oh, I watched it, too! What a game!
  6. Riku:But Japan lost. I was so sad.
  7. Ms. Green:Me, too. But the last goal was beautiful.
  8. Riku:Yes! Number 10 was amazing. I want to play like him someday.
  9. Ms. Green:Then don't sleep in class today. You have practice after school, right?
  10. Riku:Right. I'll try!

聞く前に渡す問いは Why is Riku sleepy? の1つです。1行目の You look sleepy. を受けた問いで、答え(夜おそくまでテレビでサッカーの試合を見ていた)は、2行目と4行目を聞けば見当がつきます。

1回目のあとのメモと、2回目に足したことの例です。

生徒1回目のメモ2回目に足したこと
Atwo, soccer, Brazilat two last night。夜の2時に寝た
Bsoccer, TV, Japan, lost日本がブラジルに負けた。リクは悲しかった
Csleepy, test, practiceテストの勉強ではない(No. と言っている)

1回目のメモには、soccer・TV・Brazil のような、カタカナ語に近い語が並びがちです。それだけでは、問いの答えは決まりません。答えを決める材料は、2回目に足した情報のほうにあります。

答えが割れやすいのは、生徒Cのように test を聞き取った場合です。3行目の Were you studying for the test? だけが耳に残ると、「テスト勉強でねむい」と答えてしまいます。4行目の最初の No. が聞き取れたかどうかで、答えが変わります。2回目の前に「リクは勉強していたの?」と1つだけ聞いておくと、No. に耳が向きます。

もう1つ、メモの two は、2行目の at two のほかに、5行目の I watched it, too の too とも同じ音です。教科書を開いてから「two はどっち?」と聞くと、聞くだけでは決められないことがあると分かり、文字で確かめる意味が生まれます。

教科書を開いたあとは、同じ本文で行間の推理に進めます。ねむい理由が分かった生徒に「グリーン先生もねむいかもしれない。なぜ?」と聞くと、5行目に戻って読み直します。

変化をつける

  • やさしくする: 3枚の絵から選ばせます。机で勉強している絵、テレビでサッカーを見ている絵、ゲームをしている絵を見せ、「リクが昨日の夜していたのはどれ?」と聞きます。語が聞き取れなくても、絵で答えられます。
  • むずかしくする: 1回目は問いを渡さずに聞かせ、だれとだれが何の話をしているか(大意)だけを言わせます。2回目の前に、細部の問い(試合はどうなった? 放課後に何がある?)を渡します。メモを持ち寄って本文を組み立て直すところまで進めると、ディクトグロスになります。
  • 説明文で: 数字を聞き取る問いが向いています。How We Come to School なら What is the most popular way? の1問にして、答えと人数を聞き取らせます。
  • 高校では: メモを2列にします。左の列に聞き取れた語句、右の列にそこから分かったことや推測を書かせます。2回目は右の列に足すことにすると、聞きながら考える時間になります。

つまずきと手当て

  • 何も聞き取れない: 問いを、はい・いいえで答えられる形にします(Did Riku watch TV last night?)。メモが白紙の生徒には、聞こえた音をカタカナで書いてよいことにします。
  • 音声が速い: デジタル教科書の速さを落とすか、1回目は先生がゆっくり読みます。2回目は元の速さに戻します。
  • 教科書をのぞき見る: 閉じるだけでなく、机の中にしまわせます。のぞきたくなるのは、聞き取れない不安があるからです。問いをやさしくして、のぞかなくても答えられる形にするほうが効きます。
  • 1語だけで答えを決めてしまう: 見本の test のように、聞き取れた1語から答えを作る生徒がいます。ペアでメモを見せ合うときに「その語は、どんな文の中にあった?」と聞かせ、2回目で確かめさせます。

出どころ

文字より先に音声で出会わせる順番は、読む・書くを口頭の練習のあとに置くオーラル・メソッドのころから言われてきた考え方です。今の授業でも、新しい本文を、教科書を閉じて聞くところから始める進め方はよく見られます。このレシピの「問いを1つだけ渡す」決まりと、2回目にメモを1つ足す回し方、見本の問いとメモの例は、このサイトで作ったものです。

いっしょに組むとよいレシピ

くわしい手順と紙(このサイトの教材)

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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