ひとことで言うと
パターンプラクティスは、I want to be a teacher. の teacher を doctor・singer に替える、主語を She に替えて wants にする、というように、同じ文型の一部を入れ替えながら口で繰り返し、形を体に入れる練習です。考えなくても形が出てくる状態を作るための練習で、それ自体はコミュニケーションではありません。だからこそ、そのあとに言語活動を置くことが前提になります。
出どころ
1950〜60年代のアメリカで広まったオーディオリンガル・メソッドの中心的な練習法です。日本の中学校の英語では、教科書の基本文の練習として長く使われ、コミュニカティブな言語教授法が広まってからは「練習は活動の前段」と位置づけ直されました。学習指導要領の本文にある語ではなく、解説が言語活動と区別する「言語材料についての練習」にあたります。
授業での実際の使い方
3種を、帯の3分で順に回します。
| 種類 | やり方 | 例(不定詞) |
|---|---|---|
| 置き換え | 語を1つ替える | I want to be a teacher. → doctor → singer |
| 変換 | 主語や時制を替える | I want to → She wants to → He wanted to |
| 拡張 | 語句を足して長くする | I want to be a teacher. → I want to be a teacher in Tokyo. |
先生が絵カードか単語を見せ、生徒が全体で言い、次にペアで言い合います。速さを上げていくと、考えずに形が出るようになります。3分で止め、そのあとに「自分の本当のこと」を言う活動(What do you want to be?)に移します。先生が言う言葉は、練習では「速く、たくさん」、活動に移るときは「今度は本当のことで」です。
よくある誤解
- 古い方法だから使わない、というものではありません。形が出てこない生徒に、意味のやり取りだけを求めても話せません。練習と活動の両方が要ります。
- 練習を長くやれば話せるようになる、わけでもありません。3分で止めて活動に移すことで、練習が意味を持ちます。
- 全員で声をそろえる一斉の練習だけでは、個人の誤りが聞こえません。全体→ペア→個人の順に、声の単位を小さくします。
校種別の違い
| 校種 | 扱い |
|---|---|
| 小学校 | チャンツの語の入れ替えが、パターンプラクティスにあたる。「練習」の語は使わない |
| 中学校 | 新出文法の導入の直後に3分。そのあとに情報の差のある活動 |
| 高校 | 複雑な文型(仮定法・分詞構文)の変換練習として。書く練習と組み合わせる |
| 塾 | 確認テストの前の口頭練習として。個別指導でも1対1でできる |
この用語が出てくる教材と記事
- 中学英語の文法定着ドリル28本。入れ替えの練習を紙にした、全18文法のドリルです。
- 中学英語の文法導入ネタ20選。練習の前に「使いたくなる場面」を作る導入です。
- 中学英語のコミュニケーション活動18選。練習のあとに置く言語活動の集です。
- 練習と活動の線は言語活動、拍に乗せる練習はチャンツへ。