ひとことで言うと
絶対評価は、目標(評価規準)に照らして一人ひとりの到達を評価することで、相対評価は、集団の中での位置(上位何%か)で評価することです。今の小・中・高の評定は「目標に準拠した評価」、いわゆる絶対評価です。クラスの平均点や順位は評定に関係なく、規準に達していれば何人でも5がつきます。保護者からの「なぜこの評定か」という問いに答える土台になる語です。
出どころ
2001年の指導要録の改善通知で、小・中学校の評定が2002年度から相対評価(5段階で7・24・38・24・7%の分布)から「目標に準拠した評価」に切り替わりました。高校も続いて切り替わり、新しい学習指導要領の3観点(小学校2020年度・中学校2021年度・高校2022年度入学生から)の記録と評定も、小・中・高とも目標に準拠した評価で行います。文部科学省は「絶対評価」という語を正式には使わず「目標に準拠した評価」と言いますが、学校現場と保護者のあいだでは絶対評価で通じます。
授業での実際の使い方
英語の評定は、素点ではなく観点の到達から出します。保護者に説明するときも、この順で話します。
| 段階 | やること | 保護者への言い方 |
|---|---|---|
| 規準 | 単元ごとに3観点の評価規準を決め、生徒にも先に示す | 「この単元では、この3つができることを見ています」 |
| 記録 | 定期テスト・パフォーマンステスト・提出物を、観点ごとにA・B・Cで記録 | 「知識・技能はA、思考・判断・表現はBでした」 |
| 総括 | 観点のA・B・Cの組み合わせから評定を出す(学校で決めた対応表) | 「AABなので4です。平均点や順位は関係ありません」 |
説明が通らないのは、たいてい「テストの点は高いのに評定が低い」場面です。このときは、テストが知識・技能の観点に偏っていて、思考・判断・表現(英作文・スピーチ)の記録が低かった、と観点で説明します。順位で説明しないことが、目標に準拠した評価の約束です。
相対評価が残る場面も覚えておきます。模試の偏差値、高校入試の合否、大学入試は集団の中の位置で決まります。評定(絶対評価)と偏差値(相対評価)は別の物差しで、両方を生徒に説明できるようにしておきます。
よくある誤解
- 絶対評価=みんな5にできる、ではありません。規準に達したかで決まるので、達しなければ何人でも2です。学校間で評定の分布が違うのはこのためで、都道府県が入試のために分布を公表しています。
- 絶対評価=テストの点だけで決まる、でもありません。3観点の記録の総括で、テストはその一部です。
- 相対評価は消えた、わけではありません。入試と模試は相対評価で、評定と混ぜて話すと保護者が混乱します。
校種別の違い
| 校種 | 特徴 |
|---|---|
| 小学校 | 評定は3段階(3・2・1)または観点のみ。外国語は5・6年から評定がつく |
| 中学校 | 5段階。高校入試の内申点になるので、保護者の関心が一番高い。観点の記録で説明できる形にしておく |
| 高校 | 2022年度入学生から3観点で記録し、5段階の評定に。大学の推薦で評定平均が使われる |
| 塾 | 学校の評定(絶対評価)と模試の偏差値(相対評価)を分けて生徒に説明する。内申の上げ方は観点で見る |
この用語が出てくる教材と記事
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- 素点から評定までの実務。3観点の記録を5段階にする手順です。
- 評定そのものは評定、3観点は観点別評価、照らす目標は評価規準と評価基準へ。