ひとことで言うと
英検(実用英語技能検定)は、公益財団法人日本英語検定協会が行う英語の資格試験です。5級・4級・3級・準2級・準2級プラス・2級・準1級・1級の級があり、3級以上は面接(スピーキング)を含む4技能で測ります。CSE スコアは、合否とは別に、4技能それぞれと合計の力を数値で示す共通の物差しで、級をまたいで伸びを比べられます。
出どころ
英検は1963年に始まり、文部科学省が後援しています。CSE スコア(Common Scale for English)は2016年度から全面導入され、級の合否は各技能の CSE スコアの合計が合格基準に達したかで決まります。国の第3期教育振興基本計画(2018年)が示す「中学卒業段階で CEFR A1 相当以上」の目安には英検3級が、「高校卒業段階で A2 相当以上」には準2級が対応づけられています。
授業での実際の使い方
級と目安の対応です(CSE スコアの帯は級ごとに定められています)。
| 級 | CEFR の目安 | 学校の目安 |
|---|---|---|
| 5級・4級 | Pre-A1〜A1 | 中1・中2の学習範囲 |
| 3級 | A1 | 中学卒業程度。国の目標(中学卒業で A1 相当以上) |
| 準2級・準2級プラス | A2 | 高校中級程度。国の目標(高校卒業で A2 相当以上) |
| 2級 | B1 | 高校卒業程度 |
| 準1級・1級 | B2〜C1 | 大学中級〜上級 |
学校の授業で英検を扱うときの線は、「対策の授業にしない・受ける生徒に情報を渡す」です。授業の言語活動で育てた力が、そのまま3級の面接(音読・質問への応答)や英作文につながることを示すと、生徒は授業と英検を別物と思わなくなります。CSE スコアは、合否より「4技能のどこが低いか」を読む道具として、面談で使えます。
CSE スコアの読み方
成績表のスコアは、次の4つを順に見ると読めます(数値は日本英語検定協会の公表による)。
| 見るところ | 読み方 |
|---|---|
| 技能ごとのスコア | 同じ級なら、技能ごとの満点は同じです(3級は各550、準2級は各600、準2級プラスは各625、2級は各650)。問題数に関係なく技能に均等に配点されるので、問題数の少ないライティングは、1題の重みが大きくなります |
| 合計と合格基準スコア | 一次試験は、技能ごとのスコアの合計で合否が決まります(3級以上は3技能、4級・5級は2技能)。合格基準スコアは級ごとに決まっていて、回によって変わりません(一次試験は3級1,103・準2級1,322・2級1,520)。二次試験はスピーキングのスコアだけで決まります |
| 英検バンド | 合格基準スコアからの距離を、25点刻みの段で示したものです。基準を上回った最初の段が+1で、下回ると−1、−2と数えます |
| CEFR | 4技能すべてを受けると、4技能の合計から CEFR の段階が出ます(A1は1,400から、A2は1,700から、B1は1,950から、B2は2,300から、C1は2,600から)。2022年度からは技能ごとの CEFR も出ます。4級・5級には出ません |
合否は合計で決まるので、合格していても低い技能が残っていることがあります。面談では合否より技能ごとの差を見て、たとえば3級に合格していてライティングだけが低い生徒には、授業の書く活動で何を足すかを話します。もう1つ、同じ正答数でも回によってスコアは変わります。統計的な方法で出すスコアで、正答数から自分で計算することはできないので、「あと何問で合格」という言い方はしません。
入試での扱い
級とスコアが入試で使われる形は、大学と高校で違います。
- 大学入試: 出願資格、加点、みなし満点(一定の級やスコアで英語の試験を満点などとして扱う)に使われます(形の違いは外部検定試験の表)。基準を級の合格で示す大学と、CSE スコアや CEFR の段階で示す大学があります。受けた級によって成績表に出る CEFR の段階が違うので、大学が求める段階が出る級を受けます。
- 高校入試: 私立高校の推薦の基準や加点に級を使う学校があります。公立高校の扱いは都道府県によって違います。
- どちらも、どの級・何点を、いつ受けたものまで認めるかは学校が決めます。その年の募集要項で確かめるのが先です。
先生が受験する生徒に伝えておくことは2つです。1つは、成績表をなくさないこと。出願では、受けた級・合否・CSE スコア・受けた年度と回・個人番号などを書くことが多く、個人成績表と合格証書は再発行されません(合格証明書と CSE スコア証明書は有料で発行できます)。もう1つは、英検に登録した氏名のカナと生年月日が、出願の書類と合っているかを早めに確かめることです。
よくある誤解
- 英検の級が高い生徒が英語の成績もよい、とは限りません。評定は学習指導要領の目標に照らした評価で、英検は別の物差しです。
- 授業で英検の過去問を解かせることが、授業の目標に合うわけではありません。学校の授業は5領域の言語活動が本体で、英検は生徒の任意の受験です。
- CSE スコアは合否だけの数字ではありません。技能ごとのスコアを見ると、どこを伸ばすかが分かります。
校種別の違い
| 校種 | 扱い |
|---|---|
| 小学校 | 5級・4級を受ける児童がいるが、授業では扱わない。文字の読み書きが前提なので注意 |
| 中学校 | 3級が目安。面接の型(音読・応答)は授業の帯とつなげて示す |
| 高校 | 準2級〜2級。大学入試の総合型・推薦で級やスコアが使われる学校がある |
| 塾 | 級の目標を保護者に CEFR と学校の目安で説明する。対策は塾の役割になりやすい |
この用語が出てくる教材と記事
- 英検と授業のバランス。英検を受ける生徒と授業の目標の折り合いをつける相談への答えです。
- 入試の英語と英語力(高校版)。外部試験と CEFR の段階の読み方です。
- 高校入試直前の英語指導。入試と資格試験の位置づけです。
- 段階の物差しはCEFR、目標の書き方はCAN-DOリストへ。