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英語教材ラボ

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インプット仮説(i+1)とアウトプット仮説・インタラクション仮説

いんぷっとかせつ・Input Hypothesis (i+1), Output Hypothesis, Interaction Hypothesis

クラッシェンの「今の力より少し上(i+1)の理解できるインプットで言語は習得される」という仮説。対になるのがアウトプット仮説とインタラクション仮説。

インプット仮説とは、クラッシェンが1980年代に唱えた「今の力より少しだけ上(i+1)の理解できるインプットを大量に受け取ることで言語は習得される」という仮説のことです。5つの仮説(習得と学習・モニター・自然な順序・インプット・情意フィルター)のわかりやすい説明、これに対するアウトプット仮説(スウェイン・1985年)とインタラクション仮説(ロング)の中身、3つの違い、授業での使い方(聞く量・言わせる場面・やり取りの設計)、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-13・更新 2026-09-13

ひとことで言うと

インプット仮説は、アメリカの言語学者クラッシェンが唱えた「今の力(i)より少しだけ上(i+1)の、理解できるインプットを大量に受け取ることで、言語は習得される」という仮説です。これに対して、理解できるインプットだけでは足りず、話す・書くこと(アウトプット)で気づきが起きて伸びる、というアウトプット仮説(スウェイン)と、意味のやり取り(インタラクション)の中で調整が起きて伸びる、というインタラクション仮説(ロング)があります。3つを並べると、授業の「聞く・読む」「話す・書く」「やり取り」の3つの時間がなぜ要るかが説明できます。

出どころ

クラッシェンは1980年代前半の著書で、5つの仮説をまとめて提唱しました。

仮説中身授業で言い換えると
習得と学習無意識に身につく「習得」と、意識して学ぶ「学習」は別文法の説明(学習)だけでは話せるようにならない
モニター学習した知識は、話すときの見張り(訂正)にしか使えない文法は書くときの見直しに効く
自然な順序文法は決まった順で身につき、教える順とは一致しない三単現の s は教えてもすぐには定着しない
インプットi+1 の理解できるインプットが習得の条件少し上の英語を、意味が分かる形で大量に聞かせる・読ませる
情意フィルター不安が高いとインプットが入らない安心して聞ける教室が先

スウェインは1985年、カナダのイマージョン教育の生徒(インプットは大量なのに文法の正確さが伸びない)の実測から、アウトプットには「言えないことに気づく」「仮説を試す」「形について考える」の3つの働きがあると唱えました。ロングは1980年代から、意味が通じないときに聞き返す・言い直す「意味の交渉」が、i+1 のインプットを作り出すと唱えました(インタラクション仮説)。

授業での実際の使い方

3つの仮説は対立ではなく、授業の3つの時間に対応させて使います。

仮説授業の時間やること目安
インプット聞く・読む既習の語が9割の英語を、意味が分かる形(絵・場面・既習の文脈)で大量に1時間に先生の英語10分+速読か多読5分
アウトプット話す・書く言えないことに気づく場面を作る。3文の英作文・1分の即興1時間に1回、産出の場面
インタラクションやり取り情報の差のあるペア活動で、聞き返し(Sorry? / What do you mean?)を許す聞き返しの表現を黒板に貼っておく

i+1 の「+1」を作るのは教材の選び方です。速読の文章は既習の語彙が9割、リスニングは既習の文法に新出を1つ、というように「少し上」を機械的に決めておくと、仮説が教材の選択基準になります。

よくある誤解

  • インプットだけで話せるようになる、ではありません。クラッシェン自身の主張ではありますが、イマージョンの実測(スウェイン)がそれを否定し、今は「インプットが土台で、アウトプットとやり取りが要る」という理解が標準です。
  • アウトプット仮説は「たくさん話させればよい」ではありません。言えないことに気づいて、次のインプットに戻る、という往復が中身です。
  • 5つの仮説は「検証済みの理論」ではなく「仮説」です。教職の試験では仮説として答え、授業では設計の物差しとして使います。

校種別の違い

校種特徴
小学校インプット仮説が一番近い校種。先生とALTの英語を大量に聞き、話すのは慣れ親しんだ表現から
中学校3つを1時間に並べる。速読と多読でインプット、3文の英作文でアウトプット、情報の差のあるペア活動でやり取り
高校論理・表現がアウトプットとやり取り、英語コミュニケーションがインプット、と科目で分かれている
解説(学習)に寄りやすい。インプットの時間(音声を聞く・読む)を毎回5分入れる

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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