ひとことで言うと
インプットは英語を聞く・読むこと、アウトプットは英語を話す・書くことです。第二言語習得の研究では、生徒がおおむね理解できるインプットをたくさん受けることが習得の土台で、アウトプットは「言えない自分に気づく」「形を確かめる」ことで定着を促す、と整理されています。授業では、インプットの量を確保したうえで、アウトプットの場面を毎時間置く、という組み方になります。
出どころ
アメリカの言語学者クラッシェンが1980年代に、理解できるインプット(comprehensible input)が習得の条件だとするインプット仮説を示しました。カナダのスウェインは、イマージョンの生徒が聞く・読むに比べて話す・書くの正確さで伸び悩んだことから、アウトプットにも習得を進める働きがあるとするアウトプット仮説(1985年)を示しました。日本の学習指導要領は、この2つを「聞くこと・読むこと」と「話すこと・書くこと」の5領域として組み合わせています。
授業での実際の使い方
| 場面 | インプット | アウトプット |
|---|---|---|
| 帯(5分) | 音声を聞く(シャドーイングの前半) | 1分の即興のやり取り |
| 導入(5分) | 先生の話(ティーチャートーク)を聞く | 短い質問に答える |
| 本文(20分) | 読む・聞く(音読の前) | リテリング・要約 |
| 活動(15分) | 相手の話を聞く | 自分のことを言う・書く |
| 帯の外 | 多読・音声教材 | 日記・1文の英作文 |
量の目安は、授業全体でインプットが6〜7割、アウトプットが3〜4割です。順は「インプット→アウトプット」で、聞いたり読んだりした直後に、同じ表現を使って言う・書く場面を置くと、インプットが定着します。先生が言う言葉は、アウトプットの前の「さっき聞いた言い方を使って」です。
よくある誤解
- 「話させれば話せるようになる」は半分だけ正しい考えです。理解できるインプットが足りないままアウトプットだけ増やすと、同じ誤りを繰り返します。
- 「聞いていれば話せるようになる」も半分です。聞くだけでは正確さが上がらないことが、イマージョンの研究で分かっています。
- インプットは教科書の本文だけではありません。先生の英語、ALT の話、多読の本、音声教材のすべてがインプットで、量を増やせるのは授業の外の部分です。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | インプットが中心。音声で慣れ親しんでから、言う・書き写す |
| 中学校 | 5領域を単元の中で組む。帯でインプットとアウトプットを毎時間対にする |
| 高校 | 読む量が増える。読んだあとに書く・話す場面を必ず置く |
| 塾 | 練習(形のアウトプット)に偏りやすい。音読と多読でインプットを足す |
この用語が出てくる教材と記事
- リスニング指導の技術。理解できるインプットにするための3段です。
- 多読指導の始め方。授業の外でインプットの量を増やす方法です。
- 即興で話す力の育て方。アウトプットの場面を帯で毎日作る形です。
- 量を読む形は多読、耳と口をつなぐ形はシャドーイングへ。