ひとことで言うと
パラグラフ・ライティングは、1つの段落を「主張の文(トピックセンテンス)→それを支える文(理由・例)→まとめの文」の順で組み立てる、英語の文章の書き方です。日本語の作文(起承転結・結論は最後)とは順序が逆で、英語では最初の1文で言いたいことを言います。中学3年の意見文(3文)から高校の論理・表現(80〜120語)、大学入試の自由英作文まで、書く指導の背骨になる型です。
出どころ
英語圏の作文教育(アカデミック・ライティング)の基本単位で、1段落=1つの主張という約束ごとから来ています。日本の英語教育では、高校の科目「論理・表現」(2022年度入学生から)が、意見を論理の順で書く・話すことを中心にしたことで、パラグラフの型が高校の教科書に正面から入りました。中学校では、中3の「まとまりのある文章を書く」活動の到達点として、3〜5文の型で扱います。
授業での実際の使い方
型は1枚のプリントで示せます。最初は空欄を埋める形から入ります。
| 役目 | 文 | 中3の例(好きな季節) | つなぎの語 |
|---|---|---|---|
| 主張 | 言いたいことを1文で | I like summer the best. | ― |
| 理由1 | なぜか | I can swim in the sea. | First, |
| 理由2・例 | もう1つ、または具体例 | I enjoy the summer festival with my friends. | Second, / For example, |
| まとめ | 主張を言い換える | So summer is the best season for me. | So, / In conclusion, |
段階は、中3で3文(主張・理由・まとめ)→5文(理由2つと例)→高1で50語→高2で80〜120語(理由を2段落に分ける)と上げます。採点は、内容(主張と理由がつながっているか)・構成(型どおりの順か)・語彙・文法の4観点で、ルーブリックにして生徒にも先に見せます。
よくある誤解
- 語数を増やせばよい文章になる、ではありません。理由の無い主張の繰り返しは、語数が増えるほど読みにくくなります。
- 難しい語彙や構文を使うほど点が高い、でもありません。採点の4観点のうち語彙は1つで、内容と構成のほうが配点は大きいのがふつうです。
- 日本語の作文の順(結論は最後)で書くと、英語の読み手は最初の文を主張だと思って読むので、途中で迷子になります。順序の違いを最初に教えます。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 段落は扱わない。自分のことを3文で書く(I like ... I can ... I want ...)が土台になる |
| 中学校 | 中3で3〜5文の型。定期テストの条件英作文と、入試の自由英作文に直結する |
| 高校 | 論理・表現の中心。80〜120語、理由2つ、つなぎの語。ディスカッションやディベートの原稿にも同じ型 |
| 塾 | 入試の自由英作文対策として型を先に渡す。添削は型の欠け(理由が無い・まとめが無い)から見る |
この用語が出てくる教材と記事
- 論理・表現の1年、何をどの順でやるか。6つの型を並べる順序で、パラグラフの型を1年でどう上げるかの本編です。
- 入試チャレンジ・条件英作文。チェックリストで自己採点できる「書く」実戦6枚です。
- 教科書本文の活用術⑤:本文から自分の言葉へ。内容理解を自己表現ライティングにつなぐ流れです。
- 英作文の採点をぶれさせない。部分点の刻み方と採点例の作り方です。
- 添削の仕方は訂正フィードバック、科目の側の話は論理・表現と英語コミュニケーション、採点表はルーブリックへ。