ひとことで言うと
アクティブ・ラーニングは、教員の講義を受け身で聞くのではなく、学習者が話す・書く・調べる・教え合うといった形で能動的に参加する学習の総称です。英語の授業では、言語活動(実際に英語を使って伝え合う活動)がそのままアクティブ・ラーニングにあたります。学習指導要領ではこの語は使われず、「主体的・対話的で深い学び」という3つの視点に言い換えられました。
出どころ
2012年の中央教育審議会の答申(大学教育の質的転換)で、大学の授業改善の語として広まり、小中高でも使われるようになりました。2016年の答申は、方法の名前として一人歩きすることを避けるため、「主体的・対話的で深い学び」という授業改善の視点に言い換え、平成29・30年告示の学習指導要領の総則にその形で書かれました。つまり現在の公式の語は「主体的・対話的で深い学び」で、アクティブ・ラーニングはその由来にあたります。
授業での実際の使い方
「活動があれば能動的」ではありません。英語の授業で、能動的と言える条件を3つで確かめます。
| 条件 | 確かめ方 | 満たす例 |
|---|---|---|
| 生徒が英語を使う時間がある | 50分のうち、生徒が話す・書く時間が何分か | 帯5分+言語活動15分+書く5分 |
| 相手がいる | 先生に向けてではなく、ペアや班の相手に向けて使っている | 情報の差のあるペア活動 |
| 考える場面がある | 選ぶ・比べる・理由を言う場面がある | 推論発問、意見を1文足す |
授業を組むときの問いは「生徒が英語を使う時間は何分か」です。先生が英語で長く話す授業は、先生は能動的でも生徒は受け身です。先生が言う言葉は、活動の前の「今日はあなたたちが話す時間です」で、先生の話す時間を短くする宣言でもあります。
よくある誤解
- グループ活動を入れれば、アクティブ・ラーニングになるわけではありません。相手のいない、考える場面のない活動は、形だけです。
- 講義や説明が悪い、という意味でもありません。形の整理(文法の説明)は要ります。割合の問題で、生徒が使う時間が半分以上あるかどうかです。
- 「主体的・対話的で深い学び」と別のものではありません。同じ考え方の、公式の言い換えです。
校種別の違い
| 校種 | 形 |
|---|---|
| 小学校 | 外国語活動・外国語科の設計そのものが、活動を通して身につける形 |
| 中学校 | 言語活動の時間を毎時間15分以上。ペアと班の使い分け |
| 高校 | 論理・表現の議論と発表。読解でも発問と意見の構築 |
| 塾 | 個別指導は本来1対1の対話。講師が解説する時間を減らし、生徒が解いて説明する時間を増やす |
この用語が出てくる教材と記事
- ペア・グループ活動の技術。「話し合って」で話せる教室にする条件です。
- 中学英語の授業の進め方。50分の中で生徒が使う時間をどう確保するかの流れです。
- 発問の技術。考える場面を作る3種の問いです。
- 公式の言い換えは主体的・対話的で深い学び、英語での中身は言語活動へ。