ひとことで言うと
サイトワードは、見た瞬間(at sight)に読めるようにしておく語です。the・of・was・said・one のように、つづりの規則(フォニックス)では読めない語と、規則で読めても頻度が高すぎて毎回組み立てていられない語(and・in・it)が含まれます。英語の文章のおよそ半分は、こうした頻度の高い100語ほどでできているので、これが読めるだけで文が読めるようになります。
出どころ
英語圏の読みの指導で、ドルチが1936年に示した220語のリスト、フライが1950年代に示した1,000語のリストが知られています。日本の学習指導要領にこの語はありませんが、中学校の新出語を「規則で読める語」と「丸ごと覚える語」に分けて示す考え方として、フォニックスとセットで使われます。
授業での実際の使い方
新出語の導入で、語を2つに分けて示します。
| 分け方 | 例 | 教え方 |
|---|---|---|
| 規則で読める語 | cat・stop・plan・rain | フォニックスで「読ませる」 |
| 丸ごと覚える語(サイトワード) | said・one・was・friend | 音を聞いて、見て、3回言う。規則は説明しない |
帯の1分で回す型は、サイトワードのカード(1枚1語)を10枚、見せた瞬間に言う、です。読めなかった語は次の日にもう一度出します。先生が言う言葉は「この語は考えない。見たら言う」です。規則で読める語には「音で読んで」、サイトワードには「見たら言う」と、言葉を分けると、生徒は2種類の読み方があることを覚えます。
よくある誤解
- 全部の単語をサイトワードとして覚えさせる方法ではありません。規則で読める語まで丸暗記させると、初めて見る語が読めないままになります。
- 小学校で覚えるべき語のリスト、でもありません。日本の小学校では文字の読みを求めていないので、サイトワードの考え方は中学校からです。
- 「意味を覚える」話ではありません。サイトワードは「見た瞬間に音が出る」話で、意味の学習とは別に扱います。
校種別の違い
| 校種 | 扱い |
|---|---|
| 小学校 | 扱わない。音声で慣れ親しんだ語を、文字として見る経験まで |
| 中学校 | 中1の新出語を2種類に分けて示す。帯のカードで100語ほどを1学期で |
| 高校 | ほぼ済んでいる前提。読めない語が残る生徒には中学の100語に戻す |
| 塾 | 英語が読めない中学生の処方として、頻度の高い語のカードから |
この用語が出てくる教材と記事
- 音と文字をつなぐ指導。「読めない単語は覚えられない」問題への手立てで、規則と丸暗記の分担を書いた本編です。
- 語彙指導の技術。読める語を覚えられる語にする流れです。
- 単語テストメーカー。頻度の高い語だけを選んで帯の紙にできます。
- 規則で読む側はフォニックス、量を読む練習は多読へ。