ひとことで言うと
クラスルームイングリッシュは、Open your textbook to page 20. や Make pairs. のように、授業の進行・指示・ほめ言葉・確認のために毎時間繰り返し使う決まり文句の英語です。内容を伝えるティーチャートークと違い、定型なので、生徒は数週間で意味を覚えます。生徒側にも One more time, please. のような決まり文句があり、両方そろって授業が英語で回ります。
出どころ
文部科学省の「小学校外国語活動・外国語 研修ガイドブック」(平成29年)に「クラスルーム・イングリッシュ」の章があり、場面ごとの表現が一覧で示されています。中学校・高校では、授業を英語で行うことを基本とする方針(学習指導要領)の土台として、教科書の指導書や教育委員会の資料に一覧が載っています。
授業での実際の使い方
| 場面 | 先生の決まり文句 |
|---|---|
| 始まり | Let's start today's lesson. / How are you today? |
| 指示 | Open your textbook to page 20. / Make pairs. / Stand up. / Raise your hand. |
| 活動 | Repeat after me. / Listen carefully. / You have one minute. / Change partners. |
| 確認 | Are you ready? / Any questions? / Do you understand? |
| ほめる | Good job. / Nice try. / Excellent. / Almost. |
| 終わり | That's all for today. / See you next time. |
生徒側の決まり文句は、教室の横にポスターで貼っておきます。
- 聞き返す: One more time, please. / Slowly, please. / Pardon?
- 尋ねる: How do you say ◯◯ in English? / What does ◯◯ mean?
- お願い: May I go to the restroom? / Can I borrow your pen?
定着のコツは、最初の1か月は同じ言い方を変えないことです。Open your textbook. と Open your book. を混ぜると、生徒は聞き取りに時間を使います。覚えたら少しずつ言い方を増やします。
よくある誤解
- 覚えさせるものではなく、聞いているうちに分かるようになるものです。一覧を配って暗記させるより、身ぶりと一緒に毎時間使うほうが早く定着します。
- 全部英語にする必要はありません。安全に関わる指示や、初めての活動の説明は日本語で構いません。決まった場面を英語にするだけで、授業の英語の量は大きく増えます。
- ティーチャートークではありません。クラスルームイングリッシュは定型の指示で、ティーチャートークは内容を伝える話です。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 担任とALTの共通語になる。研修ガイドブックの一覧が基本。ポスターで貼る |
| 中学校 | 中1の4月に生徒側の決まり文句を先に教える。以後は聞いて分かる状態を保つ |
| 高校 | 指示は英語が前提。活動の手順の説明も英語で行う |
| 塾 | 個別指導では最小限(Let's check. / Good.)。英語教室では小学校と同じ |
この用語が出てくる教材と記事
- 指示の英語とTeacher Talk。指示の英語の一覧と、伝わる話し方の技術です。
- アルファベット・教室英語(小学校)。生徒側の決まり文句「こまったときのえいご」のポスターがあります。
- ALTと組む45分の進行台本。担任とALTの役割分担と、進行の英語です。
- 内容を伝える話し方はティーチャートーク、方針の話はオールイングリッシュへ。