ひとことで言うと
TPR は Total Physical Response(全身反応教授法)の略で、先生の英語の指示(Stand up. / Touch your nose. / Walk to the door.)を聞いて、生徒が体を動かして応じることで英語を理解していく教授法です。話すことを急がず、「聞いて分かる」を先に作るのが考え方の中心で、小学校の外国語活動でよく使われます。
出どころ
アメリカの心理学者ジェームズ・アッシャーが1960年代に提唱した教授法です。子どもが母語を身につけるときに、話す前に長く聞いて理解する期間があることをもとにしています。日本では小学校の外国語活動の導入期に、Simon says のようなゲームの形で広まりました。学習指導要領の本文にある語ではありません。
授業での実際の使い方
帯の5分の型です。
| 分 | やること | 先生が言う言葉 |
|---|---|---|
| 0〜1 | 先生がやって見せながら指示を言う。生徒は見て真似る | Stand up. Sit down. Turn around. |
| 1〜3 | 先生は動かず、指示だけ言う。生徒が動く。新しい動作を2つ足す | Touch your head. Jump three times. |
| 3〜4 | 指示を組み合わせる | Stand up and touch the door. |
| 4〜5 | 生徒が指示を出す側になる(できる子から) | (生徒)Sit down, please. |
コツは、先生が言うと同時に動くのをやめる段(1〜3分)を必ず入れることです。先生が動き続けると、生徒は英語ではなく動きを見て真似します。動作の語は単元の語彙(動物の動き、日課、道案内)に合わせると、帯が単元につながります。
よくある誤解
- ただのゲームや準備運動ではありません。ねらいは「聞いて分かる語と表現を増やす」ことで、動作はその確認です。
- 生徒に話させてはいけない、というものでもありません。話したくなった生徒から指示を出す側に回せば、聞く→話すの順が自然にできます。
- 小学校だけの方法ではありません。中学校の道案内(Turn left. Go straight.)や高校の手順の説明でも使えます。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 3・4年の外国語活動の中心。動作・体の部位・教室の物で |
| 中学校 | 命令文・道案内・前置詞(on / under)の導入に。中1の4月の帯にも |
| 高校 | 手順の説明(料理・実験)を聞いてやる形に発展 |
| 塾 | 英語教室の低学年で。個別指導ではほぼ使わない |
この用語が出てくる教材と記事
- 小学校英語のゲーム大全。Simon says をはじめ、体を動かす定番の型が入っています。
- ゲーム辞典(小学校)。活動の型から選べる一覧です。
- 歌・チャンツの活用術。動作と音声を組み合わせる帯の作り方です。
- 指示の決まり文句はクラスルームイングリッシュへ。