ひとことで言うと
ディベートは、「学校に制服は必要か」のような論題について、賛成と反対に分かれ、決められた順番で主張と反論を述べて、第三者が勝敗を判定する活動です。ディスカッションは、勝敗を決めずに意見を出し合い、考えを広げたりまとめたりする活動です。どちらも「自分の考えを理由とともに言う」力を使いますが、型の厳しさが違います。中学校では、型のゆるいディスカッションと、小さなディベートから始めます。
出どころ
高校の学習指導要領(平成30年告示)の「論理・表現」で、ディベートやディスカッションが言語活動として明記されました。中学校の学習指導要領にも「話すこと[やり取り]」に、関心のある事柄や社会的な話題について、考えや理由を伝え合う言語活動があり、その形の1つです。英語ディベートの大会(全国高校生英語ディベート大会など)は課外の活動として別にあります。
授業での実際の使い方
中学校で始める「マイクロディベート」の型(3人1組・10分)です。
| 分 | やること | 使う型 |
|---|---|---|
| 0〜2 | 論題を示し、賛成・反対・判定役を決める。理由を1つ考える | I think ... because ... |
| 2〜4 | 賛成が主張(30秒)→反対が主張(30秒) | First, ... For example, ... |
| 4〜6 | 反対が反論(30秒)→賛成が反論(30秒) | I understand, but ... |
| 6〜7 | 判定役が「理由が分かりやすかったほう」を選んで1文 | I agree with ... because ... |
| 7〜10 | 役を替えてもう1回 |
意見の言い方は「主張→理由→例」の3文で固定します。この型を帯で練習しておくと、ディベートの時間に日本語に戻りません。論題は、生徒の生活に近く、どちらにも理由が言えるもの(「宿題は必要か」「給食と弁当どちらがよいか」)にします。
よくある誤解
- 英語が上手な生徒だけの活動ではありません。「主張→理由→例」の3文が言えれば、中1でも成立します。
- 勝ち負けが目的ではありません。判定は「理由が分かりやすかったか」で行い、英語の正確さや声の大きさでは決めません。
- ディスカッションは「自由に話し合って」では動きません。問い(何を決めるか)と、まとめの形(班で1つ選ぶ)を先に決めます。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 扱わない。「どちらが好き?理由は?」のやり取りが、意見と理由の入口 |
| 中学校 | 3人1組のマイクロディベート。ディスカッションは班で1つ決める形 |
| 高校 | 論理・表現の中心。4人×2チームの形式ディベート、資料を使う議論へ |
| 塾 | 高校入試の英作文(意見と理由)の対策として、3文の型の練習に使う |
この用語が出てくる教材と記事
- 教科書本文の授業アイデア12選。要約からディベートへ広げる本文の扱い方です。
- 発問の技術。評価発問(あなたはどう思うか)がディベートの論題になります。
- 論理・表現の1年の順(高校版)。意見を述べる活動を1年でどう積むかです。
- 班の作り方はペアワーク・グループワーク、内容を扱う形はCLILへ。