ひとことで言うと
発音記号は、英語の音を、1つの記号で1つの音として表す文字です。国際音声学会が定めた国際音声記号(IPA)が使われ、辞書や教科書の新出語の横に音が示されています。英語はつづりと音が一致しない語が多いので、記号で音を確かめられることが、辞書を引いて自分で発音できる力の土台になります。
出どころ
国際音声記号は1888年に国際音声学会が定めたもので、日本の英和辞典と検定教科書は、これをもとにした記号で発音を示しています。学習指導要領は、中学校・高校とも発音記号の指導を必須の事項としていませんが、中学校の解説は、辞書の使い方の指導の中で発音記号に触れることを想定しています。つまり「教えなければならない」ではなく「辞書を引く力の一部として扱う」位置づけです。
授業での実際の使い方
全部の記号を教える必要はありません。日本語にない音、つづりから読めない音に絞ります。
| 段 | 教える記号 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 日本語にない子音 | th(think・this)、f・v、l・r |
| 2 | 日本語より種類の多い母音 | bat・but・bought の3つの「ア」 |
| 3 | 二重母音とつづりの例外 | make の「エイ」、though と through |
| 4 | 強勢の位置 | 記号の上の点や線で、強く読む音節を見る |
教え方は、新出語のときに1語だけ記号を取り上げて、「この記号は、口をこうする」と1つ確かめる形です。先生が言う言葉は「つづりじゃなくて、記号を見て音を決めて」です。中学3年間で、日本語にない音の記号10個ほどが読めれば、辞書を引いて自分で発音できるようになります。
よくある誤解
- 発音記号を覚えないと発音できない、わけではありません。音は耳と口で覚えるもので、記号は「辞書で確かめるための文字」です。
- 一覧表を配って覚えさせる方法は、ほとんど定着しません。新出語で1つずつ、必要な記号だけを積みます。
- フォニックスと同じではありません。フォニックスはつづりと音の規則、発音記号は音そのものを表す文字です。規則で読めない語を、記号で確かめる、という関係です。
校種別の違い
| 校種 | 扱い |
|---|---|
| 小学校 | 扱わない。音は耳で、文字は名前の読みまで |
| 中学校 | 必須ではない。辞書の使い方の中で、日本語にない音の記号から少しずつ |
| 高校 | 辞書を引く前提になる。単語テストに発音・アクセント問題を置く学校もある |
| 塾 | 発音・アクセント問題の対策として、記号の読みを整理する |
この用語が出てくる教材と記事
- 発音指導の優先順位。どの音から教えるかの順番を書いた本編です。
- 辞書指導と辞書の選び方。発音記号を「辞書を引く力」として扱う考え方です。
- 音と文字をつなぐ指導。つづりの規則(フォニックス)と記号の分担です。
- 規則で読む側はフォニックス、強勢とリズムは強勢・リズム・イントネーションへ。