must と have to の導入で最初から「ほぼ同じ意味」と教えると、否定形(must not=禁止/don't have to=不要)で必ず事故が起きます。この授業案は、地球のルールを何も知らない宇宙人に校則やマナーを教えるという設定で、「これは絶対ダメ(must not)」と「べつにしなくていい(don't have to)」を、教える必然性のある場面から区別させます。宇宙人役は担任でもALTでも、うまくボケるほど盛り上がります。
この教材で解決できる悩み
- must not と don't have to の違いが定期テストまで定着しない
- 助動詞の導入が文法説明だけで終わり、使う場面がない
- 「意味が似ている2つ」を最初にどう区別させるか設計が難しい
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学2年(NEW HORIZON 2 Unit 4) |
| 文法項目 | must / must not / have to / don't have to |
| 形式 | 授業案A4(ルールカードの場面12と、宇宙人のセリフ台本つき) |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | ルールカード(下の12場面をグループ数分印刷・裁断)。宇宙人の小道具(触角カチューシャ等があると一気に世界が立つ) |
授業の流れ(50分)
導入: 宇宙人、転校してくる(12分)
教師(宇宙人役)が、地球のルールを珍妙に破ってみせます。上履きのまま机に乗る、授業中に立ち歩く、給食を手づかみで食べようとする——生徒が「ダメダメ!」と反応したところで、"Why? Teach me the rules of the Earth!" と英語で助けを求めます。ここで You must not stand on the desk!(禁止)を教師が板書し、生徒の「ダメ」を英語の型に翻訳していきます。
気づき: 4つの箱に仕分ける(10分)
板書を「しなければならない(must / have to)」「してはいけない(must not)」「しなくていい(don't have to)」の3枠で色分けします。ポイントは must not と don't have to を隣に並べて対比すること。「宇宙人に『廊下を走ってはいけない』と『宿題は今日中じゃなくていい』は、どっちも“notがつく”けど意味が正反対だよね」と、事故ポイントを最初に正面から扱います。
展開: ルール講座を作る(20分)
グループで「宇宙人のための地球ルール講座」を作ります。ルールカード(下の12場面。学校・電車・レストランなど)を引き、must / must not / have to / don't have to を最低1つずつ使って4つのルールを英語で書きます。書けたら宇宙人(教師)のところへ「講座」を届けに行き、宇宙人が1つわざと勘違いして実演("So, I don't have to wear shoes? OK!" と裸足になろうとする)すると、生徒が必死に訂正します。訂正の場面が、実は一番濃い産出練習になっています。
まとめ(8分)
各グループの「一番大事なルール」を1つずつ発表。must not と don't have to を1回ずつ含む講座を作れたグループを称えて終了します。
ルールカードの場面12
カードには場面と例の1文だけを書きます。例は must・must not・have to・don't have to が3枚ずつになるようにしてあり、残りの3つのルールはグループで考えます。
| # | 場面 | 例の1文 |
|---|---|---|
| 1 | 教室 | You must not use your phone in class. |
| 2 | 図書室 | You don't have to pay to borrow books. |
| 3 | 廊下 | You must not run in the hallway. |
| 4 | 体育館 | You have to wear gym shoes. |
| 5 | 給食 | You have to wash your hands first. |
| 6 | 電車 | You must let people get off first. |
| 7 | プール | You must take a shower first. |
| 8 | レストラン | You don't have to cook. Someone cooks for you! |
| 9 | 公園 | You must not leave your trash. |
| 10 | 日本の家 | You have to take off your shoes. |
| 11 | 横断歩道 | You must stop at a red light. |
| 12 | 夏祭り | You don't have to wear a yukata. |
宇宙人のセリフ台本
教師が言うセリフです。( )は動き。生徒の答えを待つ間は、首をかしげて黙ります。
| 場面 | 宇宙人のセリフ | ねらい |
|---|---|---|
| 登場 | Hello, Earth people! I'm Pico from Planet Blue. Nice to meet you! | 教室を宇宙人の世界にする |
| ルール破り1 | (上履きのまま机に乗ろうとして)Is this a chair? I like high places! | 生徒の「ダメ!」を引き出す |
| 助けを求める | Why? Teach me the rules of the Earth! | 英語の型へ翻訳を始める合図 |
| must not を受ける | I must not stand on the desk. OK, OK! | 生徒の must not を復唱して板書へ |
| ルール破り2(言葉だけ) | Lunch time! I eat with my hands! | 衛生ネタは実演しない。have to を引き出す |
| have to を受ける | I have to wash my hands. And I have to use chopsticks? Wow, difficult! | have to を復唱 |
| 宿題 | Do I have to finish my homework today? | No, you don't have to. Tomorrow is OK. を生徒から引き出す |
| わざと勘違い | So, I don't have to wear shoes? OK!(靴を脱ごうとする) | 生徒が You must wear shoes! と訂正する |
| 締め | Thank you, Earth people! I must not ... / I don't have to ... | 2つの not の違いを全員で唱和 |
定着・テストへの接続
この導入の翌時間には、当サイトの『must / have to の使い分け10分小テスト』(書き換え・校則英作文つき)がそのまま定着チェックとして使えます。宇宙人講座で書いたルールは、定期テストの条件英作文(「自校の校則を英語で説明しなさい」)の下書きにもなります。
NEW HORIZON 2 で次の単元の疑問詞+to は、『もしもの時、どうする?——ALTの先生に渡す防災カード』で入れます(今度は、何をすればよいかを知らない人に教える英語)。
投影版パワーポイント(Premium)
この授業案には、導入用のヒントクイズ投影版パワーポイント「ここはどこ?ルールクイズ」(6問・ルールが1つずつ増える→クリックで正解・話者ノートつき)が付属します。You must 〜./You have to 〜. のルール文だけで図書館・プール・飛行機などの場所を当てる形式で、「きまりを語ることば」として助動詞を導入。ルールは場所の指紋——という気づきが、授業案のエイリアンへのルール説明パートへそのままつながります。ダウンロードはPremium特典です。
