ひとことで言うと
中間指導は、ペアやグループの言語活動を途中で一度止め、うまくいった言い方・続け方・つまずきの直し方を全体に紹介してから、相手を替えて活動を再開する1〜2分の指導です。活動の前に全部説明するのではなく、1回やらせてから「いま聞こえたよい言い方」を返すので、生徒は自分の1回目と比べて聞けます。2回目の質が上がるのは、この1〜2分があるからです。
出どころ
文部科学省の「小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック」(平成29年)が、Small Talk の型として「1回目の対話のあとに中間指導を入れる」と示しています。中学校・高校では、言語活動の途中で行う指導として、教育委員会や研究会の資料で同じ語が使われます。学習指導要領の本文にはありませんが、「活動→中間指導→活動」の形は、現場で言語活動を組むときの基本の型になっています。
授業での実際の使い方
| 順 | やること | 先生が言う言葉 |
|---|---|---|
| 1 | 1回目の活動中に机間を回り、よかった言い方を1つ、つまずきを1つ拾う | (聞いてメモ) |
| 2 | 止める。よかった言い方を、言った生徒の名前と一緒に紹介する | 「◯◯さんが、こう言っていました」 |
| 3 | つまずきは個人を出さず、全体の問いとして直す | 「答えたあとに止まった人、多かったね。1つ足すなら?」 |
| 4 | 続け方を1つだけ示す(聞き返す・付け足す・質問を返す) | 「今度は、これを1回入れて」 |
| 5 | 相手を替えて2回目 | 「相手を替えて、もう1回」 |
拾うのは、上手な生徒の難しい表現ではなく、「みんなが真似できる一言」です。How about you? や Me too. のような短い言葉のほうが、2回目に広がります。時間は1〜2分で、長くなると活動の勢いが切れます。
よくある誤解
- 活動の前の説明を減らすための時間ではありません。前の説明は最小限にして、1回やらせてから返すほうが伝わる、という順序の話です。
- 誤りを直す時間でもありません。誤りは個人を出さずに全体の問いにし、直す場面は帯や次の時間に持ち越して構いません。
- 全員の発表を聞く時間ではありません。紹介するのは1〜2人、続け方は1つ。それ以上は2回目の時間を食います。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | Small Talk の1回目と2回目の間。担任が「今のは上手だったね」と日本語で返してよい |
| 中学校 | 1分の即興のやり取りの間。続け方を1つ足して2回目へ |
| 高校 | 意見を述べる活動の間。理由の言い方や反論の一言を足す |
| 塾 | 集団指導で、答え合わせの前に「多かった間違い」を全体の問いにする形が近い |
この用語が出てくる教材と記事
- 小学校の英語のスモールトーク。中間指導の1〜2分で何を言うかを、具体的に書いた本編です。
- ペア・グループ活動の技術。活動→中間指導→活動の組み方です。
- 即興で話す力の育て方。続け方(聞き返す・付け足す・質問を返す)を育てる帯です。
- 誤りの返し方はリキャストへ。