数の単元は、英語が得意でない担任にとっていちばん回しやすい4時間です。数え上げは何度くり返しても不自然にならないので、先生が話し続けなくても子どもの口が動きます。ねらいも「1〜20の数の言い方に慣れ親しみ、身の回りのものの数をたずね合うことに慣れ親しむ」で、覚えることばは数に絞られています。
地雷は、単元名が How many? なので第1時から言わせてしまうことです。この単元計画では、How many? を第3時まで出しません。先に数の音を耳へためて、たずねる必然(クイズ)ができたところで質問の形を渡すと、丸暗記になりません。もう1つ、初日から20まで行こうとして13〜19で崩れる型もあります。
ここでは小3 Unit 3「How many?」の単元パック(Let's Try! 1)を使います。単元計画・かずカード・活動シート3枚・ふりかえりカード・ALT打ち合わせシートの7点で4時間ぶんがそろいます。
全4時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 見取り |
|---|---|---|---|
| 1 | 1〜10と出会う(数え歌・カード)・かずポインティング | 歌(数え歌) | — |
| 2 | 11〜20へ広げる・じゃんけんチャンピオン(勝ちを数える) | 歌+カウントダウン | — |
| 3 | ミッシングゲーム・How many? のたずね方に出会う | 歌+テンポ数え | 行動観察(見取りメモ) |
| 4 | かんじの かくすうクイズ大会(How many? でたずね合う) | 歌 | 振り返りカード点検 |
3・4年は外国語活動なので、数値の評定はつけません。「見取り」は通知表の文章記述のもとになるメモです。見る場面は2つです。第3時のミッシングゲームで聞いて反応できているか、第4時のクイズでたずねようとしているか。全員を毎時間見ようとすると、どちらも見られなくなります。
45分の形は4時間とも同じです。あいさつと数え歌に5分、かずカードの練習に7分、めあての確認に3分、主活動に22分、振り返りとあいさつに8分。
第1時:数え歌で耳にためて、指でタッチする
数え歌は毎時間の帯に置きます。歌えることがゴールではなく、13〜19の「-teen」というかたまりの音を耳にためる装置です。1回で完成させようとせず、単元の間ずっと歌い続けます。
主活動は活動シート1「かずポインティング(きいて、タッチ!)」です。聞くことの活動で、ペアで1枚を真ん中に置き、先生が言った数字を指でタッチします。10〜15分。シートは4段20マスありますが、第1時で使うのは上2段の1〜10だけです。
読み上げは最初ゆっくり、2周目からテンポを上げます。3秒に1つが3年にはちょうどいいペースです。慣れてきたら「1人が言って、1人がタッチ」に交代させると、聞く活動のまま声が出はじめます。はじめに「となりと同じところを指してよい」と言っておきます。まねから入るのが3年の学び方です。ゲームの型そのものはポインティングゲームにまとめています。
第2時:じゃんけんの勝ちを、英語で数える
帯にカウントダウンを足して11〜20へ広げます。読むときに fourTEEN と語尾を強く言うと、子どもの耳が育ちます。ポインティングのレベル3「にているかずラウンド」(4と14、7と17、8と18)を入れるのもこの時間です。thirteen と thirty のような十の位との聞き分けは3年では扱いません。この単元は1〜20だけです。
主活動は活動シート2「じゃんけんチャンピオン(かちを かぞえよう!)」。教室を歩いて1対1、10〜15分です。Rock, scissors, paper, one, two, three! のかけ声でじゃんけんをし、勝ったら手元の星を1つ塗ります(あいこは2人とも塗ります)。終わりの合図で、塗った星を英語で数えて発表します。
かけ声は最初に全体で5回練習してから放します。ここが崩れると、教室じゅうが日本語のじゃんけんに戻ります。回収した紙の星の数は見ません。勝敗の記録ではなく、その回数だけ英語を口にした証拠だからです。11〜20が苦しいクラスは、じゃんけんを3分に短縮してもねらいは成り立ちます。
第3時:ミッシングゲームで How many? に出会う
かずカードは1〜20の20枚に、数を数える絵が4枚(りんご・星・えんぴつ・ボール)ついた構成です。第3時は黒板に貼ってミッシングゲームをします。1枚を隠して、消えた数を当てる。ここが1つ目の見取り点で、見るのは正解の多さではなく、聞いて反応できているかです。
そのあと、最後の4枚を出します。数えないと答えられない絵なので、たずねたくなります。ここで初めて How many? を渡します。
第4時:かんじの かくすうクイズ大会
活動シート3「かんじの かくすうクイズ大会」は、ペアからクラス全体へ広げる15分の活動です。まず先生が例題を出します。「木」は何画か。そらがきをしながら、みんなで one, two, three, four! と数えます。次に自分のクイズを作り、習った漢字を1つ枠に大きく書いて、ペアで How many? — Five! と出し合います。
シートのルールは3つで、禁止は「3年で習っていない漢字は使わない」だけです。画数が多いほど盛り上がるので、森(12画)や算(14画)を見せておくと、子どもは自分で大物を探しにいきます。第2問は教室のものへ。窓の数、机の列、掲示物の数——教室は How many? だらけです。
数え間違いはむしろ歓迎です。「もう1回ゆっくり」の口実で、英語の数え上げが2周するからです。ここで見取るのは How many? とたずねようとしているかで、画数が合っているかは評価しません。
ふりかえりカードは単元を通して同じ1枚です。毎時間の終わりに1行書く欄が4回分あり、最後に「1〜20のかずを、きいてゆびさせた」など3つの項目へ◎○△をつけます。これが2つ目の見取りの材料です。ALTが来る日は打ち合わせシートを渡し、画数クイズに挑戦してもらいます。ALTが数え間違えると子どもが教える側にまわるので、1回わざと間違えてほしいと頼んでおきます。
この単元でよくあるつまずき
- 数を英語で言えずに固まる子がいる。指で数えて、答えの数字を指さすだけでも参加はできています。seven や eleven のように言いにくい音は単独で言い直させず、手拍子のリズムに乗せると出やすくなります
- 13〜19が続くと集中が切れる。10問ごとに全員で1〜10を言い直し、リズムを戻してから先へ進みます。それでも苦しい日は、その時間は1〜10のくり返しに絞ってかまいません
- 人前で数えるのを嫌がる子がいる。チャンピオンのカウントアップを本人ひとりに言わせず、全員で一緒に数えて応援します。星を指さしながらなら声が出ます
前の単元は小3 Unit 2 気持ちの授業、次は小3 Unit 4 色・すきなものの授業です。この4時間を文章にする段になったら3・4年の所見の書き方、習っている子と初めての子の差が気になるときは差が大きいクラスの手立て、ALTが入る日の分担はALT打ち合わせシートへ。