ひとことで言うと
CEFR(セファール)は、外国語の運用能力を、A1(初歩)からC2(熟達)までの6段階で示す共通の枠組みです。「〜できる」の記述文で各段階を定めているので、言語や試験が違っても同じ物差しで力を示せます。日本では、英検などの資格試験の級と対応づけられ、中学・高校の到達目標の目安にも使われています。
出どころ
欧州評議会が2001年に公表した Common European Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)です。2018年の補遺版で Pre-A1 などが加わりました。日本では、東京外国語大学の投野由紀夫氏らが日本の学習者向けに段階を細分化した CEFR-J(2012年)があり、教科書や CAN-DOリストの作成に使われています。国の第3期教育振興基本計画(2018年)は、中学卒業段階で A1 相当以上、高校卒業段階で A2 相当以上の生徒を50%にする目標を掲げました。
授業での実際の使い方
| 段階 | できることの目安 | 日本の目安 |
|---|---|---|
| A1 | 自己紹介、身近な事柄について簡単な語句で質問と答え | 中学卒業の目標(英検3級程度) |
| A2 | 身近な話題で簡単なやり取り、短い文章の読み書き | 高校卒業の目標(英検準2級程度) |
| B1 | 身近な話題で筋の通った文章、旅行先での対応 | 英検2級程度 |
| B2 | 抽象的な話題も含めて議論、専門分野の文章 | 英検準1級程度 |
| C1・C2 | 流暢で的確な運用 | 英検1級程度以上 |
授業では、段階そのものを生徒に教えるより、CAN-DOリストの「〜できる」を書くときの物差しとして使います。中学のリストが A1 の記述文と対応しているか、高校のリストが A2〜B1 に届いているかを確かめると、目標の高さがそろいます。先生が言う言葉は「この単元の1行は、A1のこの記述に当たる」です。
よくある誤解
- 試験の名前ではありません。枠組み(物差し)であって、CEFR という試験があるわけではありません。各試験のスコアや級を段階に対応づけて使います。
- 段階の対応表は絶対ではありません。英検と CEFR の対応は目安で、技能ごとに段階が違う生徒も多くいます。
- 中学卒業で A1 は「低い」目標ではありません。A1 は「身近な事柄について簡単な語句で伝え合える」段階で、中学校の5領域の目標をおおむね満たします。
校種別の違い
| 校種 | 位置づけ |
|---|---|
| 小学校 | Pre-A1 相当。段階を意識するより、can-do の「〜できる」の積み上げで |
| 中学校 | 卒業時 A1 相当以上が国の目標。CAN-DOリストの物差しに |
| 高校 | 卒業時 A2 相当以上が目標。大学入試の外部試験の級・スコアが CEFR で示される |
| 塾 | 英検の級を CEFR で説明すると、保護者に到達点が伝わる |
この用語が出てくる教材と記事
- 入試の英語と英語力(高校版)。外部試験と CEFR の段階をどう読むかです。
- can-doリスト(小学校)。Pre-A1 から A1 へ向かう「〜できる」の階段です。
- 語彙指導の技術。段階ごとに必要な語彙の量の考え方です。
- 「〜できる」の一覧そのものはCAN-DOリストへ。