ひとことで言うと
振り返りは、授業や単元の終わりに、生徒が自分の学習を見直して言葉にする活動です。「楽しかった」「難しかった」という感想ではなく、「今日は理由を1文足して言えた。次は質問を返す」のように、できたことと次に直すことを事実で書くのが型です。この1行が、生徒には次の学習の見通しになり、先生には主体的に学習に取り組む態度の記録になります。
出どころ
学習指導要領の総則(小・中・高)に、児童生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れることが書かれています。国の学習評価の参考資料は、「主体的に学習に取り組む態度」の「自らの学習を調整しようとする側面」を見取る方法として、振り返りの記述を挙げています。「リフレクション」は同じ活動の英語です。
授業での実際の使い方
「楽しかった」で終わらせないために、質問を事実で聞きます。
| 質問 | 感想になりやすい形 | 事実になる形 |
|---|---|---|
| できたこと | 今日はどうでしたか | 今日、言えるようになった文を1つ書く |
| つまずき | 難しかったところは | 止まった場所はどこか(質問のあと・単語・語順) |
| 次 | 次はがんばりたいですか | 次の時間に1つ変えることは何か |
時間は2分、カードは1枚に1学期分(12行)で、前の行が見える形にします。前の行が見えると、「先週は質問が返せなかった→今週は返せた」という推移を生徒自身が見つけます。先生が言う言葉は「感想じゃなくて、できた文を書いて」です。書かせたら、先生は次の時間の最初に2〜3人の1行を読み上げます。読まれると分かると、生徒は書きます。
よくある誤解
- 感想文ではありません。「楽しかった」は指導にも評価にも使えません。事実(言えた文・止まった場所・次に変えること)を書かせます。
- 毎時間長く書かせるほどよい、わけではありません。1行を毎時間か、単元末に3行か。続く形にします。
- 書かせて集めるだけでは、態度の評価になりません。読んで、次の指導に返して(読み上げる・帯を変える)、初めて指導と評価がつながります。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 振り返りカードに「できるようになった言い方」を1つ。所見の材料に |
| 中学校 | 1学期1枚のカードに毎時間1行。単元末に3行 |
| 高校 | 単元末に「できたこと・つまずき・次」を3行。ポートフォリオに綴じる |
| 塾 | 確認テストの返却時に「落とした大問と次にやること」を1行 |
この用語が出てくる教材と記事
- 主体的に学習に取り組む態度の見取り方。振り返りの記述を態度の観点にどう使うかです。
- 評価と所見のガイド(小学校)。振り返りカードから所見へつなぐ小学校の形です。
- テスト返却の授業。テストのあとの振り返りを次の指導に返す時間です。
- 評価の観点は主体的に学習に取り組む態度、勉強のしかたの側面は学習方略へ。