ひとことで言うと
チャンクは、英語の「意味のかたまり」のことです。使い方は2つあって、語彙の指導では単語1語ではなく句や定型表現のまとまり(take a picture、be interested in、I think that ...)を指し、読む指導では文を意味の切れ目で区切ったまとまり(In the morning, / I go to school / with my friend.)を指します。どちらも「1語ずつ処理しない」ことがねらいで、単語テストをチャンクに変えるだけで、生徒の英語が文で出てくるようになります。
出どころ
認知心理学のミラー(1956年)が、記憶はばらばらの要素ではなく「かたまり(チャンク)」で扱われると示したのが語源です。語学では、ルイス(1993年)の語彙アプローチが「言語は文法つきの語彙ではなく、語彙化された文法(定型表現のかたまり)でできている」と主張し、チャンクで教える考え方が広まりました。日本では「チャンクで英単語」のような教材名で知られ、読む側では意味のかたまりで区切るスラッシュリーディングとして定着しています。
授業での実際の使い方
2つの使い方を、同じ本文で両方やる形です。
| 使い方 | やること | 例(中2・不定詞の本文) |
|---|---|---|
| 覚える | 本文から「動詞+名詞」「前置詞つきの句」「文の頭の定型」を10個抜き出してチャンク帳に。単語テストはこの10個で | want to visit / a lot of places / I'd like to |
| 読む | 意味の切れ目にスラッシュを入れて、かたまりごとに音読。かたまりの中は止まらない | I want to visit / a lot of places / in Japan. |
本文からチャンクを取り出す基準は3つです。動詞と名詞の組み合わせ(take a picture)、前置詞を含む句(in front of)、文の頭に来る定型(I think that ...、Do you know ...?)。1単元で10個、1年で200個ほどになり、これが「使える語彙」になります。単語テストを「単語→日本語」から「チャンク→英語」に変えると、テストの準備がそのまま文を作る練習になります。
よくある誤解
- チャンク=熟語のことだけ、ではありません。熟語(look for)も含みますが、I think that ... のような文の型や、a lot of のようなよく出る並びも全部チャンクです。
- かたまりで読む=単語を飛ばして読む、でもありません。かたまりの中の全部の語を、まとめて1回で処理することです。
- 全部の文をチャンクに切る必要はありません。切る練習は最初の3か月だけで、そのあとは切らずにかたまりで読めるようになるのが目標です。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 単語より先に「I like ...」「Can you ...?」の定型で覚えているので、実はチャンクで学んでいる。中学でそれを文字にする |
| 中学校 | 単語テストをチャンクにする。本文の音読をかたまりで区切る。既習表現の一覧もチャンクで作ると使いやすい |
| 高校 | 長文の速読でかたまりを大きくする(節ごと)。論理・表現の定型(In my opinion, ...)をチャンクとして蓄える |
| 塾 | 単語帳の暗記が単語1語になりやすい。教科書のチャンク10個を毎回の確認テストにすると定期テストにつながる |
この用語が出てくる教材と記事
- 英単語テストメーカー。単語ではなくチャンク(句)でテストを作るときにも使える無料の道具です。
- 速読ラダー中1。かたまりで読んで、タイムを測る5分読解です。
- 英語長文の教え方(塾講師・個別指導向け)。訳して聞かせるのをやめて、かたまりと語数で上げる教え方です。
- 読む側の技術はスラッシュリーディング、テストの作り方は単語テスト、覚えたチャンクの一覧は既習表現へ。