ひとことで言うと
外国語の見方・考え方は、学習指導要領が教科ごとに示した「その教科ならではの物の見方・考え方」の外国語版です。正確には「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方」で、外国語で表現し伝え合うために、外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉え、目的や場面、状況に応じて、情報を整理しながら考えを形成し、再構築すること、と定義されています。授業でこれが働くと「深い学び」になる、という位置づけです。
出どころ
平成29・30年告示の学習指導要領で、全教科に「見方・考え方」が示されました。外国語(小・中・高)の解説に上の定義があります。「主体的・対話的で深い学び」の「深い学び」は、各教科の見方・考え方を働かせることで実現する、と総則の解説が説明しています。
授業での実際の使い方
抽象的な語ですが、授業で「働かせている」と言える場面は3つに絞れます。
| 場面 | 生徒がしていること | 例 |
|---|---|---|
| 相手に応じて言い方を選ぶ | 同じ内容を、相手や目的に合わせて言い換える | 友だちに言う誘いと、先生に言う誘いを変える(Can you ...? と Could you ...?) |
| 情報を整理して考えを作る | 聞いた・読んだ情報から、自分の考えを組み立てる | 本文の2人の意見を比べて、自分はどちらに近いかを理由つきで言う |
| 文化や相手の背景に着目する | 「日本ではこうだが、相手には通じないかもしれない」を考える | 留学生に日本の行事を説明するとき、前提を1つ足す |
指導案には「本時で働かせる見方・考え方: 相手(留学生)が日本を知らないことに着目し、説明に前提を足して言い換える」のように、場面の言葉で書きます。先生が生徒に言う言葉は「相手が変わったら、言い方はどう変わる?」で、この問いが見方・考え方を働かせる入口です。
よくある誤解
- 指導案に定義を写せば「働かせた」ことになるわけではありません。生徒が言い方を選び直す場面が授業に無ければ、飾り言葉です。
- 難しい内容を扱うことではありません。中1の自己紹介でも、「班の人に」と「転校生に」で言い方を変えれば、見方・考え方は働いています。
- 文化の知識を教えることでもありません。着目するのは、相手との関わりの中で英語をどう使うか、です。
校種別の違い
| 校種 | 場面 |
|---|---|
| 小学校 | 「誰に伝えるか」を決めて、伝え方を変える(先生に・友だちに・おうちの人に) |
| 中学校 | 相手と目的で言い方を選ぶ。本文の情報を整理して自分の考えを言う |
| 高校 | 意見の構築と再構築。反論を受けて考えを直す活動 |
| 塾 | 英作文で「誰に書くか」を添えると、内容が具体になる |
この用語が出てくる教材と記事
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- 深い学びの全体は主体的・対話的で深い学び、設定の3つは目的・場面・状況へ。