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学習方略(ラーニング・ストラテジー)

がくしゅうほうりゃく・learning strategies

英語を覚えたり使ったりするために学習者が自分で使う方法。記憶・認知・補償・メタ認知・情意・社会的の6種に分けられる。

学習方略とは、英語を覚えたり使ったりするために学習者が自分で使う方法のことで、語呂で覚える(記憶)、分からない語を言い換える(補償)、自分の学習を計画して見直す(メタ認知)などがあります。出どころ(オックスフォードの分類)、授業で教える3つの方略、「勉強のしかた」を教える帯の型、主体的に学習に取り組む態度との関係、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-12・更新 2026-10-19

ひとことで言うと

学習方略は、英語を覚えたり使ったりするために、学習者が自分で選んで使う方法です。単語を語呂や絵で覚える、分からない語を別の言い方で切り抜ける、今週の学習を計画して振り返る、間違いを怖がらない気持ちを保つ、友だちに聞く。こうした「勉強のしかた」そのものを指し、教えることができます。英語が伸びる生徒は、無意識にこれを持っています。

出どころ

第二言語習得の研究で、レベッカ・オックスフォードが1990年に、記憶・認知・補償・メタ認知・情意・社会的の6種に分類したものが広く使われています。日本の学習指導要領は「学習方略」の語を使いませんが、「主体的に学習に取り組む態度」の「自らの学習を調整しようとする側面」は、メタ認知方略にあたります。

授業での実際の使い方

授業で教えやすい3つの方略を、帯や振り返りの中に置きます。

方略種類教え方先生が言う言葉
言い換えて切り抜ける補償単語が出てこないときに「a thing for ...」「like ...」と言う練習を帯で「単語がなくても、説明して」
自分でテストする記憶・メタ認知単語を覚えるときに、隠して言えるかを確かめる(見て覚えるより効く)「見て覚えない。隠して言う」
学習を計画して見直すメタ認知単元の初めに「今週やること」を1行、終わりに「できたこと・次」を1行「次は何を変える?」

先生がやるのは、方略を「やって見せる」ことです。単語の覚え方なら、先生が実際に隠して言うところを見せる。1つの方略を2週間続けてから次に移すと、生徒の習慣になります。

「勉強のしかた」を教える帯の型

1つの方略を、授業の始めの帯(3〜5分)で2週間回す型です。「言い換えて切り抜ける」を例にします。

時期やること例
1日目(5分)方略に名前をつけ、先生がやって見せる「今日から『言い換えて切り抜ける』」。先生が eraser を言わずに It's a thing for ... と説明し、生徒が当てる
2〜4日目(各3分)ペアで練習する。お題のカードの語を言わずに、相手に当てさせるIt's an animal. It's like a big cat. のような言い方を、黒板の型(a thing for .../like ...)を見ながら
5日目(2分)使えたか・効いたかを1行で振り返る「どの言い方が通じた?」を振り返りシートに1行
2週目帯を短くし、授業の活動の中で使わせるペア活動で単語が出てこなかったら、日本語に逃げる前に言い換える、を約束にする

名前をつけてやって見せ、練習させ、効いたかを振り返らせ、ほかの場面に広げる、という順は、チャモットらが CALLA で示した「方略をはっきり教える」流れと同じ考え方です。名前があると、授業中に「いま、言い換えて切り抜けたね」とほめられ、生徒が自分の方略として意識できます。

よくある誤解

  • 「勉強しなさい」と言うことではありません。方略は「どうやるか」の中身で、それを教えずに量だけ求めても伸びません。
  • 上位の生徒だけのものではありません。むしろ、伸び悩む生徒ほど方略を持っていないので、教える効果が大きいです。
  • 一度教えれば身につく、わけではありません。授業の中で使う場面(帯・振り返り)を作って、続けて初めて定着します。

校種別の違い

校種扱い
小学校「分からないときに聞き返す」「身ぶりで伝える」が補償方略。困ったときのえいごのポスター
中学校単語の覚え方と、言い換えの帯、振り返りの1行。3つから
高校長文の読み方の方略(先に設問を見る・分からない語を飛ばす)と、学習計画
塾家庭学習の「やり方」を教えるのが塾の価値。隠して言う・間違えた問題だけ解き直す

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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