5年生の外国語がはじまる最初の単元です。教科としての英語は、ここから週2時間になります。子どもにとっては「英語の時間が増えた」だけでなく、はじめて評価がつく教科が1つ増えたということでもあります。
だからこの8時間の勝負どころは、英語の正確さではなく学級づくりのほうにあります。単元のゴールを「名刺こうかん会でクラスの友だちを知る」に置くと、英語が得意でない子も参加できる形になります。ここでは小5 Unit 1「はじめまして、5年◯組」の単元パック(NEW HORIZON Elementary 5 Unit 1 "Hello, friends!" / Here We Go! 5 Unit 1 "Hello, everyone." 対応)の14点を使って、8時間をそのまま流せる形にします。
8時間の見取り図
| 時 | 主な活動 | 帯(はじめ5分) | 記録 |
|---|---|---|---|
| 1 | 世界のあいさつを聞く・自分の名前を言う(I'm ....) | 歌 Hello Song/アルファベット帯 | — |
| 2 | 好きなもの・ことの言い方を知る(I like ....) | Small Talk①話題1(先生のすきなもの) | — |
| 3 | What sport do you like? でペアインタビュー(絵カード・ビンゴ) | 歌/アルファベット帯 | — |
| 4 | 名前のつづりをたずね合う(How do you spell your name?)+書きWS① | Small Talk①話題2(名前のひみつ) | — |
| 5 | 名刺カードを作る・自己紹介の練習+書きWS② | 歌/アルファベット帯 | ◎行動観察(知技) |
| 6 | 名刺こうかん会①(前半グループ)→中間指導 | Small Talk②話題1(すきな教科) | ◎行動観察(思判表) |
| 7 | 名刺こうかん会②(後半)+聞くWS(世界の子どもの自己紹介)→おわりにSmall Talk②話題2(クラスのみんなのすき) | 歌/アルファベット帯 | — |
| 8 | パフォーマンステスト(やり取り)+単元の振り返り | なし——テストに使い切る | ◎テスト(知技・思判表)+振り返りカード(態度) |
記録に残す評価は3回だけです。1〜4時と7時は指導に徹します。態度は当日の一場面ではなく、振り返りカードの積み重ねで見ます。毎時間ぜんぶ記録しようとすると、8時間が見取りの時間になってしまいます。
第1〜2時:英語で名乗る形を1つに決める
最初の時間に決めておくと後がぶれないのが、名乗りの型です。この単元では Hello! I'm ○○. で通します。My name is .... も自己紹介では使われますが、3・4年の外国語活動から一貫して I'm .... で名乗ってきているので、5年でわざわざ増やしません。教科書に両方出てくる場合も、掲示する型は1つに絞ります。
第1時は、歌とアルファベットの帯のあとに、世界のあいさつを聞きます。子どもが「英語=アメリカの言葉」だと思っている状態を、この5分でほどいておくと、あとの活動で「発音が下手」という遠慮が減りやすくなります。
第2時のSmall Talkでは、先生が本当に好きなものを話します。作った話は子どもに伝わります。ここで大事なのは長さではなく、日本語訳を挟まずに絵カードを見せながら話すことです。訳した瞬間に、子どもは日本語を待つようになります。
第3〜4時:つづりのたずね方を、必要になってから出す
How do you spell your name? は5年生にとって長い一文です。第1時に「名刺を作って交換する」という予告をしておくと、第4時に「相手の名前をどう書けばいいのか分からない」という困りが自然に生まれます。そこで出すと、覚える必然が生まれます。
書きワーク①では、自分の名前を大文字で書きます。ここで四線の使い方をていねいに見ておくと、以降の書く活動が楽になります。
- 大文字は上の2部屋を使う(アルファベットの高さがそろう)
- b、d、h、k、l、f、t は上に出る/g、j、p、q、y は下に出る
- 語と語のあいだは、指1本ぶんあける
アルファベットの汎用教材には、四線のなぞりプリント、大文字・小文字ペアカード、ネームプレートがあります。名前のローマ字が不安な子は必ずいるので、第4時の前に机間指導で1人ずつ確認しておくと、当日つまずきません。
第5〜7時:名刺こうかん会と、中間指導の20分
この単元の主活動です。名刺は1人4枚作り、自分のグループが動く時間(前半グループは第6時、後半グループは第7時)に、1回目と2回目で2人ずつ、合わせて4人と交換します。第6時はクラスの半分が動き、残りの半分は「いい反応みつけ係」として見る側に回ります(第7時に入れ替わります)。見つけ係が出すのは反応のことばだけで、だれが言ったかは言いません。全員と交換させないのは、時間の問題だけでなく、余った名刺を持たない子が出るのを避けるためでもあります。
第6時の20分は、単元の山です。1回きりの活動にせず、必ず2回に割ります。
- 1回目(7分) 前半グループが交換して回ります。後半は「いい反応みつけ係」として見る側に
- あつめる(2分) 「言いたかったのに言えなかったこと」を日本語で出させます。日本語でよいと先に宣言しておきます
- 英語にする(3分) 出てきたものを板書して、全員で2回ずつ声に出します
- 自分の台詞にもどす(1分) 言えなかった子が、となりに1回言えたら準備完了
- 2回目(7分) 前半がもう2人と交換します(同じ相手ともう1往復してもよい。補給したことばの分、2回目は長くなりやすい)
このサンドイッチの型は、先生がその場で英語を作らなくてよいように、補給表(「言いたかった」日本語→既習の英語)を活動シートの3枚目に付けてあります。英語が専門でない担任でも、表から書き写せば回ります。
第7時は、聞くワーク(世界の子どもの自己紹介)と、後半グループの交換です。聞き取れなくても、名前と好きなものが1つ拾えれば十分だと先に伝えておきます。
第8時:パフォーマンステストの日
45分をテストに使い切ります。1人約1分×35人で35〜40分かかるので、帯活動は置きません。班をA〜Dの4つに分け、1班終わるごとに役割がA→B→C→D→Aとずれていく形で回します。テスト中の待機班は、名刺あてクイズ・すきなものビンゴ2枚目(第3時に使った活動シートの予備)・振り返りカードの記入を、席で小声で進めます。
進行は6行です。先生が先に名乗る → つづりをたずねる → 好きなスポーツ → 好きな教科(余裕があれば) → 3秒だけ黙って待つ → お別れのあいさつ。この「黙る」1行を進行表に入れておかないと、先生が続けて聞いて終わってしまい、子どもから質問が返る場面が生まれません。回し方の詳細はパフォーマンステストの回し方にまとめています。
この単元でよくあるつまずき
- ローマ字表記が不安な子がいる。第4時の書きワーク①で全員の名前を確かめておきます(第5時の名刺は、これを見て写します)。ヘボン式か訓令式かは学校の名簿にそろえれば十分です
- 「好きなもの」が思いつかない子がいる。絵カードを2枚見せて Soccer? Or music? と選ばせれば、それで成立します。文の数で評価はしません
- 名刺こうかん会の2回目で手が止まる。2回目に入る前に、黒板の右に書いた補給のことばを全員でもう1回言い、「使えそうなら1つ」とだけ伝えます。言えた人を挙手で数えることはしません
単元の評価規準の作り方は評価規準の作り方、学期末の所見は所見の書き方へ。次の単元(Unit 2 誕生日)の進め方は小5 Unit 2 誕生日の授業にあります。