6年生の担任です。3・4年のころは楽しそうに歌っていた子たちが、今は英語で話す活動になると急に声が小さくなります。ペアにしても気まずそうにしていて、発表ではうつむいてしまいます。(小6担任)
結論: 気持ちではなく、「聞かれる人数」を設計で減らす
まず、この変化は指導の失敗ではありません。高学年は自意識が育つ時期で、「人前でまちがえるかもしれないこと」への感度が急に上がります。3・4年と同じテンションを求めると、子どもは英語ではなく「はしゃぐこと」を拒否しているのに、英語嫌いに見えてしまいます。
恥ずかしさの正体は、英語そのものではなく「聞かれること」です。だから対策は、声を出せと励ますことではなく、聞いている人数を減らすことです。ここは設計でどうにでもなります。
聞かれる人数の階段: 全員→ペア→4人→希望者
声を出す場面を、この順に並べます。
| 場面 | 聞いている人数 | ねらい |
|---|---|---|
| 一斉の口まね | 0人(全員が同時に言う) | 声がまざる安心の中で口を動かす |
| ペア | 1人 | 初めて「自分の英語」を聞かれる。相手は1人だけ |
| 4人グループ | 3人 | 発表の本番はここでよい |
| 全体の前 | 34人 | 希望者と指名を混ぜ、全員には課さない |
このサイトの単元パックの活動シートとパフォーマンステストは、この階段を前提に作ってあります。全員を教室の前に立たせる発表は設計に入れていません。前に立つ発表で測れる力と、4人に向けて話す発表で測れる力は同じだからです。声の小さい子を無理に前へ出すと、評価しているのは英語ではなく度胸になります。
聞く側に仕事を渡す
うつむく子の多くは、聞き手の反応が読めないことがこわいのです。だから聞く側に仕事を渡します。あいづち(Wow! / Nice! / Really?)と、終わったら質問を1つ。活動シートには「きく人のことば」の欄を入れてあります。聞き手が何をするか決まっている教室では、話し手は反応の予測がつくので、声が出ます。
2回練習して、2回目だけ見る
「1回で上手に言う」ことを求めると、1回目の失敗がこわくて声が出ません。練習は2回、先生が見るのは2回目だけ、と宣言してください。1回目は失敗するための回になります。発表シートには練習の記録欄(1回目・2回目)を付けてあり、「1回目とちがうところが、のびたところ」と書いてあります。伸びを見る紙は、失敗を許す紙です。
「まちがえていい教室」の約束は、年度途中でも作り直せる
高学年で声が出なくなったクラスには、授業開きの進行案「まちがえていい教室」を年度途中にもう一度やる手があります。4月の約束は、自意識が育つ2学期にこそ効きます。約束を作り直したうえで、上の階段とセットで2〜3週間回すと、教室の声量は目に見えて変わります。