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英語教材ラボ 小学校版

授業

英語の時間だけ、学級が落ち着きません

ふだんは落ち着いている学級が、外国語の時間だけざわつく——という小学校の学級担任の相談に答えます。英語だけで起こる理由(席を立つ・声を出す・正解が1つでないが同時に来る唯一の教科)、崩れる場所は始まり・切りかえ・終わりの3か所しかないこと、声を張らずに止める合図、立ち歩き活動に必ず決めておく3つ、余った時間の埋め方まで。無料の「すきま5分の引き出し」つき。

公開 2026-08-31・更新 2026-08-31

ふだんの授業は落ち着いている学級なのですが、外国語になると別のクラスのようになります。インタビューの活動で立ち歩かせると声がどんどん大きくなり、座らせるまでに時間がかかって、最後の10分は完全に崩れてしまいます。同僚に「英語のとき、にぎやかだね」と言われたときは、学級経営ができていないと言われた気がして落ち込みました。(小4担任)

落ち着かないのは、学級ではなく活動のつなぎ目です

ふだんの授業では落ち着いている、というところが答えになっています。学級づくりの問題なら、国語でも算数でも同じことが起きます。英語の時間だけに起きているなら、原因は英語の時間の中にあります。

そして、外国語は小学校の教科の中で、次の3つが同時に起こる唯一の時間です。

  • 席を立って動く
  • 声を出すことが求められる
  • 答えが1つに決まらない(誰に聞いても、何と答えてもよい)

この3つがそろえば、どの学級でも音は上がります。ざわつくこと自体は、活動が動いている証拠でもあります。問題は音量ではなく、上がった音を下ろす場所が用意されていないことです。

崩れる場所は3か所しかない

45分をていねいに思い出してみると、しんどくなるのはいつも同じ場所のはずです。

崩れる場所教室で起きていること打つ手
①始まり教科書・筆箱を出す間に雑談が始まり、最初の5分が立ち上がらない帯を固定して、指示なしで始まる形にする
②活動から活動への切りかえ立ち歩きを止められない。説明の声が通らない止める合図を音と1語に決める
③終わりの余り時間早く終わった子から手持ちぶさたになる引き出しから1本引く

活動の中身を変える必要はありません。この3か所だけを設計し直すと、同じ活動のまま静かになります。

①始まりは、毎回まったく同じにする

外国語の45分は、始まりが立ち上がらないと最後まで立ち上がりません。そして始まりを立ち上げるいちばん確実な方法は、先生が指示を出さなくても始まる形にすることです。

あいさつ→歌かチャンツ→Small Talk。この3つを毎回同じ順・同じ長さで置いて、子どもが「英語の時間はこれから始まる」と体で覚えている状態にします。歌が流れたら立つ、と決めておけば、「立ちましょう」と言わずに全員が立ちます。指示の回数が減るほど、教室は静かになります。

3・4年なら、授業開き45分の型をそのまま毎時間の帯に縮めて使えます。

②止める合図は、声を張らないものにする

いちばん変わるのがここです。ざわついた教室を声で止めようとすると、先生の声が音量競争に参加してしまい、教室全体の音がもう一段上がります。

止める合図は、次のどれかに固定してください。

  • 英語1語(Freeze. / Stop, please. / Thank you.)を、いつも同じトーンで一度だけ
  • 手拍子のパターン(タン・タタン、を子どもが返す)
  • (タンバリン、鈴、キーボードの1音)

大事なのは、合図を出したあと待つことです。合図→全員が止まる→それから話す。止まりきる前に説明を始めると、次からその合図は「止まらなくてよい合図」になります。3秒待つだけで定着します。

立ち歩きの活動は、3つを先に決めてから始める

インタビューやラリーで崩れるときは、たいてい次の3つのどれかが決まっていません。

決めること決めていないと決め方の例
何人と交わすか終わった子が余り、うろうろする「5人と交わしたら座る」と黒板に書く
いつ終わるか先生の「そろそろ」で終わるので、いつまでもだらだら続くタイマーを画面か黒板に出して見せる
終わったら何をするか座ったあと暇になり、そこから騒がしくなる「座ったらシートに○をつけて、言えた文を1つ書く」

3つ目が抜けている教室がいちばん多いです。終わった子の行き先を作っておくと、活動そのものが静かになります。

活動ごとの回し方はゲーム大全にまとめました。とくにインタビュー・ラリーキーワードゲームは、盛り上がるぶん設計が要る2つです。

③余った時間には、引き出しから1本引く

45分がぴったり終わることは、まずありません。そして余った5分から崩れます。

すきま5分の引き出しを、3・4年用と5・6年用で1枚ずつ無料で置いてあります。教卓に置いておいて、余ったら上から1本引くだけです。9本並べてあり、それぞれに「やめ方」まで書いてあります。始め方より、やめ方が書いてあるほうが実は大事で、盛り上がったまま終わると次の時間に持ち越します。

引き出しの中身は、その日に扱った語でできるものにしてあります。時間を埋めるためのゲームではなく、その45分の復習になる形です。

「英語のとき、にぎやかだね」について

同僚のその一言は、たぶん責めてはいません。ただ、こう言われて落ち込んだという事実のほうは、そのまま受け取っていいと思います。落ち込むのは、自分の担任としての仕事を大事に思っているからです。

そのうえで、ひとつだけ。外国語の時間に静かな学級が、いつも良い学級とはかぎりません。誰も英語を口にしていない45分は、たしかに静かです。高学年が恥ずかしがって声が出ないという相談も、この相談室にはたくさん届いています。声が出ている学級は、そこから設計で下ろせます。声が出ていない学級を上げるほうが、ずっと時間がかかります。

来週の1時間だけ、始まりの帯を固定する・止める合図を1つに決める・終わったら座って何をするかを黒板に書く。この3つを試してみてください。活動は今のままでかまいません。

執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、小6の英語が中1でどうつながるかを見てきた立場から書いています。制度・評価の記述は、学習指導要領と国立教育政策研究所「指導と評価の一体化」参考資料、文部科学省の通知・研修ガイドブックにあたって確認しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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