中3で受け身が戻ってくるとき、生徒はすでに be動詞+過去分詞 の形を知っています。それなのに英作文になると能動態しか出てこないのは、形を忘れたからではなく「いつ受け身を選ぶのか」を一度も習っていないからです。この授業案は、学校の掲示を材料にした場所あてクイズで受け身を18文浴びせたあと、それを能動態に書きかえる実験で「だれがやるかを書かない」という選択のほうを導入します。
この教材で解決できる悩み
- 中2の復習として形だけなぞると、1時間が作業になって生徒が退屈する
- テストでは書けるのに、自由英作文では受け身がまったく出てこない
- 「〜される」という和訳の説明だけで終わり、なぜ受け身なのかを説明できていない
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学3年(NEW CROWN 3 Lesson 3/Here We Go! 3 Unit 1 ほか) |
| 文法項目 | 受け身(再導入・助動詞+受け身・by の扱い) |
| 形式 | 授業案A4・3ページ |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | 印刷のみ(投影版を使う場合はプロジェクタ) |
授業の流れ(50分)
導入: 掲示クイズ(18分)
「同じ場所に貼ってある掲示」を3枚ずつ見せ、どこの掲示かを当てさせます。6問で18文、すべて受け身です。
- Quiet voices are expected here.
- These desks are shared with people you do not know.
- Books are returned to the counter before you leave.
答えは図書室。1枚目では図書室・美術館・病院のどれもありえて、2枚目で半分が気づき、3枚目で確定する——この勾配がクイズの生命線なので、ヒントの順番は入れかえないでください。以降は体育館(Outdoor shoes must be taken off at this door.)、音楽室、保健室、美術館、職員室と進みます。
正解のたびに聞くことが1つだけ決まっています。「で、だれが expect してるの?」。生徒は「みんな」「学校」としか答えられません。そこで英文を指さして「じゃあ、この英語のどこに書いてある?」と重ねます。この往復を6回くり返すのが、この18分の仕事です。
最終問は職員室で、3枚目は Your report card is written at one of these desks in December. だれが書くかは全員が即答できます。即答できるのに英語には書いていない——ここで気づきのパートへ入ります。
気づき: 18文の共通点(8分)
板書に残した18文を見渡して「共通点は?」と問います。be動詞+過去分詞 はすぐ出ます。形が出たら合格にせず、「もう1つある」と粘ってください。だれがやるか書いていない、が生徒の言葉で出るまで待ちます。
例外は1つだけ用意してあります。美術館の It is protected by thick glass. です。唯一 by が出るうえに、そのうしろが人ではありません。「by のあとは人」と刷り込む前に、ここで一度崩しておきます。
展開: 書きかえ実験(12分)
ペアで、次の3文を能動態に直させます。直せるかどうかではなく、直したときに何が起きるかを見るための実験です。
| もとの掲示 | 能動態にすると | 起きること |
|---|---|---|
| Books are returned to the counter. | You return books to the counter. | 案内が命令に変わる |
| The graduation ceremony is held here. | The school holds the graduation ceremony here. | だれが開くかは、話題ではない |
| Your report card is written at that desk. | Your teacher writes your report card. | 言えるけれど、言うと角が立つ |
3行が埋まったところで、受け身を選ぶ理由を3つに整理します。言う必要がない/だれでもいい・わからない/言わないほうがいい。教科書本文に出てくる受け身がどれに当たるかは、この3つの物差しでほぼ説明がつきます。
出口: 自分の学校の掲示を作る(10分)
ペアで、自分の学校のどこかに貼る掲示を1枚、受け身で作らせます。場所は教室・保健室・体育館・昇降口から選択。条件は2つだけで、be動詞+過去分詞 を使うことと、だれがやるかを書かないことです。書けたら「なぜ書かなかったのか」を3つの理由のどれかで言わせます。
まとめ(2分)
でき上がった掲示を2〜3枚読み上げ、次の時間は教科書本文の受け身を同じ3つの物差しで読む、と予告して終わります。
定着・受験への接続
書きかえ実験の3行は、そのまま定期テストの「適切なほうを選び、理由を書きなさい」という設問に転用できます。教科書本文(平和・環境・科学の題材)の受け身は、ほとんどが「言う必要がない」か「だれでもいい」のどちらかです。本文を読む前に物差しを渡しておくと、和訳のときに主語を探してさまよう時間が減ります。同じ文法の練習は受け身の使い分けワークシートと文法を読む(受け身)に続きがあります。
投影版パワーポイント(Premium)
この授業案には、導入18分の掲示クイズをそのまま投影できるパワーポイント(全27枚)が付属します。スライドを進めるたびに掲示が1枚ずつ増え、もう1回進めると正解と「だれが○○するの?」の問いかけがめくれます。
掲示18文はすべて〈be+過去分詞〉で、by が出るのは美術館の by thick glass の1回だけ。答えスライドのポイント欄には、その問で板書に残す語(must be taken off、was painted と is protected の同居など)を1行で入れてあります。発表者ノートには、クイズの勾配を崩さない読み方と、自校の掲示に差し替えるときの作り方を書いています。ダウンロードはPremiumのファイルです。
