この単元がしんどいのは、覚えることが多いからです。月が12語、日づけの序数が31個。ここを「テストに出るから覚えなさい」で押すと、5年生の英語がいちばん嫌われる単元になります。
覚えさせるのではなく、たずね合っているうちに残る形にします。そのための出口が、クラスのバースデーカレンダーです。「クラス全員の誕生日がそろったカレンダーを作る」というゴールを先に見せ、そこへ向けて友だちとたずね合えば、月と日づけは道具になります。ここでは小5 Unit 2「バースデーカレンダーをつくろう」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 2 "Happy birthday!" / Here We Go! 5 Unit 2 "When is your birthday?" 対応)を使います。
8時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1 | 先生の誕生日の話を聞く(月の言い方に出会う)+月チャンツ | 歌/チャンツ | — |
| 2 | 月の言い方練習+バースデーライン1回戦(活動1) | Small Talk①話題1(先生の誕生日) | — |
| 3 | 日づけ(序数)の言い方+きくワーク(13th と 30th の聞き分け)→バースデーライン2回戦 | 歌/数のチャンツ | — |
| 4 | What do you want ...? の言い方+書きWS① | Small Talk①話題2(先生がほしいもの) | — |
| 5 | 書きWS②(日づけとたずねる文)→カレンダーづくり・インタビュー①(活動2) | 歌/チャンツ | ◎行動観察(知技) |
| 6 | インタビュー②→中間指導→カードをはってカレンダー完成 | Small Talk②話題1(ほしいものは、買えなくていい) | ◎行動観察(思判表) |
| 7 | 世界の誕生日の祝い方を聞く(教科書OH)+カレンダーを読む(活動3)→おわりに「今月がお誕生日の人」に Happy birthday! | Small Talk②話題2(カレンダーを読む) | — |
| 8 | パフォーマンステスト(やり取り)+単元の振り返り | なし——テストに使い切る | ◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度) |
第1〜3時:月は12個まとめて、序数はあとから
第1時で12か月に出会わせます。ここでは覚えさせません。チャンツで音のかたまりとして通し、先生の誕生日を聞き取る中で「あ、Mayって5月か」と気づけば十分です。
第2時のバースデーラインが、この単元の最初の山です。しゃべりながら1月から12月の順に並ぶ活動で、並ぶためには相手にたずねるしかありません。1回戦は月だけで並びます。序数を出さないのは、覚える量を1時間に2つ重ねないためです。
第3時で序数を足し、きくワークで 13th と 30th を聞き分けてから、2回戦で日づけまで含めて並び直します。序数は31個ありますが、活動シートに書いてあるとおり、形がちがうのは 1st・2nd・3rd と 21st・22nd・23rd・31st だけです。ほかは全部 th(ス)で終わります。あとは表を見ながら言えれば成立します。掲示のカレンダー表は単元中ずっと貼っておきます。
第4時:ほしいものは「もらえるかどうか」と切り離す
What do you want for your birthday? は楽しい質問ですが、家庭の事情が出やすい質問でもあります。第1時のうちに先生から一言入れておきます。
ほしいものは、空想でもいい。もらえるかどうかは関係ありません。
第6時の Small Talk では、先生が「タイムマシンがほしい」と大まじめに言い、黒板に「本当のもの/空想のもの」の2つの箱を描きます。先生のほしいものが買えないものだと、「実際に買ってもらえるもの」を言わなければいけない空気が消えます。値段や豪華さは評価に一切関係しないことも、テストの紙に明記してあります。
書きワーク①は、四線に My birthday is May 5th. と I want a book. の2文を書き写す形です。自力で英作文させるところまでは求めません(小学校の「書くこと」は、書き写しと例文の一部の置き換えまでです。詳しくは聞く・読む・書くの評価へ)。
第5〜6時:インタビューと、20分のサンドイッチ
カレンダーは、一人ひとりが自分のカードを月ごとの台紙にはって完成させます。インタビューのメモは4人分(第5時に2人、第6時に2人)と決めておきます。欲張ると中間指導の時間が消えます。
第6時の主活動20分は、必ず2回に割ります。
- 1回目(7分) あと2人にインタビュー。先生は「聞き取れなくて止まったペア」を探して回ります
- あつめる(2分) 言いたかったのに言えなかったことを日本語で出させます
- 英語にする(3分) One more time, please. / April 3rd? ... OK! / I'm thinking. など、補給表の8本から板書します
- 自分の台詞にもどす(1分) 言えなかった子がとなりに1回言う
- 2回目(7分) ラスト1人。終わった組は、まだ話していない友だちともう1人。35分の合図で班ごとにカードを台紙にはって、カレンダーを完成させます(カードは第5時のおわりに切りとっておきます)
2回目を「終わった人から台紙へ」にすると、取材は1人1回で終わり、先生が聞き返しや確かめの姿を見て回る時間がほとんど残りません。話している時間を35分までとっておくのは、◎の見取りのためでもあります。
この単元の補給は「聞き返し」を軸にするのがコツです。誕生日は相手の答えが一度で聞き取れないことが多く、そこで会話が止まるからです。One more time, please. と、相手の言った日をくり返す April 3rd? ... OK! が言えるようになると、以降の単元でずっと効きます。
第7〜8時:カレンダーを読む日と、テストの日
カレンダーが完成するのは第6時の終わりです(はり終わったところで全員で完成を祝います)。第7時の帯の Small Talk では、先生が完成したカレンダーの今月のマスを読み、今月が誕生日の友だちに全員で Happy birthday! を言います(名前が出る子には、前もって本人に確かめておきます)。主活動では、教科書の Over the Horizon(世界の誕生日の祝い方)を聞いたあと、活動3でカレンダーを読みます。数えるのは月ごとのカードの数だけで、ほしいものは数えず、表にもしません。8月など学校がお休みの月が誕生日の友だちのためにクラスの「お祝いの日」を1つ決め、おわりに今月・来月・お休みの月の友だちへ Happy birthday! を言いに行きます。
第8時はテストです。45分をテストに使い切るので帯は置きません。1人約1分×35人で35〜40分。席の班を2つずつ合わせて4つの班にし、1班終わるごとにA→B→C→D→Aと役割がずれていきます。待機班は、バースデーラインのミニ版(小声)、絵カードのミッシングゲーム、振り返りカードの記入です。どれも先生の手を借りずに回るものだけを置いています。
テストで見るのは、誕生日(月だけでもよい)とほしいものを1文ずつ言えるかと、質問に合った答えを返せるかです。先生のリアクションに反応を返したり、自分から質問を返したりできれば、その上の段階です。序数の細かい発音(fifteenthなど)や in の有無は評価しません。
この単元でよくあるつまずき
- 誕生日を言いたくない子がいる。活動でもテストでも、「すきな月+日」で答えてよい形にします。質問も答え方も同じなので、同じ基準で見られます。前の時間までに本人と決めておきます
- 序数が覚えられない。カレンダー表を指させれば成立します。「表を見ながら言えた」は堂々とbです
- カレンダーづくりが図工になる。色ぬり・かざりは休み時間か図工へ回します。英語の時間に塗らせないのが時数を守るコツです
次の単元(Unit 3 できること)の進め方は小5 Unit 3 できることの授業、前の単元は小5 Unit 1 自己紹介の授業にあります。評価の全体像は評価と所見のガイドへ。