ひとことで言うと
机間指導は、活動中に教師が机のあいだを歩いて、生徒の様子を見て、必要な生徒に声をかけ、拾ったものを全体に戻す指導です。読みは「きかんしどう」。古い言い方の「机間巡視(きかんじゅんし)」は見て回ることに重心がありましたが、机間指導は「見て、教える」までを含みます。学習指導案の「指導上の留意点」に一番よく出てくる語のひとつです。
出どころ
学習指導要領の用語ではなく、授業研究の中で使われてきた一般的な語です。指導案の様式で「机間指導を行い、つまずいている生徒を支援する」のように書かれ、教育実習で最初に身につける動きとされます。近年は「机間支援」と書く自治体もありますが、やることは同じです。
授業での実際の使い方
英語の授業での机間指導の役目は3つです。この3つを分けて意識すると、歩いているだけの時間がなくなります。
| 役目 | 見るもの | やること |
|---|---|---|
| 見る | 目標の文が出ているか、手が止まっている生徒はどこか | 名簿に印をつける。全員に声をかけようとしない |
| 声をかける | 止まっている生徒、1文目だけ書けた生徒 | 「ここまで合っている」と先に言ってから次の1手 |
| 拾う | よい言い方、多い間違い | 2〜3組の発話や1文をメモし、活動のあとに全体へ戻す(中間指導) |
回り方の目安です。教室をS字に1周して3分。1人の机に20秒以上とどまらない(そこで説明を始めると、残りの30人が止まります)。ペア活動では、机のそばに立って聞くだけで生徒の英語が変わるので、静かに立つ時間も机間指導です。英作文では、全員の1文目だけを見て回るのが速く、1文目で型が外れている生徒だけに声をかけます。
黒板の前に戻る位置も決めておきます。活動を止めて指示を出すときは、教室の前に戻ってから声を出す。後ろから大声で指示すると、前の生徒は振り向くだけで聞いていません。
よくある誤解
- 全員に声をかけるのが親切、ではありません。時間内に回れず、後半の生徒に1回も行けなくなります。名簿に印をつけて、前回声をかけていない生徒から回ります。
- 机間指導の途中で1人に文法の説明を始めない。全体に戻すべきつまずきなら、活動のあとに黒板でやるほうが全員に届きます。
- 歩いているだけの「巡視」で終わると、生徒は見られていると感じるだけで、指導にはなりません。拾って戻すところまでが1セットです。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 活動が多いので机間指導の時間も多い。ALTと2人で教室を半分ずつ回ると、声をかける回数が倍になる |
| 中学校 | ペア活動と英作文で。拾った英語を活動後の中間指導に使う。名簿に印をつけて記録に残す |
| 高校 | ライティングの時間に、1文目だけを全員分見る回り方。個別の添削は机間ではなく回収後に |
| 塾 | 個別指導は授業のすべてが机間指導。生徒の手元を見て、解説より先に「どこまで合っているか」を言う |
この用語が出てくる教材と記事
- 中学英語の学習指導案の書き方。指導上の留意点に机間指導をどう書くかの記入例です。
- ライティング指導の技術。全員分を赤ペンで直さない設計で、机間指導で1文目を見る回り方を扱っています。
- 中学英語のコミュニケーション活動18選。ペア活動の最中に何を聞いて回るかが分かる活動集です。
- 拾ったものを全体に戻す時間は中間指導、活動の組み方はペアワーク・グループワークへ。