ひとことで言うと
教材研究は、授業で使う教科書や教材を教える側の目で読み込み、何をどう扱うかを決める準備のことです。読みは「きょうざいけんきゅう」。英語では、教科書本文の文法・語彙・内容・音声を読む作業だけでなく、生徒が何を知っていて何でつまずくかを読み、その上でどの活動を置くかを決めるところまでを指します。
出どころ
教育の一般的な語で、学習指導要領の用語ではありません。教育実習では「教材研究をしてから指導案を書く」と教わり、研究授業の指導案には「教材観・生徒観・指導観」の欄があります。この3つの欄が、そのまま教材研究の3層(教材を読む・生徒を読む・指導を決める)に対応しています。
授業での実際の使い方
英語の教材研究は3層に分けると、何をすれば終わりなのかがはっきりします。
| 層 | やること | 目安 |
|---|---|---|
| 本文を読む | 音読を3回(音声の難所を知る)・新出文法は「既習の何と比べるか」を決める・語彙は生徒が引っかかる語に印 | 5分 |
| 生徒を読む | 既習表現の一覧を見て、本文で使える形を確認・前回の小テストの誤答を見る | 3分 |
| 活動を決める | この本文で「生徒に何を言わせるか・書かせるか」を1つ決め、評価するなら規準を1行書く | 7分 |
順番は、活動→評価→説明の順に決めます。説明の準備から始めると、活動が残らない授業になります。1時間ぶんを15分で終えるには、教科書会社の指導書と年間指導計画を「読む」のではなく「引く」ものとして使い、必要な欄だけ見ます。
時間が取れないときに削るのは、自作のプリントです。本文の音読と活動の決定は削れませんが、プリントは既存のもの(教科書付属のワーク、当サイトの教材)に置き換えられます。
よくある誤解
- 教材研究は説明の準備、ではありません。説明は指導書に書いてあります。研究が要るのは「この本文で何を言わせるか」のほうです。
- 全部自作しなければ手抜き、でもありません。教材研究の成果は授業の中で生徒が動くかどうかで、プリントの出どころではありません。
- 指導書を読めば終わり、でもありません。指導書は平均の生徒向けに書いてあるので、自分のクラスの既習と誤答で読み替える作業が必要です。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 単元の8時間を通した教材研究(絵カード・音声・活動の並び)。担任は英語の音声を自分で確かめる時間を入れる |
| 中学校 | 本文の文法と既習の対応が中心。定期テストの作問まで見通した教材研究にすると、指導と評価がつながる |
| 高校 | 本文が長いので、扱う段落と扱わない段落を決める研究になる。読解は発問の設計が教材研究の中心 |
| 塾 | 学校の教科書と進度を確かめることが教材研究の第一歩。生徒の教科書を開いてから紙を選ぶ |
この用語が出てくる教材と記事
- 教材研究の時間が全く取れません。何から削るかを、上の3層で答えたお悩み相談です。
- 教育実習の英語授業ガイド。教材観・生徒観・指導観の書き方と、3週間の組み立てです。
- 中学英語の授業の進め方。教材研究で決めた活動を50分のどこに置くかの流れです。
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- 教科書そのものの見方は検定教科書と単元、研究の成果を書く文書は学習指導案へ。