ひとことで言うと
研究授業は、校内研修や教育実習、地域の研究会で、同僚や指導者に授業を見てもらい、そのあとの協議会(研究協議)で検討する授業です。見てもらうために指導案を書き、研究テーマ(学校や研究会が掲げる問い)に沿って1つの手立てを試します。授業のうまさを競う場ではなく、手立てが生徒にどう働いたかを、見た人の目で確かめる場です。
出どころ
日本の学校で明治期から続く「授業研究」の中心の形で、海外では lesson study として知られています。法令で定められた行事ではなく、校内研修の計画(各校)や教育実習の要件(大学と受け入れ校)、教育委員会の研究指定で行われます。英語では、市区町村や都道府県の英語教育研究会(小中英研など)の研究授業が、地域の先生の学び合いの場になっています。
授業での実際の使い方
研究授業を組むときの順です。
| 順 | 決めること | 英語での例 |
|---|---|---|
| 1 | 研究テーマを、自分の授業の問いに翻訳する | 「主体的・対話的で深い学び」→「中間指導で、2回目のやり取りの質は上がるか」 |
| 2 | 見せる「1つ」を決める。全部を見せようとしない | 言語活動(1分のやり取り)→中間指導→2回目、の10分 |
| 3 | 指導案の本時案に、その10分を厚く書く。見る人に「ここを見てください」と書く | 観察の視点: 2回目で使われた続け方の言葉 |
| 4 | 協議会では、事実を先に出す | 「1回目に止まったペアが12組、2回目は5組」 |
見る人が困るのは、「どこを見ればよいか分からない授業」です。指導案の頭に観察の視点を1〜2行書くと、協議会が具体的になります。協議会で授業者が言うのは、「うまくいかなかったところ」と「見てほしかった場面で何が起きたか」の2つで、反省の言葉は要りません。
よくある誤解
- 特別な授業をする日ではありません。普段の授業の中の1つの手立てを、見てもらう日です。普段やっていない活動を入れると、生徒が戸惑って手立ての効果が見えません。
- 生徒が活発なら成功、ではありません。協議会で検討するのは、手立てと生徒の学びの関係です。
- 指導案を完璧に仕上げる行事でもありません。指導案は、見る人が「何をねらったか」を読むための紙で、目標1文と観察の視点があれば足ります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 校内研修で全教科を回す。外国語は担任と ALT の役割分担が見どころになりやすい |
| 中学校 | 教科の研究授業。言語活動と中間指導、評価の場面が見どころ |
| 高校 | 教科内で年に数回。論理・表現の意見を述べる活動や、読解の発問が見どころ |
| 塾 | 制度としては無いが、講師どうしで授業を見合う形が同じ考え方 |
この用語が出てくる教材と記事
- 教育実習の英語授業ガイド。指導案は目標1文から、研究授業までの3週間の組み立てを書いた本編です。
- 中学英語の学習指導案の書き方。本時案の型と記入例です。
- ペア・グループ活動の技術。見どころになる言語活動の組み方です。
- 設計書は学習指導案、見どころの手立ては中間指導へ。