ひとことで言うと
4技能5領域は、英語の力を「聞くこと」「読むこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」「書くこと」の5つの領域で示す、現行の学習指導要領の枠組みです。従来の4技能(聞く・読む・話す・書く)のうち「話す」が、相手と交互に話す[やり取り]と、1人で続けて話す[発表]の2つに分かれました。目標も評価も、この5つで組みます。
出どころ
平成29年告示の小・中学校学習指導要領(外国語)と平成30年告示の高校学習指導要領で、5つの領域が示されました。「話す」を2つに分けたのは、ヨーロッパの CEFR が「やり取り(interaction)」と「産出(production)」を分けていることに合わせたものです。小学校3・4年の外国語活動は「聞くこと」「話すこと[やり取り]」「話すこと[発表]」の3領域です。
授業での実際の使い方
| 領域 | 中学校の目標の要点 | 授業での活動 | 評価の方法 |
|---|---|---|---|
| 聞くこと | 必要な情報や概要・要点を聞き取る | 本文の音声、先生の話、リスニング | 定期テストのリスニング |
| 読むこと | 必要な情報や概要・要点を読み取る | 本文の読解、多読、速読 | 定期テストの読解、初見読解 |
| 話すこと[やり取り] | 即興で伝え合う。相手の話に応じる | 1分の即興のやり取り、インタビュー | パフォーマンステスト(対話) |
| 話すこと[発表] | 事実や考えをまとまりのある形で話す | スピーチ、リテリング、発表 | パフォーマンステスト(発表) |
| 書くこと | 事実や考えをまとまりのある文章で書く | 英作文、日記、意見文 | 定期テストの英作文、提出物 |
単元の計画を作るとき、5領域のどこを扱うかを先に決めます。1つの単元で5つ全部を扱う必要はなく、年間で全領域が複数回入ればよい、という考え方です。偏りやすいのは[やり取り]で、発表とやり取りを区別せずに「スピーチだけ」にしていると、即興で伝え合う力が育ちません。
よくある誤解
- 5領域は「5つの授業」ではありません。1つの活動が2つ以上の領域にまたがることは普通で(聞いてから話す)、計画で「主に見る領域」を決めます。
- [やり取り]と[発表]の違いは「人数」ではなく「相手の話に応じるか」です。ペアで交互に原稿を読み合うのは、やり取りではなく発表です。
- 3観点(知識・技能、思考・判断・表現、態度)と5領域は別の軸です。評価計画は3観点×5領域の表で作ります。
校種別の違い
| 校種 | 領域 |
|---|---|
| 小学校3・4年 | 3領域(聞く・やり取り・発表)。読む・書くは扱わない |
| 小学校5・6年 | 5領域。読む・書くは「慣れ親しむ」から「できる」へ |
| 中学校 | 5領域。[やり取り]に「即興で」が入る |
| 高校 | 5領域。科目ごとに重点が違う(英語コミュニケーションは5領域、論理・表現は話す・書く) |
| 塾 | 学校の定期テストが主に「聞く・読む・書く」を測ることを知り、[やり取り]は学校に任せる線を引く |
この用語が出てくる教材と記事
- 学習指導要領(外国語)。5領域が定められている基準そのものです。
- 観点別評価の考え方。3観点×5領域の評価計画の作り方です。
- パフォーマンステストの教材一覧。[やり取り]と[発表]の課題カードとルーブリックです。
- [やり取り]の中身は即興のやり取り、目標の書き方はCAN-DOリストへ。