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CLL(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)

しーえるえる・Community Language Learning (CLL)

カウンセリングの考え方を語学に持ち込んだ教授法。学習者が言いたいことを母語で言い、教師が目標言語に直して伝え、学習者が言って録音する。1970年代のカラン。

CLL(Community Language Learning・コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)とは、カウンセリングの考え方を語学に持ち込んだ教授法で、学習者が輪になって座り、言いたいことを母語で言うと、教師(カウンセラー役)が目標言語に直して耳元で伝え、学習者がそれを言って録音する、という流れで進みます。出どころ(1970年代のカラン)、授業の流れ、5つの段階、批判、今の授業に使える部分(言いたいことから始める・生徒の言葉を英語にして返す)、小学校・中学校・高校・塾での違いまでまとめました。

公開 2026-09-13・更新 2026-09-13

ひとことで言うと

CLL(コミュニティ・ランゲージ・ラーニング)は、カウンセリングの考え方を語学に持ち込んだ教授法です。学習者が輪になって座り、言いたいことを母語で言うと、教師(カウンセラー役)が目標言語に直して耳元で伝え、学習者がそれを声に出して録音する。録音を聞き直して、そこから文法や語彙を学びます。「教科書の文」ではなく「自分が言いたかった文」から学ぶのが中心で、読みは「しーえるえる」です。

出どころ

アメリカの心理学者で神父のチャールズ・カランが、1972年と1976年の著書で提唱しました。カウンセリング(相談を受ける側が、相談者の言葉を受け止めて言い換える技法)を教師と学習者の関係に当てはめ、学習者は「クライアント」、教師は「カウンセラー」として、不安を受け止めながら言語を渡します。学習者は5つの段階(全面的に頼る→少し自分で言える→自分で言えるが確認が要る→ほぼ自立→教師が細部を直すだけ)を経て自立していく、という設計です。TPR・サイレント・ウェイ・サジェストペディアと同じ、1970年代の人間中心の教授法のひとつです。

授業での実際の使い方

輪と録音の形は40人の教室では難しいので、「言いたいことから始める」部分を取り出して使います。

取り出す部分やること
生徒の言葉を英語にして返す生徒が日本語で言ったことを、先生が英語にして返し、生徒に言わせる生徒「昨日サッカーした」→先生 You played soccer yesterday. Say it. →生徒が言う
言いたいことのリスト単元の最初に「この単元で言えるようになりたいこと」を日本語で3つ書かせる単元の終わりに、その3つを英語で言えたかを振り返る
録音して聞き直すペアのやり取りを端末で録音し、自分の英語を聞いて1か所直す1人1台端末で。直したい1文だけを先生に聞く
段階を意識する全面的に頼る段階の生徒に、自立を急がせない中1の4月は、先生が英語にして返すだけで十分

授業の中では、ペア活動の前に「言いたいことがあれば日本語で言って。英語にして返すから」と伝えておく形が一番使いやすいです。生徒の本当の情報から出た文は、教科書の例文より定着します。

よくある誤解

  • 母語で言わせるのは甘やかし、ではありません。言いたいことが先にあって、それを英語にする順序が、意味のある産出の条件です。
  • 教師が全部訳してあげる教授法、でもありません。5つの段階で頼る量を減らしていく設計で、最後は教師が細部を直すだけになります。
  • 丸ごと使う必要はありません。「生徒の言葉を英語にして返す」だけで、CLLの一番大きな部分は教室に入ります。

校種別の違い

校種特徴
小学校「言いたいことを日本語で言って、先生が英語にする」がそのまま使える。ALTが英語にして返す形も
中学校ペア活動の前に言いたいことを聞く。1人1台端末で録音して聞き直す
高校論理・表現で「自分の意見」を先に日本語でメモさせ、英語にする。細部を直す段階
1対1はCLLの輪に一番近い。生徒の言葉を英語にして返し、言わせて、書かせる

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執筆: 英語教材ラボ編集部

首都圏の公立中学校で英語を10年教えた元教員が、実際の教室で使っていた教材を原型に制作・検証しています。詳しくは教材のつくり方と運営者情報へ。

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