ひとことで言うと
強勢は、語や文の中で強く・長く・高く読む部分です。リズムは、その強勢がほぼ一定の間隔で来る英語の拍で、あいだの弱い語は速く軽く読まれます。イントネーションは、文の終わりの上げ下げ(Yes/No 疑問文は上げる、など)です。この3つをまとめてプロソディ(韻律)と呼び、個々の音(th や r)より、通じるかどうかに大きく効きます。
出どころ
学習指導要領(外国語)の「音声」の指導事項に、小学校は「語と語の連結による音の変化」「語や句、文における基本的な強勢」「文における基本的なイントネーション」「文における基本的な区切り」、中学校も同じ4つが挙げられています。高校も同様です。つまりこの3つは、教えることが定められた内容です。
授業での実際の使い方
帯の5分で、手拍子で体に入れる型です。
| 分 | やること | 先生が言う言葉 |
|---|---|---|
| 0〜1 | 本文の1文を、強く読む語(内容語)に丸をつける | 「意味の重い語に丸」 |
| 1〜2 | 丸の語で手を叩きながら言う。弱い語はつなげて速く | 「丸で叩く。あいだは流す」 |
| 2〜3 | 疑問文と平叙文を並べて、文末の上げ下げを矢印で書いて言う | 「終わりを上げる?下げる?」 |
| 3〜5 | ペアで、片方が手拍子、片方が読む。交代 | 「拍に乗せて」 |
日本語は音節ごとにほぼ同じ長さで読みますが、英語は強勢から強勢までがほぼ同じ長さになります。この違いを説明で伝えるより、手拍子で体に入れるほうが早く、チャンツはそのための道具です。単語の強勢(PHOto と phoTOgrapher)は、新出語のときに1語ずつ確かめます。
よくある誤解
- 1音ずつ正確に発音すれば通じる、わけではありません。全部の語を同じ強さで読む英語は、母語話者にはいちばん聞き取りにくい形です。強弱の差のほうが通じ方に効きます。
- 疑問文は必ず上げる、わけでもありません。Wh 疑問文(What・Where)は下げるのが基本です。
- 個々の音の指導(th・r・l)が要らない、という意味ではありません。順番として、リズムと強勢が先、個々の音は日本語にないものから、という優先順位です。
校種別の違い
| 校種 | 扱い |
|---|---|
| 小学校 | チャンツと歌で拍に乗る。強勢の語の手拍子 |
| 中学校 | 本文の音読で強勢に丸。疑問文のイントネーション。新出語の強勢の位置 |
| 高校 | 意味の対比で強勢が移ること(I said BLUE, not green.)。発音・アクセント問題 |
| 塾 | 発音・アクセントの入試問題を、規則(名詞は前・動詞は後ろ、など)で整理する |
この用語が出てくる教材と記事
- 発音指導の優先順位。個々の音より先にリズムと強勢を扱う根拠を書いた本編です。
- 歌・チャンツの活用術。拍に乗せる帯の作り方です。
- 音読指導の技術。強勢に丸をつけてから読む音読の型です。
- 拍に乗せる道具はチャンツ、弱い語がつながる現象はリンキング(音のつながり)へ。