本文へスキップ
英語教材ラボ
期末テスト2学期期末テストの9枚を土台に(無料PDF)

制度とことば › 学校と制度

学習指導案(指導案・略案・細案)

がくしゅうしどうあん・lesson plan

単元の目標・評価規準・指導計画と、本時の展開を書いた授業の設計書。略案は本時の展開だけ、細案は単元全体から本時まで。

学習指導案とは、単元の目標・評価規準・指導計画と、本時(その1時間)の展開を書いた授業の設計書のことです。研究授業・教育実習・校内研修で書きます。略案(本時の展開だけ)と細案(単元の全体から本時まで)の違い、出どころ、様式の主な欄(単元観・教材観・生徒観・本時の目標・展開・評価)、英語の本時案で書く3つ、書き方で迷う点、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-12・更新 2026-10-19

学習指導案とは|略案と細案の違い、英語の本時案で書く3つ、書く順番。テンプレートつき(英語教育の用語 #02)YouTubeで開く

ひとことで言うと

学習指導案(指導案)は、授業の設計書です。単元の目標、評価規準、何時間で何をするかの指導計画、そして本時(見てもらう1時間)の展開(導入・展開・まとめの流れと、生徒の活動・先生の支援・評価の場面)を書きます。略案は本時の展開だけを1〜2枚にしたもの、細案は単元観・教材観・生徒観から本時までを書いた数枚のものです。研究授業、教育実習、校内研修で書く機会が多くなります。

出どころ

指導案は法令で定められた書類ではなく、様式は教育委員会・学校・教育実習の受け入れ校ごとに違います。ただし、国の「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料」が示す、単元の目標→評価規準→指導と評価の計画→本時、という順は、多くの様式に共通しています。英語では、5領域の目標と3観点の評価規準を書くことが特徴です。

授業での実際の使い方

様式の主な欄と、英語で書くときの要点です。

欄書くこと英語での要点
単元名・教材教科書の単元名と扱う文法・題材教科書名と単元、扱う領域
単元の目標単元の終わりにできること5領域のどれで「〜できる」か。CAN-DO の1行
評価規準3観点それぞれの生徒の姿「〜している」の形。本時は1〜2観点に絞る
指導と評価の計画各時間の活動と、記録に残す評価の場面帯・導入・練習・言語活動・小テストの配置
本時の目標この1時間でできること1文。単元の目標のどの部分か
本時の展開導入・展開・まとめの流れ、生徒の活動、先生の支援、評価言語活動の場面と中間指導の位置を書く

英語の本時案で書く3つは、①言語活動の場面(目的・場面・状況)、②先生の英語での指示と導入(オーラルイントロダクション)、③評価の場面と方法(観察か、ワークシートか)です。この3つがあると、見る人は「英語の授業として何をねらったか」を読めます。

略案と細案の違い

呼び方は自治体や学校で変わりますが、差は分量よりも、単元の指導計画をどこまで書くかです。

略案(本時案)細案(正式な指導案)
分量A4・1枚A4・3〜6枚
書くもの本時の目標/評価規準/展開表左記+単元名・単元の目標・生徒観・教材観・指導観・単元の指導計画
使う場面校内の研究授業、教育実習の日常の授業研究発表会、教育実習の研究授業、初任者研修

略案の例(中2・最上級の導入)

当サイトの授業案『4つの札でいちばん』を、略案1枚に写すとこうなります。本時の目標と評価規準を先に決め、展開表は「生徒の活動」と「先生の支援・評価」を横に並べます。

  • 本時の目標: 自分のクラスでいちばん人気のものについて、最上級(the -est/the most/the best と in・of)を使って、調べた結果を3文で伝えることができる。
  • 評価規準(本時は1観点): 【思考・判断・表現】クラスでいちばん人気のものについて、調べた数を根拠に、最上級を使って結果を書いている。
時間生徒の活動先生の支援・評価
導入 15分4つの札でいちばん(It's the tallest of the four. などのヒントを聞いて1つにしぼる)。6問目はクラスでいちばん人気の季節を予想して止めるヒントを1文ずつ聞かせ、聞こえた文と答えを2列で板書する
気づき 8分板書の2文を比べ、the が付く理由と in・of の使い分けを見つける答えを言わずに「the が付くのはなぜ?」と問い、生徒の言葉で確かめる
展開 17分班で調べること(季節・教科など)を1つ選び、Which ~ do you like the best? で6人に聞いて数を合わせる誤りは止めずに、the の入った形で言い返す(リキャスト)。多い誤りは活動のあとに全体で1つだけ扱う
出口 6分調べた結果を1人3文で書き、2班が読み上げる【評価】書いた3文を集めて、評価規準で見る(記録に残す)
まとめ 4分6問目の予想と結果を比べる。次の時間の as ~ as を知るWinter is as popular as spring. が言えるかを予告する

空欄の型(Word・PDF・登録不要)と、細案で足す欄の書き方は、中学英語の学習指導案の書き方にあります。

細案で足す欄(単元観・教材観・生徒観・指導観)

細案では、本時案の前に「単元について」の欄を書きます。呼び方は様式で違い、単元観と教材観を1つの欄にまとめる様式と、分けて書く様式があります。上の略案と同じ単元(中2・比較)で書くと、こうなります。

欄書くこと例(中2・比較)
単元観この単元で、どの領域のどんな力を育てるか。学習指導要領の目標とのつながり身近なものを比べて、調べた事実をもとに考えを伝える単元。話すこと[発表]と書くことで、比べた結果を根拠つきで伝える力を育てる
教材観題材と言語材料が、その目標になぜ合っているか。自分のクラスにとっての意味を1文最上級は「クラスでいちばん」を調べる活動と相性がよく、調べた数がそのまま根拠になる。人気の季節や教科の題は、全員が自分の答えを持っている
生徒観目標に届かせるうえで気になる実態。本時の手立てにつながる事実だけ比較級は言えるが、最上級で the を落とす誤りが多い。書く量の差が大きく、3文が書けない生徒が数名いる
指導観生徒観と教材観を受けて、どんな手立てを打つか。展開表の「先生の支援」と一致させるthe が付く理由は、説明する前にヒントの2文を比べて生徒に見つけさせる。書く量の差には、In our class, ___ is the most popular ___. の型を黒板に残す

書く順は、本時の目標→評価規準→展開表→単元の指導計画→観の欄、が楽です。目標と展開が決まっていれば、観の欄はそこから逆算して書けます。学級全体のほめ言葉や、教科書の単元の趣旨の写しで欄を埋めると、読む人には何も伝わりません。

よくある誤解

  • 長く書くほどよい指導案、ではありません。本時の目標が1文で言えて、展開がその目標に向かっていれば、略案で十分な場面が多いです。
  • 指導案どおりに進めることが目的ではありません。授業中に生徒の反応で変えてよく、指導案は「何をねらったか」を共有するための紙です。
  • 様式は1つではありません。研究授業や教育実習では、受け入れ側の様式に合わせます。中身(目標→規準→展開)は同じです。

校種別の違い

校種特徴
小学校担任が全教科の様式を使う。外国語では ALT との役割分担の欄を足すことが多い
中学校教科の様式。3観点×5領域の評価計画。教育実習の本時案の定番
高校科目ごと。観点別評価の記載が2022年度から加わり、評価規準の欄が必須に
塾書かないが、講習の進度表と1回90分の型が指導案の役目

この用語が出てくる教材と記事

関連用語

この用語が出てくる記事(サイト内)

本文でこの用語を使っている記事です。用語の使われ方を、実際の授業の文脈で読めます。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

ほかの用語をさがす