中2の最初の単元で過去形が戻ってくるとき、生徒はもう -ed も went も知っています。中1で習ったのは「昨日したこと」を言う過去形でした。ところが教科書の日記や春休みの報告には、I was nervous. や I didn't know anyone. のような「そのときはそうだった」という文が並びます。この授業案は、むかしの姿を3つのヒントで話す「私」の正体を当てるクイズで過去形を18文浴びせ、正解のたびに「で、いまは?」と聞いて、過去形の「だった」が「いまはちがう」と聞こえることに気づかせます。
この教材で解決できる悩み
- 中1の復習として動詞の変化表をなぞると、1時間が作業になる
- 「〜した」の文は書けるのに、I was ~. や I didn't like ~. のような「〜だった」の文が出てこない
- When I was little, を教えても、そのあとが1文で止まって話が続かない
教材の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 中学2年(Here We Go! 2 Unit 1/NEW HORIZON 2 Unit 0 ほか) |
| 文法項目 | 過去形(再導入・「だった」の過去形・否定の過去・接続詞 when) |
| 形式 | 授業案A4・3ページ |
| 所要時間 | 50分×1コマ |
| 準備物 | 印刷のみ(投影版を使う場合はプロジェクタ)・短冊(1人1枚) |
授業の流れ(50分)
導入: むかしの私クイズ(15分)
「むかしの私」が、むかしの自分の姿を3つのヒントで話します。ヒントは1枚ずつ増え、生徒は Who am I? の答えを当てます。6問で18文、すべて過去形です。
- I lived in the water.
- I had a long tail, but I didn't have any legs.
- In June, I left the water and jumped for the first time.
答えはカエル(おたまじゃくしだったころ)。1枚目では魚・カニ・カメのどれもありえて、2枚目で半分が気づき、3枚目で確定する——この勾配がクイズの生命線なので、ヒントの順番は入れかえないでください。以降はチョーク(I was long and white.)、雪だるま、家の電話、中1の4月のみんな、先生本人と進みます。
正解のたびに聞くことが1つだけ決まっています。And now? です。Do you have a tail now? — No. / Is the chalk long now? — No, it's very short. のように、いまの姿を現在形で返させます。板書は2列にして、左にヒントの過去形、右に「いま」の文を書きためていきます。
5問目の正体は中1の4月のみんなです(I was nervous on the first day./I didn't know the way to the music room./My uniform was too big, and my bag was very heavy.)。最終問は先生本人で、3枚目は I got 32 points on my first English test. のような先生の実話に差し替えます。And now? に I teach English every day! と答えたところで、気づきのパートへ入ります。
気づき: 「した」と「だった」(8分)
板書の左の列を見渡して「昨日したこと、みたいな文はどれ?」と問います。left、jumped、made、rang のような「〜した」の文は半分もありません。残りは was、had、lived、didn't know——「そのときは〜だった」の文です。中1で習ったのは「した」のほうでした。今日の18文の多くは「だった」のほうです。
そのうえで右の列を指さし、「左の文には now が1つもないのに、どうして右が言えた?」と聞きます。I was long. と聞いた時点で、いまは長くないと分かる——過去形の「だった」は「いまはちがう」と聞こえる、が生徒の言葉で出るまで待ちます。
展開: むかしの私、だれでしょう(15分)
1人1枚の短冊に、小さいころの自分を3文で書きます。1文目は When I was little, で始め、2文目と3文目は I was ~./I didn't ~./I had ~. のどれかで。並べ方はクイズと同じで、1文目はだれにでも当てはまりそうなこと、3文目で本人に近づけます。名前は書きません。4文目に Now, I ~. を1文だけ書き、そこを折って隠します。
4人班で短冊を集めて混ぜ、1枚ずつ読み上げます。1文ごとに Is it you, Aya? と当て、書いた本人は3文目まで黙っています。当たったら、本人が折った4文目を読みます。同じ班でも小さいころの話はほとんど知らない——当てる理由が教室の中に本当にあるので、読む側も聞く側も英語の中身を聞きます。
出口: 「むかし」と「いま」を1文で(8分)
自分の短冊から1つ選び、When I was little, I ~, but now I ~. の1文にまとめて書きます。過去形と現在形が1文の中に並ぶので、どこで時が切りかわるかを自分で決めることになります。机間では but now のあとが過去形のままになっていないか(but now I was ~.)を見ます。書けた1文は短冊の裏に書かせて回収し、次の時間の最初に2〜3枚読み上げます。
まとめ(4分)
1文を2〜3人に読ませ、「した」の過去形と「だった」の過去形が両方あったことを確かめます。次の時間は教科書本文の日記を読み、書いた人の「そのとき」と「いま」がどこで切りかわるかを探す、と予告して終わります。
定着・受験への接続
板書の2列(むかし/いま)は、そのまま定期テストの「前とちがうところを英語で書く」問題の形です。中2の過去形のまちがいは、「した」より「だった」の文に集中します(I didn't nervous./I wasn't like dogs.)。be動詞の過去と didn't+原形 の取りちがえなので、今日の短冊の3文をこの2つの点検に使ってください。「だった」は「いまはちがう」と聞こえる、という感覚は、中3の仮定法(If I were a bird, ~)で「いまの話なのに過去形」になる理由の土台にもなります。
活用はなにもない日の日記(中2・過去形の応用ワークシート)へ、評価の設計は中2・1学期中間テストの作り方(過去形は「思い出の共有」で測る)へ続きます。中1で過去形を初めて入れる授業は『先生の昨日、どれがウソ?』ウソ日記授業案です。
投影版パワーポイント(Premium)
この授業案には、導入15分のむかしの私クイズをそのまま投影できるパワーポイント(全27枚)が付属します。スライドを進めるたびにヒントが1枚ずつ増え、もう1回進めると正体と And now? の問いかけがめくれます。
ヒント18文はすべて過去形で、「〜した」と「〜だった」の文が混ざるように並べてあります。答えスライドのポイント欄には、その問で板書の右の列に書く「いま」の文を1行で入れてあります。発表者ノートには、クイズの勾配を崩さない読み方と、6問目を先生の実話に差し替えるときの作り方を書いています。ダウンロードはPremiumのファイルです。
