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リキャスト

recast

生徒の誤りを含む発話を、会話の流れを止めずに正しい形で言い直して返す訂正の方法。誤りの訂正フィードバックの1つ。

リキャストとは、生徒の誤りを含む発話を、会話の流れを止めずに正しい形で言い直して返す訂正の方法のことです。出どころ(ライスターとランタの訂正フィードバック6分類)、言い直しの仕方、生徒が気づかない問題への手当て、明示的な訂正や引き出しとの使い分け、活動の種類で訂正を変える線、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-12・更新 2026-09-12

ひとことで言うと

リキャストは、生徒の誤りを含む発話を、会話の流れを止めずに、正しい形で言い直して返す訂正の方法です。生徒が I go to Kyoto yesterday. と言ったら、Oh, you went to Kyoto yesterday. Nice. と返します。「違う」とは言わず、内容には反応しながら、形だけ正しく言い直します。

出どころ

カナダの研究者ライスターとランタが1997年に、教室での誤りの訂正フィードバックを6つに分類しました。明示的な訂正、リキャスト、明確化の要求、メタ言語的フィードバック、引き出し、繰り返しです。リキャストは教室でいちばん多く使われる一方、生徒が訂正だと気づきにくい、というのがこの研究の指摘でした。

授業での実際の使い方

訂正の方法先生の返し方(生徒: I go to Kyoto yesterday.)向いている場面
リキャストOh, you went to Kyoto yesterday.言語活動の途中(流れを止めない)
繰り返しI go to Kyoto yesterday? (誤りの箇所を上げ調子で)気づける生徒に
引き出しYesterday, I ...?練習の場面で自分で直させたいとき
明示的な訂正Not go. Went.形の練習・答え合わせ

使い分けの線は「いま何をしている時間か」です。言語活動(伝え合うことが目的)の最中はリキャストにして、会話を止めません。形の練習の最中は、引き出しや明示的な訂正で、その場で直させます。リキャストで生徒が気づかないときは、言い直したあとに一拍置いて、生徒がもう一度言うのを待ちます。

よくある誤解

  • 訂正しないことではありません。正しい形を必ず返しています。ただ「違う」とは言わないだけです。
  • 生徒が必ず気づく方法ではありません。研究が指摘したとおり、内容の返事として聞き流されることがあります。同じ誤りが続くなら、帯や次の時間で形の練習に回します。
  • すべての誤りを直す必要はありません。その時間のねらいの文法の誤りだけを直し、他は流します。全部直すと、生徒は話さなくなります。

校種別の違い

校種
小学校担任が既習の表現で言い直して返す。「直す」より「正しい音をもう一度聞かせる」
中学校言語活動の中はリキャスト、練習の中は引き出し。ねらいの文法だけ
高校意見を述べる活動では内容に反応しつつリキャスト。英作文は書いた形で返す
個別指導では明示的な訂正が中心でよいが、話す練習の間だけはリキャストに

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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