ひとことで言うと
習熟度別指導は、学級を解体して、生徒の理解の度合いに応じた少人数のコースに分けて授業をする指導の形です。読みは「しゅうじゅくどべつしどう」。英語では「2クラスを3つのコースに分ける(2クラス3展開)」が典型で、加配の教員が1人つきます。うまくいくかどうかは分け方より、下のコースで内容を減らさず支援の量だけを変えられるかで決まります。
出どころ
2001年度からの教職員定数の改善で、少人数指導のための教員の加配が始まり、算数・数学と英語で習熟度別のコース編成が広がりました。学習指導要領の総則は「個に応じた指導」の例として、習熟の程度に応じた指導を挙げています。自治体によってはガイドラインがあり、コースの編成の仕方や保護者への説明の仕方が定められています。研究では、学力の高い生徒への効果はあるが、下のコースに固定された生徒の意欲が下がる、という結果が繰り返し報告されていて、入れ替えと呼び方が重要とされます。
授業での実際の使い方
2クラス3展開(じっくり・しっかり・どんどん、などの呼び方)の運用の要点です。
| 決めごと | やること | なぜ |
|---|---|---|
| コースの選び方 | 生徒の希望+教師の助言。テストの点だけで決めない | 自分で選んだコースは意欲が下がりにくい |
| 入れ替え | 学期ごと、または単元ごとに変えられると最初に伝える | 固定されると下のコースの自己効力が落ちる |
| 目標と内容 | 3コースとも同じ目標・同じ本文・同じ評価規準 | 下のコースで内容を減らすと、評定の説明ができなくなる |
| 変えるもの | 支援の量(プリントの段階・ヒントの有無・先生が付く時間)と進む速さ | 同じ活動を、支援の量だけ変えて出せるプリントがあると回る |
| 混ぜる時間 | 話す活動と発表の時間は学級に戻す | 相手が同じレベルばかりだと、やり取りが伸びない |
英語で使えるのは、同じ文法・同じ問題数で支援の量だけが違う段階のあるプリントです。じっくりコースは語群と例文つき、どんどんコースは語群なし、のように1枚の元から作ります。評価は3コースとも同じ規準で、同じパフォーマンステストを受けます。
よくある誤解
- 上のコースだけが得をする制度、ではありません。下のコースが得をするのは、先生が付く時間が増えたときで、内容を減らしたときではありません。
- 下のコースは易しい内容でよい、でもありません。目標は同じで、支援の量が違うだけです。内容を減らすと、定期テストと評定で不利になります。
- 一度決めたら固定、でもありません。入れ替えが無い習熟度別は、生徒に「自分は下」というラベルを貼る制度になります。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 英語では少ない(算数が中心)。外国語は学級のまま、ALTとの2人体制で支援の量を変える |
| 中学校 | 2クラス3展開が典型。文法の練習を分け、話す活動は学級に戻す。評価規準は全コース同じ |
| 高校 | 入学時の成績でクラス自体が分かれていることが多い。文法ユニットの版(基礎・標準・発展)で支援の量を変える |
| 塾 | クラス分けが前提の業態。ただし学校の評定は同じ規準なので、下のクラスでも学校のゴールの活動はやらせる |
この用語が出てくる教材と記事
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- 塾用の英語プリント(教科書別)。同じ単元で支援の量が違う段階つきのプリントの棚です。
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