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訂正フィードバック(添削)

ていせいふぃーどばっく・corrective feedback

生徒の誤りに対して教師や仲間が返す、直すための反応。話すときはリキャストなど6種類、書くときは直接・間接・焦点化で分ける。

訂正フィードバック(corrective feedback)とは、生徒の誤りに対して教師や仲間が返す、直すための反応のことです。話すときの6つの種類(リキャスト・明示的訂正・明確化要求・メタ言語的フィードバック・引き出し・繰り返し)、書くときの直接・間接・焦点化の違い、英作文の添削のやり方(今日の文法だけ直す・記号で自己訂正・書き直しまで)、全部を赤で直さないほうが伸びる理由、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-12・更新 2026-10-19

ひとことで言うと

訂正フィードバックは、生徒の誤りに対して教師や仲間が返す、直すための反応のことです。話す活動では、その場で言い直して返すリキャストから、「もう一度言って」と引き出すものまで6種類に分けられ、書く活動では、正しい形を書き込む直接的なものと、印だけつけて生徒に直させる間接的なものに分かれます。英作文の「添削」は、この書く側の訂正フィードバックのことです。

出どころ

第二言語習得研究の用語で、話すときの6種類はライスターとランタ(1997年)の教室観察の分類が元です。書くときの分類(直接・間接、メタ言語的、焦点化・非焦点化)はロッド・エリス(2009年)の整理が広く使われています。日本語教育でも同じ語が使われるので、検索すると日本語教師向けの解説が多く出てきますが、中身は英語の授業と同じです。

話すときの6つの種類(明示的と暗示的)

生徒が I go to the zoo yesterday. と言ったときの、6つの返し方です。分け方の線は研究者によって少し違いますが、「誤りだとはっきり示すか(明示的・暗示的)」と「正しい形を先生が言うか、生徒に言わせるか」の2つの軸で並べると、使い分けが見えます。

種類返し方の例明示的・暗示的正しい形
リキャストOh, you went to the zoo.暗示的先生が言う
明示的訂正Not go. Went. You went to the zoo.明示的先生が言う
明確化要求Sorry?暗示的生徒に言わせる
メタ言語的フィードバックYesterday. Past or present?明示的生徒に言わせる
引き出しYesterday you ...? (途中で止めて続きを言わせる)明示的生徒に言わせる
繰り返しI go to the zoo yesterday? (go を強め、上げ調子で)暗示的生徒に言わせる

暗示的な返し方は会話の流れを保ちやすい代わりに、生徒が直されたと気づかないことがあり、明示的な返し方は気づかれやすい代わりに、会話が止まりやすくなります。生徒に言わせる4つ(明確化要求・メタ言語的フィードバック・引き出し・繰り返し)は、生徒が自分で直す機会を作る返し方で、ねらいの文法を練習している時間に向いています。どの場面でどれを使うかは、次の節の表のとおりです。

授業での実際の使い方

話す活動と書く活動で、使う種類を分けます。

場面種類やること
話す(活動中)リキャスト誤りを正しい形で言い直して返す。活動は止めない
話す(活動後)引き出し・メタ言語的中間指導で「動詞の形は?」と聞き、生徒に直させる
書く(初稿)間接・焦点化今日の文法に関わる誤りだけに印(記号)をつけ、正しい形は書かない
書く(書き直し)直接生徒が直せなかった箇所だけ、正しい形を書く

英作文の添削は、次の3つを決めると回ります。焦点を絞る(今日の目標の文法だけ。つづりや冠詞はこの回は見ない)、記号を使う(sp=つづり、v=動詞の形、ww=語の選び方、^=抜け。学期の最初に配って全員同じ記号)、書き直しまでを1セットにする(印をつけて返し、翌日に書き直しを出させる。書き直しが無い添削は定着しません)。

全部を赤で直すと、生徒は赤の多さだけを見て中身を読みません。1枚に印は5つまで、と決める先生が多いです。ペアで記号をつけ合う相互評価にすると、教師の添削は書き直し後の1回で済みます。

よくある誤解

  • 全部直すのが親切、ではありません。直す箇所を絞ったほうが、生徒はその箇所を覚えます。
  • 直せば伸びる、でもありません。直したものを生徒が書き直して初めて定着します。返して終わりの添削は、時間の割に効果が薄い作業です。
  • 生徒が添削を読まないのは生徒のせいだけではなく、赤が多すぎて読めない設計のせいでもあります。

校種別の違い

校種特徴
小学校書く量が少ないので、書き写しの正確さを見る。話すときはリキャストだけで、言い直しは求めない
中学校記号と焦点化で、35人分を回す設計に。定期テストの英作文は採点基準を先に示す
高校論理・表現の80〜120語を、内容・構成・語彙・文法の4観点で。文法の誤りは間接、内容は直接コメント
塾個別指導はその場で直接直せるが、生徒に先に見つけさせる時間(1分)を置くと定着が違う

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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