ねらい
説明文を読み終えた生徒に「この本文に書いてあることは、全部本当?」と聞くと、「教科書に書いてあるから本当」という答えが返ってきます。けれども説明文には、数えたり調べたりして確かめられる文と、だれかの考えや感じ方を述べた文が混ざっています。事実と意見を分けるは、本文の1文ずつに、確かめられる事実ならF(fact)、だれかの考えや感じ方ならO(opinion)の印を書き込む活動です。
決め手は1つで、その文が確かめられるかどうかです。数える、見る、計る、調べる、のどれかで確かめられればF、人によって考えが分かれうるならOです。問いかけやお願いのように、どちらでもない文には―をつけます。印をつけるには、その文がだれの言葉で、何を言っているのかを読むしかありません。意見の文が見つかれば、それをどの事実が支えているのかも見えてきます。
意見の文には、手がかりになる語があります。
| 手がかりの語 | 意見の文の例 | 気をつけること |
|---|---|---|
| I think / I feel | I think walking is good for us. | 考えだと、自分から言っている |
| should | We should walk to school. | 〜したほうがよい、というすすめ |
| too +形容詞 | The hill is too steep. | 〜すぎる、はだれかの判断 |
| the most / the best | Walking is the best way. | 数で確かめられる文なら事実(見本の2行目) |
表と図にまとめるが本文の情報を表や図に移すのに対して、こちらは1文ずつ、それがどんな種類の文かを見ます。
手順
- 本文の内容をひととおりつかんだあと、2回目の読みとして置きます。
- 先生が、F・O・―の決め方と手がかりの語を示します(1分)。本文にない文で、Fの例とOの例を1つずつ見せます(Our school is near the station. / Our school is the best.)。
- 1人で3分、各文の頭にF・O・―を書き込みます。引用符のある文は、外(だれが言ったか)と中(言った中身)に分けて、中身にも印を書きます。迷った文には?をつけます。
- ペアで2分、印を比べます。印が違う文は、何を見れば確かめられるかを言い合います。
- 全体で4分、ペアで割れた文と?の文を取り上げます。先生は「何を見れば確かめられる?」と聞き、確かめる方法があるかどうかで決めます。決めきれない文は、割れたまま残してかまいません。
先生が言う言葉の例です。
| 場面 | 先生の言葉 |
|---|---|
| 決め方を示すとき | Can we check it? Then write F. If not, write O. |
| 印をつけるとき | One mark for each sentence. Not sure? Write a question mark. |
| 割れた文で | How can we check it? 何を見れば確かめられる? |
| 引用のある文で | Who said this? Look inside the quotation marks, too. |
見本
- We asked 32 students in our class, “How do you come to school?”
- Sixteen students walk. Walking is the most popular way.
- Ten students come by bike. Most of them live more than two kilometers away from school.
- Four students take a bus, and two students come by car.
- We also asked, “What do you like about your way?”
- Many walkers said, “I can talk with my friends.”
- Bike riders said, “It's faster than walking.”
- Bus riders said, “I can read a book on the bus.”
- But some students said, “I want to come by bike, but the hill near our school is too steep.”
- What can we do about the hill? Please tell us your ideas.
この10行を仕分けた例です。1行に2文ある行は「・」で区切り、引用のある文は「外/中」の順に書いています。
| 行 | 印 | わけ |
|---|---|---|
| 1 | F | 32人に聞いた、という調べたこと(引用の中は問い) |
| 2 | F・F | 数えた結果と、その人数から言えること |
| 3 | F・F | 人数と、家からのきょり。地図で確かめられる |
| 4 | F | 人数 |
| 5 | F | もう1つ聞いたこと(引用の中は問い) |
| 6 | F/F | 友だちと話せるのは、見れば確かめられる |
| 7 | F/割れる | 下で説明 |
| 8 | F/F | バスの中で本が読める |
| 9 | F/O | want は気持ち。too steep は判断 |
| 10 | ― | 問いかけとお願い。事実でも意見でもない |
割れやすいのは4か所です。
2行目の Walking is the most popular way. には、the most に引っぱられてOをつける生徒が出ます。「何を見れば確かめられる?」と聞くと、2〜4行目の人数(16・10・4・2)を指せます。歩く人がいちばん多いことは数で確かめられるので、Fです。手がかりの語は立ち止まる目印で、決め手ではありません。
7行目の引用の中 It's faster than walking. は割れます。Fの生徒は「時間を計れば確かめられる」と言い、Oの生徒は「自転車の人が、よいところとして挙げた言い分だ」と言います。そこで「速いことは確かめられる。では、速いからよい、は?」と聞きます。速いのは事実で、速いからよいと考えるのは自転車の人の考えです。事実の文が、だれかの考えを支える材料として使われていることが、この1文で見えます。
9行目の too steep は、判断の語 too がついた意見です。坂がどれくらい急かは計れますが、自転車で上るには急すぎるかどうかは、上る人の判断です。10行目の問いかけとお願いは、どちらでもありません。―の印がないと、生徒はどちらかに無理に入れようとします。
仕分けたあとでOの文を数えると、9行目の引用の中だけです。この報告は、ほとんどが調べた事実で、最後に困っている生徒の声を置き、読み手に考えを求めています。書き手がいちばん言いたい文を考えるなら、いちばん大事な1文を選ぶへ進めます。
変化をつける
- やさしくする: 3文だけで行います。2行目の2文と、9行目の the hill near our school is too steep の3つです。FかOかを選び、わけは日本語で言えれば十分です。
- むずかしくする: 意見の文を、事実の文に書きかえます。The hill is too steep. なら Riding up the hill takes ten minutes. のように、計れば確かめられる文にします。書きかえた文で、急すぎるかどうかを読み手が自分で決められるかを話し合います。
- スピーチで: My Grandmother's Notebook は、ほとんどの行がおばあさんとの出来事(F)で、最後の Small things become special when we write them down. がハルトの考え(O)です。8行目の I was surprised. のような気持ちの文はOに入れる、と決めておくと割れずにすみます。
- 高校では: 評論の段落で、筆者の主張(O)と、それを支える根拠(F)を分けます。根拠が本当に主張を支えているかまで問うと、批判的に読む練習になります。分けたあとは、本文からミニディベートで賛成と反対に分かれて言い合う形にもつなげられます。
つまずきと手当て
- 「正しい文は事実、まちがった文は意見」と考える: 事実の文は確かめられる文で、確かめたらまちがいだと分かる文もFです。Thirty students walk. はこの本文と合いませんが、数えれば確かめられるので、Fの形の文です。意見の文は、正しいかどうかより、だれがそう考えているかを読みます。
- 引用の中の言葉で迷う: 引用のある文にFを1つつけて終える生徒と、文全体にOをつける生徒が出ます。引用符の外と中に分けて、印を2つつけさせます。外の「〜が言った」は、たいてい調べた事実です。
- 手がかりの語だけで決める: too や the most を見たらO、と機械的に決めてしまう場合です。印には必ず、確かめる方法を1つ添えて言う決まりにします。
出どころ
事実と意見を区別して読むことは、国語の説明文の授業でも、英語の読む指導でも、広く扱われてきました。この活動の、F・O・―の3つの印と、引用の外と中に分けて印をつける決まり、見本の仕分けの表は、このサイトで作ったものです。