中1のWhy ~?は、それまでの疑問文と決定的に違います。What・Who・Whereは事実を言えば終わりますが、Whyだけは答えが決まっていない——自分で理由を作らなければなりません。だから、ここで初めて「黙る生徒」が出ます。逆に言えば、Why?—Because.が回りはじめた教室は、やり取りが1往復で終わらなくなります。この授業案は、生徒が「なんで!?」と聞きたくてたまらない場面を先に作ってから型を出す、Why?—Because.の導入50分です。
この教材で解決できる悩み
- Why?と聞かれた生徒が黙ってしまう。出ても Because busy. のような単語止まりになる
- 「Why=なぜ、Because=なぜなら」の訳語提示だけで導入が終わり、使う必然性がない
- 質問した側が答えを聞きっぱなしで、やり取りが尋問のようになる
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学1年(SUNSHINE 1 PROGRAM 6。ONE WORLD 1 Lesson 6のWhy ~? — Because ~.にも対応) |
| 文法項目 | Whyの疑問文と Because ~.(理由の文)※文と文をつなぐbecauseは中2で本格化 |
| 形式 | 授業案A4(印刷版PDF・板書例と理由フレーズの足場つき) |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | マイクに見立てる物が1つあると記者会見の空気が出る(無くても成立します) |
授業の流れ(50分)
導入: 先生の記者会見(12分)
黒板に、先生の「ちょっと変な本当の事実」を3つ書きます。
- I get up at 4:30.
- I have 120 erasers.
- I don't watch TV.
生徒から日本語で「なんで!?」が出たら、そこで種明かし——「その『なんで』、英語では Why? です」。ここから記者会見を開きます。生徒は記者、先生は回答者。マイクを向けられた生徒が Why? と聞き、先生が Because I make breakfast for my family. のように既習の語彙で理由を明かします。1つの事実に Why? を2〜3回受けて、Because ~. を10回近く聞かせるのがねらいです。型の説明より先に、耳にリズムを作ります。
気づき: 理由は「文」で答える(8分)
板書を整理します。
Why do you get up at 4:30? — Because I make breakfast.
押さえるのは2つだけ。①Becauseのあとは主語と動詞のある文(Because busy.でも通じるが、文にすると相手に届く)。②聞いた側は答えに I see! / Nice! を返すまでが1セット。Why?は詰問ではなく興味の合図だと、ここで明示しておくと後の活動が険しくなりません。直前のPROGRAM 5で学んだ三単現を使って Why does she like cats? — Because they are cute. を1例入れると、復習も兼ねられます。
展開: なんで?記者会見 in ペア(22分)
記者と回答者に分かれ、時間で交代します。回答者は「本当の自分の1文」を言います(I like summer. / I play games every day. など既習の型でよい)。記者は Why? → 回答者は Because ~. ——ここからが本番で、記者はもう一度 Why? と掘ります。2回目のBecauseに、その人らしさが出ます(Because I want to be a pro gamer. など)。
- 理由フレーズの足場: it's fun / it's cute / I like ~ / I can ~ / I'm busy / I want to ~(小学校からおなじみのチャンク)
- 救済ルール: 詰まったら Hmm... I don't know! と笑って交代。沈黙のまま固まらせない
- 仕上げに数ペアを指名し、記者が相方の答えをクラスに紹介します(She likes cats. Because they are cute.)。三単現の口慣らしがもう一周まわります
まとめ: 自分に記者会見(8分)
出口チケットとして、自分で自分にインタビューした1セット(I like ~. → Why? → Because ~.)を書いて提出。次の時間はPROGRAM 6の題材(通学路)に、Why do they go to school this way? という問いから入ると、本文を読む理由がそのまま生まれます。
定着・入試への接続
翌週の帯活動のインタビューに Why? を1問混ぜると、記憶が新しいうちに習慣になります。書く練習は同じ中1範囲の接続詞 because・when のはじめてドリル 中1版へ——「対話で言えた」を「紙でも選べる・書ける」に引き上げる位置づけです。さらにその先、自分の言葉で書いて交換するところまで行くならわたしの「ふつう」カードがあります(自分の「ふつう」を書いて交換し、ちがうところだけを Why? で聞く1枚)。becauseは中2で文と文をつなぐ形(if・when・thatと束で登場)に発展し、高校入試では「あなたの考えと理由」を書く英作文の核になります。その全体像は接続詞の教え方ガイドにまとめてあります。
